〜〜〜〜カービィ探偵団!ミステリーコテージ殺人事件!問題編!〜〜〜〜


主な登場人物( )内は役
カービィ・・・・(主人公&探偵)
クー・・・・・・(探偵)
アドレーヌ・・・(探偵)
バグジー・・・・(警部)
スパーキー・・・(警部補)
ユーフォー・・・(鑑識)
ギャスパー・・・(被害者)
フレイマー・・・(元トラック運転手&フリーカメラマン)
クールスプーク・(観光客)
アンプキン・・・(元トラック運転手&コテージ管理人)
*:今回の事件、夏の季語が出てきます。冬に読む場合は暖房をガンガンに効かせて読むと良いかもしれません(よくね〜よ)。


その事件は、雷鳴轟く豪雨の中おこった。
男はコテージのドアを乱暴に開け、中に入って来た。
ギャスパーが入ってきた男の気配に気がついた。
ギャスパー「ん?ん〜ん…。誰だ?こんな夜中に…」
???「2年前の者…といえば解るか?」
ギャスパー「2年前…!?そんな…おまえは死んだはず!」
男は逃げようとするギャスパーに振り上げたナイフを一気に振り下ろした。
「ぎゃああぁぁぁ!?」
だが、ギャスパーの叫び声も雷鳴に虚しくかき消された。

バグジー「頼む!捜査協力してくれ!」
探偵団「捜査協力!?」
 ここはカービィの家の2階、カービィ探偵団!事務所。バグジー警部が突然入ってきたと思ったら、突然土下座し、捜査協力を頼み込んできた。
バグジー「頼む!」
カービィ「でも…捜査協力って、どうしてまたそんな突然…」
 カービィはクーラーの真下でアイスを食べながら今にも眠りそうな顔で聞いた。
バグジー「な?いいだろ??捜査協力!」
クー「なんでおれの方を向く?」
バグジー「だって…そりゃおまえ、カービィに頼み込んだって…」
クー「団長はカービィだぞ。一応」
バグジー「!?そうだったのか!?」
カービィ「だ〜か〜ら、バグジー警部!ここの事務所の名前見た?」
バグジー「カービィ探偵団事務所だろ?でも、あれは単なる名前じゃなかったのか?」
カービィ「ボクがリーダーだから、カービィ探偵団!なんでしょう!それに、探偵団と事務所の間に『!(エクスクラメーションマーク)』が入るの!」
バグジー「知らなかったぞ…」
クー(っていうか、まだ『!』にこだわってたのか…?)
 呆れ顔のクーを横目で見つつ、カービィはとりあえずバグジー警部の申し出を断わりたかったが引き受けた。
バグジー「そうときまれば早速来てくれ!」
カービィ「これ食べたらね」
 カービィはわざとゆっくりアイスを食べ始めた。
バグジー「んなもん、とっとと食え!」
 バグジー警部はアイスを取って、カービィの口に押し込んだ。
バグジー「さ!行くぞ!」
カービィ「〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
アドレーヌ「何で行くんですか?その前に、どこに行くんですか?」
バグジー「今は一瞬の時も惜しい!話しはパトカーの中だ!」
アドレーヌ「パ……パトカー…」
クー「正式名パトロールカー。直訳すると巡回車」
バグジー「行くぞ!」
 カービィ一行はパトカーの中に入った。
アドレーヌ「で、どこにいくんですか?」
 アドレーヌは運転しているバグジーに聞いた。
バグジー「山だ」
カービィ「山?」
バグジー「ああ」
クー「どの山だ?」
バグジー「ヨーグルトヤードだ」
カービィ「ヨーグルトヤード?ああ。避暑地か」
クー「避暑地としては人気だけど、ハイキングや山登りとしてはあまり人気じゃないところだな」
バグジー「ああ」
アドレーヌ「じゃあ、容疑者多いんじゃないの?」
バグジー「いや。上の方だから」
クー「ヨーグルトヤードはかなり高い山だからな。わざわざ頂上近く行かなくても避暑が楽しめる。上の方ってことは、山登りが趣味の人か、カメラマンってところだな」
バグジー「お、よく解ったな。ま、運転中はあまり喋れないからな。続きは山でだ」
アドレーヌ(どっちなのよ)

 ヨーグルトヤードの現場。ヨーグルトヤード頂上付近のコテージについた一行。そこには、あのコンビの2人組みも待っていた。
ユーフォー「あ、バグジー警部。やっと帰ってきましたか」
バグジー「ああ。カービィ達を連れてきたぞ」
スパーキー「お、本当だ。ちっ」
バグジー「ちっ?」
スパーキー「いやぁ。連れてこれない方に賭けてたんだがなぁ」
カービィ「ちなみに、いくら?」
スパーキー「10円だ」
カービィ(少ない…)
???「おお。カービィ探偵団やないけ。本物や本物や。一枚失礼」
 突然バグジー達の後ろから現れた関西弁の人がカメラを取り出し、カービィ達を撮った。
カービィ「え?あんさん誰ですか?」
 カービィもまけじと(なんの勝負をしてるのかわからないが)下手な関西弁で話し出した。
フレイマー「わいはフレイマーや。フリーカメラ…」
 そこまで言った時に、バグジー警部に制された。
バグジー「おいおまえ。今我々は取り込み中だ。それに、写真撮影はマネージャーを通して…」
フレイマー「刑事さん。あんさんもなかなかジョークが上手い。まあいい。じゃ、あとで撮らせてな」
カービィ「OK!」
 カービィはとてもうれしそうだった
アドレーヌ「で、どんな事件なんですか?」
バグジー「うむ…。それがなんとも厄介な事件なんだ」
クー「まぁ、そうだろうな」
バグジー「まず、事件は昨晩おこった。昨日の夜遅く…といっても、12時を過ぎてたから本当は今日なわけだが…。でだ、被害者はギャスパーさん。ナイフで心臓を一突き。まぁ、まだ結果が出てないがおそらく即死だろう。これがそのナイフだ」
 そういってバグジー警部は奇麗な装飾をされたナイフを取り出した。
アドレーヌ「うわぁ。すごい装飾…。でも血がついてる…」
バグジー「当たり前だ。これが凶器なんだから」
カービィ「ふうん…で?」
バグジー「ああ。でだ。ここは見ての通りにコテージだ。で、被害者はあそこのコテージで殺された」
 バグジー警部は一番右端のコテージを指差した。
カービィ「ふんふん」
バグジー「昨晩は豪雨だったから、だれも叫び声は聞いていない」
カービィ「で、あのコテージ、鍵はないの?」
バグジー「それだよ」
 バグジー警部の顔色が変わった。
バグジー「一応、鍵があるんだが、管理室の合鍵が盗まれたんだ」
探偵団「え!?」
バグジー「聞いてみたところ、鍵は取ろうと思えば誰でも簡単に取れるんだそうだ」
アドレーヌ「不用心ね…」
カービィ「じゃあ、アリバイは?」
バグジー「アリバイは、全員無い!」
探偵団「ええ!?」
バグジー「つまりだ。犯行は容疑者全員が可能だったと言う訳だ」
カービィ「なるほど…」
クー「ところで…」
 クーが話し始めた。
クー「まだ容疑者の名前を聞いていないんだが…」
バグジー「ああ。それは容疑者に聞け」
カービィ「なんでやねん」
フレイマー「お、移しちまったかいな?関西弁」
 フレイマーがが後ろから現れた。
フレイマー「じゃ、失礼してもう一枚」
カービィ「………」
クー「あなたは確かフレイマーさんでしたっけ?」
フレイマー「そや。フリーカメラマンや」
アドレーヌ「へぇ」
クー「なぁ。バグジー警部」
バグジー「なんだ?」
クー「容疑者って、普通どっか一個所にまとめて置くもんじゃねえか?」
バグジー「ああ、そう言えばそうだったな」
クー「あんた何年刑事やってんだよ」
バグジー「かれこれ20年…」
クー「……………………そんなにやってんだったら…」
バグジー「まぁ、気にすんな」
 いつのまにかにアドレーヌが他の容疑者を招集していた。
アドレーヌ「さて、じゃ、そっちから順番に自己紹介して下さい」
 アドレーヌはまずはフレイマーを指名した。
フレイマー「わいからか?フレイマーや。さっきも言ったように、フリーカメラマンや。写真を撮りにきたんや」
アドレーヌ「じゃあ、その隣の人…」
クールスクープ「おれはクールスクープ。観光に来た」
アドレーヌ「ふぅん…。1人で?」
クールスクープ「!?〜〜〜〜〜…」
 クールスクープは黙ってしまった。
クー「どうやら、痛いところをつかれたらしい」
アドレーヌ「…………。じゃあ、管理人さん」
クー(おいおい)
アンプキン「アンプキンです。管理人です」
フレイマー「なに?アンプキン!?アンプキンやって!?」
 フレイマーが急に叫んだ。
フレイマー「おいアンプキン。わいやわい!覚えとらんか?フレイマーや!」
アンプキン「え!?フレイマーだって?本当かよ!」
フレイマー「おお!ほんまや!2年ぶりやな!」
カービィ「2年ぶり…?」
 カービィが感動の(?)再会を邪魔して質問した。
フレイマー「そや。2年前まで、わいら一緒にトラックの運転手をやってたんや。だけど……な」
カービィ「だけど…なんですか?」
アンプキン「いやぁ…。実はちょっと事故をおこしちゃって…。いや、こっちは寝てた訳でも、酒飲んでた訳でもないんですがね。軽自動車とぶつかっちゃって…」
アドレーヌ「なるほどねぇ…」
クー「じゃ、捜査でもするか。バグジー警部。現場、見せて下さい」
バグジー「おう。スパーキー案内しろ」
スパーキー「アラエッサー!」

現場室内
スパーキー「ここが現場だ」
 スパーキーは少し偉そうに言った。
カービィ「あのベッドの上で殺された訳だね」
 カービィは血まみれのベッドを指差して言った。
スパーキ「ああ。そうだ。凶器は被害者の胸に突き刺さったまんまだった」
クー「ん?」
 クーがテーブルの上を指差した。
クー「あそこにナイフが置いてあるぞ。被害者の持ち物か?」
スパーキー「被害者の持ち物は全てこちらで回収した。あのナイフはこのコテージに元から置いてある奴だ」
クー「ふ〜ん。そうなのか…」
アドレーヌ「じゃぁ、凶器も?」
スパーキー「いや、凶器は犯人の持ち物だ」
カービィ「え!?じゃあ、犯人は計画犯罪だったの?」
スパーキー「それはない。被害者だけ、豪雨になるから仕方がなくここに泊まったそうだ。つまり予約無し」
カービィ「ふ〜ん」
クー「凶器から犯人が割り出せないのか?」
スパーキー「無理だ。あのナイフはどこにでも売ってるもんだし、他の人に聞いて見たが、誰かがあのナイフを持っていたが、誰が持っていたかは覚えてないとのことだ」
カービィ「そっか…」
 と、そのとき、後ろでシャッター音が聞こえた。言うまでもなく、フレイマーの仕業である。
スパーキー「あ、おい、警察のつもりか!きさまは!」
フレイマー「いやいやいや。だってほら、こんなことめったにあわへんやろ?だから記念に」
スパーキー「あ、バグジー警部」
フレイマー「な、なに?」
 フレイマーが慌てて振り向くと、後ろにはバグジーがいた。
バグジー「おまえ、何やってるんだ?」
フレイマー「あ…いやぁ。ははは。ここいらの人は短気でかなわんなぁ…」
バグジー「おまえのやってることは公務執行妨害すれすれのことだ!あっちにいろ!!」
 フレイマーは戻っていった。
アドレーヌ「別に、公務執行妨害にならないような気がするんだけど…」
バグジー「だから、すれすれって言ったろ」
アドレーヌ「…………………………………」
カービィ「で、なんだっけ……。あ、そうそう、凶器のナイフのことだ」
クー「よし、じゃあ容疑者達に聞いてくるか」
フレイマー「ここにおるで」
バグジー「〜〜〜〜〜!!!」
フレイマー「ここいらの人は短気だからかなわん…」
アドレーヌ(フレイマーさんもフレイマーさんだとおもう…)
 とりあえず、容疑者の集まっているところへ来たカービィ達。何やら尋問している。
カービィ「この凶器、誰が持ってたか本当に覚えてませんか?」
フレイマー「覚えとらんなぁ」
アンプキン「誰かがもっとったんだけどなぁ…」
クールスクープ「う〜ん…」
カービィ「覚えてないんですか?」
フレイマー「ああ…。誰かがもっとったんやけど…」
クー「っていうか、それ以前になんで人のナイフを見るんだ?みんな、それぞれ各自のコテージで食べる訳だから、見ないんじゃないのか?ナイフなんて」
フレイマー「それはちゃいまっせ」
 フレイマーが口を挟んだが、アンプキンが話し始めた。
アンプキン「昨日、夜はヒドイ豪雨でしたが、夕方は晴れてたんです。ですので、ここに泊まってる人…もちろんギャスパーさんも含めて、全員ここのテーブルで食べたんです」
 そういってアンプキンは外においてある大テーブルを叩いた。
アンプキン「だから、見てる可能性は十分にあります」
クールスクープ「そうなんですよ。でも覚えてない…」
カービィ(覚えてない…?あんな奇麗な装飾だったのに…。ん?ってことは…)
カービィ「本当に覚えてないんですね?」
フレイマー「誰かが持ってたような気がするんだけど…」
カービィ「じゃあ、犯人は1人しか居ません!」
全「何だってぇ〜!?」
カービィ「あなたじゃないんですか?犯人は」
 そういってカービィは管理人のアンプキンを指差した。
アンプキン「え!?わたし…??」
カービィ「そう。犯人はコテージに管理人小屋の合鍵を盗んで入った。しかし、管理人でもなきゃぁ合鍵が簡単に盗れるなんて解るはずも無い」
アンプキン「そんな無茶苦茶な!」
カービィ「さらに、凶器はこんな奇麗な装飾されたナイフです。覚えてない訳が無い。なのに誰も覚えてない。ってことは、ほとんど見てないか、まったく見ていないか…。被害者を含めた他の3人は食事中に一緒に食べたといった。つまり、犯人は一緒に食べていない管理人さん、あんたになるって訳です!!」
フレイマー「ちょいまち。それはちゃうで」
 フレイマーがカービィの推理に水を差した。
カービィ「なんですか?元同僚だからってかばうんですか?」
フレイマー「ちゃうちゃう。まぁ、それもあるけど、アンプキンもわいらと一緒に食べたで」
カービィ「!?えっ!?」
フレイマー「つまり、あんたの今の推理は成立しないことになる!」
 フレイマーは探偵みたいな言い方でいった。
カービィ「………ちっ」
アドレーヌ「何が『ちっ』よ…」
バグジー「大丈夫か?おい…。ちゃんと推理してくれよ」
アドレーヌ「大丈夫です。カービィは駄目だけど」
カービィ「む……」
アドレーヌ「安心して下さい、この事件はわたしが解いてあげます。博士号の誇りにかけて…ね」
 アドレーヌは不敵な笑みを浮かべながら言った。
カービィ「アドちゃん…博士号なんて持ってたんだ…」
アドレーヌ「あら?知らなかったっけ?………あ、そうか。カービィ、わたしが前に言った時、いなかったもんね」
 詳しくはお遊び教室殺人事件参照。←ああ、懐かしい名前だ。
バグジー「それで?犯人は?」
アドレーヌ「そんなのまだ解りませんよ!」
バグジー「そうか」
 と、アドレーヌとバグジーが口論している時に、またシャッター音が聞こえた。
バグジー「!?おい!きさまか!」
フレイマー「警察と美少女、まさかの口論!これはうれるでぇ!!」
バグジー「おい!売るな!!」
アドレーヌ「売っちゃえ」
バグジー「おい…」
アドレーヌ「あなた、結構良いセンスしてるかもね。いつか大物になるよ!」
 どうやらアドレーヌは、美少女と言われて機嫌が良くなったようだ。
カービィ(女の子って、どうしてこう態度が変わり易いんだろう?)
クー「男にとって、女は永遠の謎と良く言うからな」
カービィ(なんでボクの心の中が解るんだ)
クー「推理だ」
カービィ(……………)
クー「ん?まてよ…」
 クーはフレイマーに話し掛けた。
クー「あんた、フリーカメラマンだったな?」
フレイマー「そや」
クー「もしかして、事件の前にも何枚かここで撮ってるか?」
フレイマー「撮ってるで」
クー「それを今すぐ現像しろ!もしかししたら、ナイフが写ってるかもしれない!」
全「あっ!」
アドレーヌ「今すぐ現像して!」
カービィ「現像!」
フレイマー「今すぐはちと無理や…」
探偵団「なんで!」
フレイマー「いやね…現像道具持ってきておらへんのや」
カービィ「あ…そうなのか…」
 バグジーが得意げな顔でやってきた。
バグジー「それなら任せておけ」
アドレーヌ「え?」
ユーフォー「警察に持っていけば、そこで現像できます。事件前に撮ったフィルムを貸して下さい」
フレイマー「ああ。ちいとまってや」
 フレイマーは自分のコテージへ戻っていった。
 そして、ちょっとしてフィルムを持ってやってきた。
フレイマー「これや。これ1本。ここではちょっとしかト撮っとらへんのや」
アドレーヌ「ちょっとしかないのか…」
フレイマー「大丈夫や。50枚撮りや」
クー(ちょっとじゃねぇ…)
ユーフォー「ん。じゃあ、署へ持って返ります。1時間以内に戻ります」
バグジー「30分以内に戻ってこい」
ユーフォー「アラエッサー」
クー(いや、ここって、ふもとから30分ぐらいのところだろ?)
アドレーヌ「じゃあ、その間にわたし達は現場をもう少し調べましょう」
カービィ「そうだね」
クー(誰か気付けよ…)
アドレーヌ「じゃ、もう一度現場に入りましょう」
カービィ「…………ボク、なんだかんだ言って、やっぱり好きになれないな…。あのテープ」
クー(テープかよ)
現場
 カービィの嫌いなあのテープ。実際の事件でも本当にやるらしい。見た事が無いぞ…。
 今回の被害者は胸を思いっきり突き刺されたわりには、血がほとんど出ていなかった。おそらく、突き刺した後ナイフを抜かなかったからだろう、とユーフォーは言っていた、とバグジーが言った。
カービィ「へぇ」
アドレーヌ「あのテープ、確かになんかやだけど、それがさらに赤い血の隣にあったりすると、もっとやなのよね」
クー(みんなから嫌われるかわいそうなテープ…。もっとも、おれも好きじゃないけど…)
バグジー「そんなテープ、どうでもいいだろ!」
アドレーヌ「そうね………。じゃ、現場検証…」
 しかし、これと言った収穫がないまま、ユーフォーが帰ってきた。
バグジー「お、早いな。30分ジャストだ」
クー(嘘だろ…)
ユーフォー「写真、現像して来ました。まだ中身は見てませんが…」
バグジー「まあいい。おい、おまえら、こい。見せてやる」
「見せてやるだと?」と、アドレーヌは言いたかったが、こういう時に文句を言うと、また面倒なことになるので止めておいた。
カービィ「どれどれ…」
 カービィがユーフォーから写真を奪い、机に広げた。
カービィ「………あ、食事の時の写真だ」
クー「ってことは、ナイフが写っている可能性大だな…おや?」
アドレーヌ「あら……?おかしい…。写ってない…」
カービィ「ナイフが写ってないぞ!」
バグジー「なに!?」
スパーキー「本当だ…。どういう事だ…?」
クー「ああ。なるほど。簡単なことだ」
バグジー「どういうことだ?」
クー「犯人は、凶器のナイフを使わなかったんだよ。これからそのナイフで犯罪を犯そうって時だ。そこから足がつく可能性がある」
バグジー「なるほどな…」
クー「そんなことも解らないか?何年刑事やってんだ」
バグジー「15年だ…」
クー「15年か…」
クー(あれ…?)
フレイマー「どれどれ、わいにも見してや」
バグジー「あ、きさまいつのまに!」
フレイマー「なんや?わいの撮った写真や。わいが見る権利あるだろう?」
アドレーヌ「そうですね。じゃ、外で見ましょう」
フレイマー「あ、いやいやいや。外で見ると写真が痛む。………あ、そうや、ユーフォーはん、ネガ、返してや」
ユーフォー「ああ、はい」
フレイマー「ども。…じゃ、見よか」
カービィ「警部達はちょっと外に居て下さい」
バグジー「なぜ?」
カービィ「なんとなく」
ユーフォー「われわれは、なんとなくで外に追い出されるんですね…」
スパーキー「そうみたいだなぁ…」
バグジー(良い部下に恵まれなくて、おれは不幸だ)

アドレーヌ「う〜ん…。凶器のナイフが写ってないのは残念ねぇ…」
カービィ「……………そうか、犯人はフレイマーさん、あんたなんや!」
 カービィは何故か下手な関西弁で言った。
フレイマー「な、なんでや!?」
カービィ「だって、自分のナイフだけを写さないように撮ったんじゃないの?」
フレイマー「そんなことしとらへん!」
クー「ああ。フレイマーさんのもちゃんと写っている」
カービィ「………なんだ」
フレイマー「『なんだ』やないやろ」
アドレーヌ「写ってないといえば、クールスクープさんも写ってないよ」
クー「いや、写ってるぞ、ここに」
 クーは写真を一枚とって、端っこを指差した。
アドレーヌ「あ、本当だ。………あれ?クールスクープさんが使ってるやつ、折りたたみ式テーブルじゃない?」
フレイマー「そや。なんか知らんが、本当は頂上で野宿する予定やったんやて。でも、夜に豪雨になるってラジオで言ってたから、仕方が無くここに泊まったんやと」
カービィ「なんでわざわざ外にある大テーブル使わずこれなの?」
フレイマー「せっかく持ってきたんだから、使わないのはもったいない、とかいっとったぞ」
アドレーヌ「あぁ、そう…。ギャスパーさん、殺されるとも知らずにのんきに食べてるわねぇ…」
クー「当たり前だ」
アドレーヌ(容疑者全員アリバイがなくって、侵入するの簡単で、凶器は誰の物か解らない…)
カービィ(こんなんで犯人がわかるかなぁ…?)
クー(なんか……なんか引っかかるんだよな…。何かが…)
 探偵達が独自で推理を始めた。
 が、そのまえにとりあえず一旦外に出ることにした。
 外では昨日の豪雨が嘘のようだ…、と容疑者のクールスクープとアンプキンが何故かのんきに話していた。
 そこにさらにフレイマーも加わり、もっと呑気になった。
アドレーヌ(ギャスパーさんの霊…うかばれないわね…)
カービィ「あの人達は………」
クー「……………」
 何故かのんきな容疑者に見とれていると、急に後ろからバグジーが話し掛けてきた。
バグジー「どうだ、なんかわかったか?」
カービィ「うひゃあぁあ!?」
 カービィ驚いて跳び上がった。
バグジー「うわぁ!?」
 驚いて跳び上がったカービィに、バグジーが驚いた。
バグジー「おどかすな…」
カービィ「そっちだろ!」
クー「おまえら……」
アドレーヌ「ああ!?」
カービィ「ひゃひいぃい!?」
 ずっと写真を見ていたアドレーヌが急に大声を出した。それにカービィが驚き、また跳び上がった。
カービィ「お…脅かさないでよ…」
クー「どうしたんだ?」
アドレーヌ「ふふっ」
 アドレーヌが不敵な微笑(えみ)を浮かべて言った。
アドレーヌ「わかったわ!この事件の真相が!」
    〜〜〜〜カービィ探偵団!ミステリーコテージ殺人事件!解答編!に続く〜〜〜〜

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