〜〜〜〜カービィ探偵団!ミステリーコテージ殺人事件!解答編!〜〜〜〜

容疑者リスト
フレイマー
クールスクープ
アンプキン
*:さぁ、解答編です。もしかしたらチリー密室殺人事件(←な、懐かしい!)より短いかもしれません。アドレーヌの最後のセリフから始めます。


アドレーヌ「わかったわ!この事件の真相が!」
 アドレーヌは突然大声でそういった。
カービィ「えぇえ〜〜!?」
クー「なんだって?」
 これにはカービィ達も驚いた。だって、今は写真しかない状況なのだから。
バグジー「あの写真で、事件が解けたのか?」
カービィ「あの写真で解けりゃ、ボクが既に解いてるよ」
クー(いや、それはない)
アドレーヌ「ま、いいからいいから」
 騒ぎに気がついた容疑者一同がカービィ達のもとにやってきた。
アンプキン「事件の真相が分かったんですか!?」
フレイマー「そりゃぁよかった。誰が犯人何や?」
クールスクープ「早く教えて下さいよ」
クー(そういえば、この人達、自分達の中に犯人がいるって知ってるんだよな?なのに、なんであんなのんきにはなしてたんだ?それとも知らないのか?)
 クーの思想を横に、容疑者達が「誰が犯人なのか?」を聞いている。その中に、犯人がいるのだ。必死に演技をしている犯人が。
アドレーヌ「まぁ、ここで話すのもなんですから、そこの大テーブルのまわりにでも座りましょう」
 アドレーヌが座り、他の人達も後に続いた。
アドレーヌ「さぁ、それでは、わたしの推理ショーを始めましょう…。いいですね?」
 アドレーヌはゆっくり全員の顔を見渡した。みんな、不安と期待を胸に秘めている。犯人は誰なのか?それをしきりに考えている。犯人を除いて。
アドレーヌ「単刀直入に言いましょうか。やっぱり。……………犯人は、あなただ!」
 アドレーヌは指を必死に演技をしている犯人に向けた。
フレイマー「えぇ!?」
アンプキン「あなたが犯人だったんですか!?」
アドレーヌ「そうです。犯人は、クールスクープさん、あなたでしょう?」
クールスクープ「!?………なな…なんで!?なんで…お、おれが犯人なんですか!?お、おれじゃ…ないぞ」
 クールスクープは誰の目にもわかるように動揺していた。
アドレーヌ「それをこれから説明するんです」
 アドレーヌは1枚の写真を取り出した。そして、その端っこを指差した。
アドレーヌ「ここ、見てください。クールスクープさんが写ってますね?」
クールスクープ「そ、それが…どうしたんだ…?」
バグジー「ん?なんだ?クールスクープさんが使ってるテーブル、ここには無いぞ?」
アドレーヌ「ええ。ありません。だって、クールスクープさんの持ち物なんですから」
ユーフォー「なんでまた…?」
アドレーヌ「クールスクープさん。なんでわざわざ折りたたみ式のテーブルを持って来たんですか?」
クールスクープ「え…?あ、ああ。フレイマーさんにもいったけど、おれ、本当は野熟する予定だったんだ…。だ、だけど、今日の夜豪雨になるって、ラジオで行ってたもんだから…ここに泊まることにしたんだ…」
スパーキー「でも、なんでわざわざ大テーブルがあるのに…?」
クールスクープ「あ、ああ…。いや、ほら、せっかく持って来たからもったいないって思ってさ…ははは…」
 クールスクープが作り笑いをしているのは、誰の目にもよくわかった。
アドレーヌ「みなさん。今の言葉、聞きましたね?」
アンプキン「ええ」
フレイマー「わいは前から知っとったけどな…」
アドレーヌ「ではアンプキンさん」
アンプキン「はっはいっ!?」
 急に名前を呼ばれ驚いたのか、アンプキンの声はひっくり返った。
アドレーヌ「予約を記入する記録帳、ありますよね?」
アンプキン「記録帳ですか…?ええ。ありますよ…」
アドレーヌ「それを持って来て下さい。はやく、今すぐに」
アンプキン「は、はい」
 アドレーヌに言われて、アンプキンは急いで管理人小屋に戻り、記録帳なるものを持って来た。
アドレーヌ「はい。どうも。ではみなさん、これを見てください」
 アドレーヌは記録帳を開いた。そして、なにかを探し始めた。数秒でそれが見つかり「あ、あったあった」といって、みんなに見せた。
アドレーヌ「ほらここ。みてください。『8月11日予約 クールスクープ様』」
 記録帳をみせ、アドレーヌは得意げにほほえんだ。
アドレーヌ「クールスクープさん、ここに、予約があるじゃないですか?なんで野宿する予定だったなんて嘘つくんですか?」
クールスクープ「………」
アドレーヌ「嘘つく理由はただ一つ。犯人だから、じゃありませんか?」
クールスクープ「ち、違う。犯人じゃない!」
アドレーヌ「では何故ですか?」
クールスクープ「じ…実は…潔癖症(けっぺきしょう)なんだ」
バグジー「潔癖症…?」
カービィ「潔癖症って何?」
 クーがカービィに聞いた。
クー「潔癖症ってのは…まぁ、一言でいえば激しすぎるきれい好きってとこかな?ちょっとした公共物に触れなかったり、人に身体を触れられるのを極力嫌がるんだ。極度の潔癖症になると、ずっとゴム手袋をはめて、ハンカチを常に持ち歩く、ってな感じの人もいるらしい」
カービィ「へぇ」
ユーフォー「でも、それなら、折りたたみ式のテーブルを持って来たこともわかりますし、潔癖症ってことがバレるのが恥ずかしいのならば、野宿する予定だったて嘘つく理由もうなずけますね…」
クールスクープ「そ…そや、そうなんや」
アンプキン「潔癖症か…」
アドレーヌ「みなさん、彼が潔癖症だってこと、確かに聞きましたね?」
 アドレーヌが突然言った。
バグジー「聞いたぞ」
アドレーヌ「クールスクープさん、墓穴を掘りましたね?」
クールスクープ「な…なにぃ!?」
カービィ「どういうこと?アドちゃん」
アドレーヌ「クールスクープさんが潔癖症なら、当然、身の回りの物も少しは持ってくるはず。当然、口に入れるナイフやフォークもね」
全「!?」
バグジー「そうか。つまり、凶器のナイフを持って来たのは、クールスクープしかいない、と言う訳だな!」
アドレーヌ「ご名答」
クールスクープ「ま、まってください」
 クールスクープが食い下がった。
クールスクープ「な、なんでそれだけで…犯人になるんですか!?誰か別の人が、ギャスパーさんがここに泊まるってことを知って、ナイフを持って来たのかも…」
アドレーヌ「それはありませんね」
 アドレーヌがきっぱりと即答した。
クールスクープ「な…なぜ?」
アドレーヌ「これを見てください」
 アドレーヌがもう一度記録帳を開き、みんなにみせた。
アドレーヌ「いいですか?もう一度8月11日の予約者の欄を見てください」
『8月11日予約 クールスクープ様 フレイマー様』
カービィ「あっ!」
クー「ギャスパーさんの名前が…」
バグジー「ない!?」
 アドレーヌがまたほほえんだ。
アドレーヌ「そう。ギャスパーさんは、昨日の夜、豪雨になるときいて、本当ならば野宿する予定だったところを、急遽、ここに泊まることにしたのです。つまり、ギャスパーさんがここに来てからでないと、ギャスパーさんがここに来るってことは解らなかったのです」
クールスクープ「!?」
アドレーヌ「どうですか…?」
クールスクープ「……………」
アドレーヌ「反論出来ますか…?」
クールスクープ「………な、なんでおれが予約してたってこと、わかったんだ?管理人さんだって忘れてたってのに…」
アドレーヌ「簡単なことですよ。現場検証した時に、スパーキーが『被害者だけ、豪雨になるから仕方がなくここに泊まったそうだ。つまり予約無し』って言ったのよ」
クールスクープ「それで…なんでわかるんだ…?」
アドレーヌ「スパーキーは、『被害者”だけ”』って言ったの。被害者以外は全員予約有りってことでしょ?」
クールスクープ「…そうか……」
バグジー「あんた…。なんでまた殺人なんて?」
クールスクープ「動機ってやつか…。2年前の事故だよ…」
カービィ「2年前の事故?」
クールスクープ「そう。トラックと軽自動車がぶつかったって事件だ」
クー「それって…」
クールスクープ「ああ。管理人さんと、フレイマーさんの乗っていたトラックと、軽自動車がぶつかった事件だ」
フレイマー「なんやて…?」
クールスクープ「あれは…2年前の夏の夜…」
 クールスクープが話し始めた。

 2年前。
 その日は暑かったが、乾燥していたために、それほど過ごし辛くなかった。その夜、クールスクープの恋人が誘拐された。犯人はクールスクープの恋人をつけまとっていたストーカーのギャスパー。クールスクープはバイクでギャスパーと恋人の乗っている車を追いかけた。ものすごい速さだった。
 その時、十字路の横から、大型トラックが走って来た。ギャスパーは急ブレーキをかけたが、止まれず激突した…。

クールスクープ「そして、おれの恋人は死んだ。なのに、あいつは生きていた。だから、殺してやったんだ…」
カービィ「………」
クールスクープ「おれの恋人の仇(かたき)を取ってやったんだ。おれの恋人を殺した奴を殺して、何が悪い」
アドレーヌ「悪いに決まってるでしょ」
クールスクープ「なに?」
アドレーヌ「わたしは今、恋人はいませんけど、わたしがまったく同じ状況になって死んでも、恋人に、殺人なんてしてほしくありません。そんな、人を殺すような人を好きな人は、世界中探したっていませんからね…。………嫌われても良いんですか?その、天国にいる恋人さんに…」
クールスクープ「…………」
 クールスクープは黙った。
バグジー「さぁ、じゃぁ、署まで来てもらおうか…」
 バグジーが言うと、クールスクープの表情が一変した。
クールスクープ「やだね」
バグジー「なに!?」
クールスクープ「たしかに、おれのやったことはいけないことだったのかもしれねぇ。でもやだね!」
 クールスクープはそういいのこして、森の中へと逃げていった。
バグジー「!?おい、スパーキー!追うぞ!」
スパーキー「アラエッサー!」
バグジー「ユーフォー!この事を警察庁に伝えろ!奴を全国指名手配だ!」
ユーフォー「アイアイサー!」
 彼らのやりとりと、クールスクープの突然の逃亡。探偵達と、アンプキン、フレイマーは呆気に取られて見ているだけだった。
 その後、バグジーを含める警察が彼の行方を追ったが、彼は二度と姿をあらわすことはなかった。

   〜〜〜〜エピローグ〜〜〜〜
クー「今回の事件は後味がわるかったな…」
アドレーヌ「ええ。やっぱりあそこで、『わたしの恋人が殺人なんて犯したら』って言うべきだったわ」
クー「そうじゃねぇだろ」
カービィ「でも、クールスクープはどこへ行ったんだろ?」
クー「さあな」
バグジー「お〜い」
カービィ「あ、バグジー警部」
バグジー「とんでもないことがわかった」
カービィ「え?なに?」
バグジー「ちょっと気になってな、あの動機にもなった2年前の事故を調べてみたんだ」
アドレーヌ「それで?」
バグジー「ああ。事件が起こったのは2年前の8月11日。今回の事件の起こった日の、おこった時間だったんだ」
クー「どっかのテレビ番組かよ」
バグジー「それだけじゃない。あのカメラマン達が運転していたトラックは、なんと石油タンクだったんだ」
アドレーヌ「ええ!?」
バグジー「そして、軽自動車が激突しただけじゃない。トラックは爆破、炎上したんだ」
クー「なに!?じゃぁ、2年前の事故の死者はまさか…」
バグジー「ああ。計5人だったんだ…」
探偵団「……………」
 夏のちょっとしたホラー物なんかに負けない恐怖が探偵達の背筋を走り、今回の事件は幕を閉じた。
???「まったくもう。あなた、わざわざ地上に降りて行って、あいつをまた死なせる必要なんてなかったんじゃないの?」
???「ああ。でも、幽霊を殺しても天国に行けるからな。どうしてもあいつを懲らしめてやりたかったんだ」
???「そんなことしなくったって、よかったのに…」
???「まぁな…。なぁ、あの探偵がいったように、嫌いになったか?おれのこと…」
???「ま、殺したのが幽霊だから、許す」
???「そうか。じゃぁ、2人の愛を深めようじゃないか。ここは文字通りの楽園。おれたち2人の世界なんだから……」
    〜〜〜〜END〜〜〜〜

    〜〜〜〜あとがき〜〜〜〜
こんにちは。今回は若干非科学的なことを書いた黄黒真直です。
いやぁ、ずっと科学的(?)なことを書いてたから、たまには少し非科学的なことも書きたくなりまして。
アドレーヌ「メビウスの輪は?」
あれは、この話しを考え付いただいぶあとに考えたものだから(つまり、相当前からこの話しを考え付いていたというわけです)。
カービィ「で、さぁ、あの人達は…いったい…だれ…?なに…?最後の???さんは?」
あの容疑者の正体、クールスクープはどこへ行ったのか?そして、最後の???さんはいったい誰か?全てご想像にお任せします。。ふふふふふっ。
クー「……………」
ところで今回のキャラクター全員お化けキャラだったのに気がつきました?ギャスパーはみるからにお化けだし、クールスクープ宙にふわふわと浮いてるし、アンプキンはカボチャだし、フレイマーは人魂みたいだし。ね?気がつきました?ちょっと無りあるかもしれないけど。
クー「ありすぎ」
うるさい!
そうそう、今回は大抵どんな推理ものでも一度は動機に出てくる『恋愛』が、やっとカービィ探偵団でもでました。あんまり、そんな感じしなかったけど。
今回の事件の動機、2年前の事故ですけど、大抵推理物に出てくる過去の事件って、3年前か、5年前なんですよね。それ以上の時はほとんどが5の倍数。あ、それと、12年前ってのも多いです。だから、2年前にしました(なんやそれは)。
ところで、2年前って言うと、カービィ探偵団!をボクが書き始めたころなんですよねぇ。はやいなぁ…。でも、2年かかっても9つしか小説書いてないぞ。まぁいいや。
それと、今回の動機となった事故、実は2、30年前におこった事故をモデルにしてます。しかも、その事件を担当した警察は、なんとその事件の死者の幽霊を見たとか。だから、『この物語りはフィンクションです』ってどっかに書こうかな?とも考えたのですが、ま、固有名詞が出てこないからいいね。
………はっ!『カービィ』とか『アドレーヌ』って、よく考えると固有名詞だ!!
………カービィ探偵団!は全てフィンクションです。

では、正解者発表。
犯人が解った人>1人、かなり理論を並べて来た人がいましたが、残念ながらスパーキーのセリフを見逃していました。それと、もう1人、理屈が間違ってましたけど、祐さん、またまた正解!
落ちが解った人>誰からもメールが来ませんでした。
全員幽霊ってことに気がついた人>誰からもメールが来ませんでした。
以上でした。
今回の話し、実は1時間ちょっとで書いたってのは内緒。
それと、前回の顔文字、また例によって(?)文字化けしてしまいました。すみません。

では、次回予告。次回はいよいよ最後の事件です!
次回予告
「カービィとアドレーヌ。君達を署まで連行する」
次回はいよいよ最後の事件。
警視総監賞が授賞出来る、と聞いて警視庁に向かったカービィ一行。
そこで待っていたのは密室殺人。そして、自分達にかけられた容疑。
しかもその証人はなんとクー!
次回、『星のカービィ殺人事件!』をお楽しみに!

(もう、最終話まで続くかどうかもわからない)おまけの顔文字コーナー(謎)ヽ(V▽V)/ I love you!(あなたが好きです)

    作;黄黒真直

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