摩訶不思議探偵局〜深間小学校殺人事件〜
容疑者リスト
兜剣(かぶとつるぎ)…【警部=警察】
猫山剣事(ねこやまけんじ)…【警部補=警察】
小鳥遊市医(たかなしいちい)…【鑑識=警察】
新井光(あらいみつる)…【教師】
原美奈子(はらみなこ)…【教師】
市野瀬明良(いちのせあきら)…【教師】
とろとろ(とろとろ)…【教師】
27(27)…【教師】
末吉(すえよし)…【教師】
はしがき;え?警察まで容疑者にするなって?だって、誰が犯人だかわかんないじゃないですか。レギュラー陣と見せかけて、実は犯人かも……。ま、読んでのお楽しみです。

摩訶不思議探偵局〜深間小学校殺人事件〜事件・推理編

 数分後、警察が学校に到着した。
 この学校、いままで事件らしい事件が起こらなかったため、警察が来るのはこれが初めてである。
「初めての警察到来が、殺人とはな…」
 誰かがそうつぶやいた。
 警部の兜剣(かぶとつるぎ)、警部補の猫山剣事(ねこやまけんじ)、鑑識の小鳥遊市医(たかなしいちい)が警察を仕切っていた。
真解(警部はわかる、だけど何故鑑識が仕切ってるんだ?)
 真解は現実的に考えたが、とりあえずほうっておくことにした。
兜「え〜まず、殺されたのは満井清川さん49歳…」
 兜はタバコをふかしながらいった。
兜「で、第一発見者が?」
謎事「おれです」
兜「君が…?ふ〜ん…。まぁいい。君の名前は?」
謎事「謎事です」
兜「メイジ…?あの乳製品会社の?」
謎事「違う!」
兜「そうか、牛乳か」
謎事「ぎゅ…!」
 謎事が怒りかけたが、真解がなだめた。
謎事「※∞∀∂ЦΛΘ!」
原「あ、あとそれと…わたしも一応第一発見者…」
兜「なに?」
猫山「どういうことです?」
 新井が説明を始めた。
新井「我々、同時に発見したんです」
兜「ほぅ…」
とろとろ「わたしも一緒に…」
兜「と言うことは…そこの坊主と、とろとろさん、新井さん、原さんが同時に発見したと?」
真解&真実&謎「まだいます」
兜「………君達の名前は?」
 三人は同時に名前を言った。そのため、兜には良く聞こえなかったらしいが、プライドが高いのか、聞き直すことはなかった。
真解(いま、絶対に解らなかったろ!)
 真解は悟ったが、可哀相なので追求しないでおいた。
兜「で、詳しい状況を教えて下さい」
原「はい」
 原が話し始めた。
原「わたし、校長先生に呼ばれて校長室に来たんです。でも、鍵がかかってたんです。呼んでも返事が無くて…。で、迷ってる時に真解君達が通りかかったんです。そしたら謎事君が鍵穴から中を覗いて、なにか様子がおかしい、と解って新井先生ととろとろ先生に合鍵を取って来てもらったんです。で、鍵を開けたら…」
猫山「死んでいたと?」
原「はい」
27「わたしと末吉先生は、悲鳴を聞いて駆けつけたんです」
猫山「ふ〜ん…」
兜「なぜとろとろさんと新井さんの2人で鍵を?」
とろとろ「合鍵は、わたしが管理してるんです」
兜「ほぅ…」
真解「『ほぅ…』じゃないでしょう!!」
 真解が叫んだ。
兜「なに?どういうことだ?坊主」
 兜が聞き返した。
真解「だって考えてみてください!いいですか?この校長室にはドアはあれ1つしかなくて、鍵がかかっていた。ここは2階で、外からよじ登るのは無理。となれば?」
兜「となれば?」
真解「密室殺人だよ!」
兜「ああ、そういえば」
真解(大丈夫か?この刑事…)
 兜がタバコをふかしながらいった。
兜「ならば犯人は、鍵を管理をしていたとろとろさん、あなたでは?」
とろとろ「え!?ぇえ!?」
27「それはありませんよ」
兜「なに?」
 兜は27の方に向きかえった。ちょっと偉そうだ。
27「とろとろ先生はアリバイがあります。新井先生が呼びに来るまで、ずっと一緒に職員室にいたんです。だから犯行は不可能」
とろとろ「ええ。その通りです」
 とろとろが、勝ち誇ったかのようにいった。
兜「………。ふぅむ…」
 兜がうなずいていると、鑑識の小鳥遊がやってきた。
小鳥遊「兜警部。満井清川さんの死亡推定時刻がでました」
兜「お、どうだった?」
小鳥遊「死亡推定時刻は、10時頃から、死体発見の10時50分頃までです」
兜「間違い無いな?」
小鳥遊「はい」
兜「よし!猫山、小鳥遊!教師全員のアリバイを調べるぞ!」
猫山「ヘイ!」
真解「ヘイ?」
謎「ヘイと言えば、やくざの応答…」
真解「大丈夫か?あの刑事達…」
謎「さぁ?」
 真解は気になったが放っておいた。そして、兜達に助言した。
真解「教師全員のアリバイをわざわざ聞く必要はないと思います」
兜「なに?」
 活気づいて来たところに水を差され、兜は少しむかついたようだが、相手は子供。なんとかおさえた。
真解「10時頃から10時50分頃って言うと、ちょうど2時間目ぐらい。つまり、2時間目に授業の無かった先生が犯人ですよ」
兜「…そのぐらいわかってるわい!」
謎事「わかってたと思うか?」
真解「おもわねぇ」
 真解と謎事は、小声で話したが、兜に聞こえたようだ。兜は2人を睨み付けていた。
兜「フン。では、授業に出ていた先生方以外、全員集まっていただけるでしょうか?放送かなんか、かけて下さい」
末吉「もうすでに集まっています」
兜「なに?」
 新井、27、とろとろ、末吉が手を挙げた。
末吉「我々、授業はありませんでした」
兜「じゃ、あなた方が犯人だ!」
新井「でも、それだけで犯人にされちゃ困りますね」
とろとろ「その通りです」
27「なにか、証拠が欲しいですしね」
末吉「それに、我々は全員、一緒に職員室にいましたよ?」
市野瀬「わたしは授業をちょっと早めに切り上げて戻ってきましたが、みなさん、職員室にいました。と言っても、最後の1、2分ですけどね…」
 5人の一斉攻撃を受け、兜は少しへこんだ。
猫山「けいぶぅ…」
 猫山が力無く言った。
兜「ふぅん。残る容疑者は市野瀬さんと原さん」
原「何故わたし達2人なのですか…。この学校には教師が他にもいますし…」
市野瀬「それに、わたしと原先生は、授業をしていたわけですから、絶対に犯人ではないのでは?」
兜「いやわからんぞ。授業が終わってから、死体発見までのわずかな時間に犯行を行ったのかもしれん」
猫山「じゃ、やっぱり全員聞くんですか?」
 兜が「そうするか」と言いかけたとき、真解が「全員聞かなくてもいいです」と言った。
真実「お兄ちゃん…。刑事さんが睨んでる…」
 真実がいったが、真解は構わなかった。
真解「ボクらは、授業が終わってちょっとしてからここに来たんです。その後、誰もここには来ていません。末吉先生達4人はすでに職員室にいて、市野瀬先生、原先生の順にここに来た。そして、ボクらが原先生の直後に来たあと、誰も来ていない…。となれば?」
謎「容疑者はいまここにいる6人の先生達?」
真解「うん」
兜「おい。子供がでしゃばるな」
真解「でも、事実なんだからしょうがない」
謎事「その通り!」
兜「黙れ、チーズ」
謎事「※∞∀∂ЦΛΘ!」
真実(すご〜い…さっきと全く同じだぁ…)
 真実が感心していると、謎が話しはじめた。
謎「ともかく、校長先生が密室の中、毒を塗られた小さな針のようなもので額を刺され、毒死。そして、容疑者は先生達の6人」
 謎が整理した。
小鳥遊「密室の中…なんで小さな針なんだ?」
猫山「いわれてみれば…」
真解「小さな針…?」
 真解がうつむいて考え始めた。
兜「何を考えてる?」
真実「邪魔しないでしょ!お兄ちゃん、推理の天才なんだから!」
兜「はぁ?」
 兜には何のことがか解らなかった。まぁ無理も無い。相手は小学3年生。小学3年生が推理の天才だっていったって、そんなの子供の世界。大人に言わせりゃまだまだひよっこ。普通の大人なら、そう考えるところだろう。
兜「おいおい…。これは警察の仕事なんだから…子供はあっちへ行ってなさい」
謎事「子供じゃねぇ!真解は、本当に頭がいいんだ!……そりゃ、学校の成績は悪いけどさ」
小鳥遊(元気があっていいねぇ。子供は)
 兜と謎事が口論している中、真解は考えていた。
密室、小さい針、毒死。
この3つがポイントのハズだ。
「あっ」と真解がいった。
真実「お兄ちゃん、解ったの?」
 真解が顔を上げた。
 そして、”ある物”を見つめた。
これだ。これがあれば、この密室は解決出来る…となれば犯人は…?
このトリックが使えるのは、あの人しかいない…。
「見えた…」と、真解が小さくつぶやいた。
兜「おいおい…。坊主達…。いい加減、あっちへ行きなさい」
真解「ああ。行く」
謎事「なに!?行くのか!?」
兜「なら、とっとといけ」
真解「ただ、その前にちょっと、話しを聞いて下さい」
兜「フン。まぁ、いいだろう」
真解「話しというのは、ボクの推理です」
全員「推理!?」
原「本当に?」
市野瀬「おっ小学生探偵かい!?」
兜「おい…。大人をからかうな」
真解「からかってなんかいない!」
 真解は兜を睨みつけながら叫んだ。
真解「大人はいつもいつもバカにして。あんたら大人に、自分の無力さを教えてやる!この事件、ボクらの勝利だ!」

Countinue

〜あとがき〜
事件・推理編、と言うわけで、今回は至る所にヒントが散りばめられています。
あとは、それを見つけられるか?そして、それを繋ぎあわせられるか??と言うことです。
もっとも、事件編の方にも少しだけヒントがありますけどね。
しかし…読み返してみると……なんか……メイの出番が少ない。
謎「えっ」
調べてないけど、もしかしたら最後の整理したところだけかもしれない…。
ま、気にしない気にしない。
謎「お願い…気にして」
お暇な人は、メイの登場回数を調べてみては?

さて、ヒントはいきなり無しです。
今回は、最初の事件、と言うことで、ちょっと簡単にしてありますからね。
読み返してみると、結構簡単だしね。

犯人、トリック、どちらでもいいので、わかったらメールください。
間違っても推理をレスをしないように。
いいですね?
では、また次回、会いましょう。

作;黄黒真直

真相編

本を閉じる inserted by FC2 system