摩訶不思議探偵局〜実相真実誘拐事件〜
今回、容疑者リストははぶきます。
はしがき;ではいよいよ推理編です。ヒントがどっさり♪

摩訶不思議探偵局〜実相真実誘拐事件〜推理編
 家に帰った真解と真実は、謎事と謎を呼ぶことにした。
真解「……うん。そういうわけだ。じゃあ、うちに来てくれ」
 真解が2人に電話し終わり、真実に質問を始めた。
真解「さて…今回の事件。犯人の目星は全くたっていないんだ。だから、全て真実に聞くしかないんだ。思い出すのは辛いかもしれないけど、教えてくれ」
真実「いいけど…でも、犯人なんて、わかるの?」
真解「心配するな。犯人は、ボクらがいままで出会った人物だ」
真実「えっ? なんで…?」
 真実が「なんで」と聞くと言うことは、犯人の顔は見ていないということだろう。真解はちょっと残念だった。
真解「犯人が自分で言ったんだ」
真実「自分で…?」
真解「ああ。そうだ。だから、まずは出来る限り犯人のことを思い出してくれないか?」
真実「任せておいて。これでも記憶力は抜群なんだから」
 真実はポンと胸を叩いてから、話しだした。
真実「まず…犯人は、声の質感や口調から、たぶん女だと思うわ」
真解「おんなぁ!?」
真実「うん。女」
真解「で、でも、ボクにかかってきた電話では、男口調だったぞ?」
真実「確かにそうだったけど…でもそれは、犯人が自分を特定されないための演技じゃないの?」
真解「そうかもしれない。でも、それだったら真実の前でも男を装うはずだ」
真実「あ、そうか…」
真解「いったい、何故そんなことを…?」
真実「さぁ…?」
 考えれば考えるほど、謎がどんどん増えていく。
真解「あ、それから…真実、お前犯人にボクらが貰った謝礼金は33万円だって言ったか?」
真実「え? いや、ちゃんと50万円って言ったよ」
真解「なに…? 犯人は、謝礼金を33万円もらっただろ? と言っていたぞ」
真実「え…?」
真解「なんでだ…? しかも、そんな低額を…」
真実「え? でも、33万円って結構高くない?」
真解「確かに、ボクらの金銭感覚から言えば、33万円は億に相当する。だが、誘拐までして得ようとする値段ではないはずだ…」
真実「確かに…」
真解〔くそっ! ますます犯人の動機がわからねぇ!!〕
 そのとき、ドアのチャイムが鳴った。
真解「あ、謎事達だ」
 いつもは真実が迎えに行くが、今日は真解が迎えに行った。
真解「謎事、謎!」
謎事「真解! 真実は!?」
 謎事が叫んだので、慌てて真解は謎事の口を塞いだ。
真解「シッ!! お母さんには教えてないんだ。真実が誘拐されたこと」
謎事「わ…わかった…」
謎「真実ちゃん…無事…だったんだよね?…」
真解「ああ。上にいる。とりあえず、上がれ」
 3人は摩訶不思議探偵局のある2階へ上がって行った。

謎「真実ちゃん!」
真実「謎ちゃん! 謎事君!!」
謎事「よかった。生きてたか!」
真実「うん」
謎事「しっかし、真解から誘拐されたって聞いたときは、驚いたぞ…」
謎「そういえば…警察には…?」
真解「まだ言っていない。犯人に言うなと言われたしな」
謎事「え…? でも、こうして真実が戻ってきたわけだし…」
真解「確かにそうだが、警察に連絡した瞬間に殺されるとも限らない。通報するのは犯人が解ってからだ」
謎事「そ、そうか……」
真解「さて…」
 と言って、真解は真実の方に向きなおした。
真解「それじゃあ、真実が連れ去られてから今日の朝まで…おおまかに話してくれ」
真実「わかったわ」
 真実が話しだした。

 昼過ぎのことだった。
 真実が気分よく散歩をしていると、急に誰かが背後に来た。
真実「!?」
 振り返る暇もなく、真実はクロロホルムを染み込ませた布を口に当てられ、眠ってしまった。
 そして目が覚めると、真実は両手足を縛られ、狭い部屋に監禁されていた。
 目の前には、大人の女と思われる人物が立っていた。黒の帽子、黒のサングラス、黒のスーツ、そしてきわめつけが顔の半分を覆うような大きなマスク。
 まさに、犯罪者の名にふさわしい格好だった。
 女は真実が目を覚ましたのを見ると、唐突に言った。
???「今から言うことを、よく聞くのよ。まず、あなたは誘拐されました」
真実「!?」
???「そして、わたしはこれからあなたのお兄さんに、身代金の要求をしようと思います。そこで……あなた達がこの間相上社長から貰った謝礼金の金額を教えて欲しいの」
 女の手には、鋭いナイフが握られている。
真実「ご…50…万円…」
 真実は震えながら答えた。
???「そう。ありがとう」
 そういうと、犯人は真実に猿ぐつわをつけた。

真解「ありがとう…ねぇ」
謎事「なんか、変なこと言う誘拐犯だな」
謎「それで…そこから先は?」
真実「恐怖でよく覚えてない……」
謎事「お…覚えてない…」
真解「まぁ、誘拐されるなんて初めてだ。仕方ないさ」
謎事〔確かに、初めてだ……〕
真実「あ、でも犯人に外に連れていかれるところは覚えているわ」
真解「なに? 話してみろ」
 真実がまた話しだした。

 その夜は、真実は恐怖で衰弱しきっているものの、眠ることは出来なかった。これも恐怖のせいだろう。
 そのとき、部屋のドアが開いた。
???「あら、起きてたの。ほら、外に出なさい…って、足も縛ってるんだったわね」
 女は、真実に目隠しをつけたあと、抱きかかえて外に出た。そして、真実は車に乗せられたようだった。
 車が走りだした。真実の感覚では、1時間近く走ったようだった。
???「さぁ、着いたわよ」
真実〔1時間…。高速道路なら100キロ進むけど、高速道路を走ったとは思えないから…せいぜい5、60キロかしら?〕
 女は真実の目隠しを外し抱きかかえ、真実を車から降ろした。
真実〔あ、ここ学校だ…〕
 そこは、遊学学園だった。
 真実はロープで木に縛り付けられた。
???「さ、ここでお別れね。あとであなたのお兄ちゃんが助けに来るわ」
 そう言って女は車に乗り込み、走り去った。

真解「なるほどね……」
謎「だけど…それだけじゃぁ、手がかりが少ないわね…」
真解「手がかり……。あ、そうだ。忘れてた。犯人は、自分から手がかりを残したんだった」
謎事「は?」
 一瞬、意味が解らなかったようだ。
真解「いや、犯人が自分から手がかりを言って来て…。それで、犯人が今まで出合った人物の中にいるってこともわかったんだ」
謎事「犯人がそんなこと言ったのか…?」
真解「ああ。ところで……謎か真実」
真実「なに?」
真解「いままで犯人だった人達って、まだ出所してないよな?」
謎「してたら何らかの連絡がわたし達に来ているはずですから、おそらくしてないでしょう。保釈だったらわかりませんが…」
真解「そうか…」
謎「ところで…その言ってきた手がかり、覚えてるの?」
真解「いや…それが…」
 真解は、犯人が最後の最後で「手がかりを残した」と言ったことを説明した。
謎事「覚えてねぇのかよ…」
真解「う〜ん…。で、そこで真実にバトンが回るわけだ」
真実「え?」
真解「真実、犯人の電話の内容、覚えてないか?」
真実「そ、それが…ほら、恐怖のあまりよく覚えてないし…それにわたし、犯人が電話しているところにはいなかったし…」
真解「そうか…」
 と、真実がふと気がついた。
真実「あれ? そういえば、お兄ちゃんはどうやって外で電話を受けたわけ? 公衆電話?」
真解「いや、真実の携帯電話だ」
真実「ああ、そう言えば忘れて出かけたような気が……って、ケータイで受けたの?」
真解「ああ」
 余談だが、「携帯電話」を略して「携帯」と言っているが、「携帯」と言う言葉には「携帯電話」の意味はない。「携帯」だけだと「持ち運ぶ」と言ったような意味になり、「携帯電話」の意味を残したければ「ケータイ」とでも言うか、「携電」と言うのがベストだ。
真実「わたしの携帯電話、録音機能があるんだけど…」
真解「なに?」
真実「ケータイ貸して」
 真解が真実に携帯電話を返した。
真実「えっと……。あ、やっぱ録音してある」
謎事「真解…気付けよ!」
真解「んなこと言われたって、携帯電話持つの初めてだったんだよ」
謎「初めてだったのに、よく受けることが出来たわね…」
真解「適当に押したら出れた」
謎事〔今日は真解がボケ役だな、おい…〕
 真実は3人を無視して再生した。
《ミアイ マサトクンカナ?》
 機械的な声が携帯電話から再度流れ出した。

真解「どうだ謎事。なにか解ったか?」
 聞き終わって真解が聞いた。
謎事「う〜ん……特に気になる点は無かったなぁ……」
謎「これと言って特徴のある話し方でもありませんでしたし」
真解「そうか……」
 このままでは犯人が誰なのか全く解らずじまいだ。真解はもう一度聞いて見る事にした。
真解〔今のところ、手がかりはこれしかないんだ。否が応でもこれに頼るしかない……〕
真実「お兄ちゃん……」
真解〔実は、『田中よ、北海道を突きっきろ』にまだヒントが隠されてたりしてな…。それとも、あの北へ行ったり右へ進んだりしたあれか?〕
 とりあえず、耳を澄ませて聞いて見るしかない。なにか、重大なヒントが隠されているはずなのだから。
 そんな真解を、真実、謎事、謎は心配そうに見つめた。
真解〔謎事ですら、おかしなところは見つからなかった……。犯人は、相当な奴に違いない。………………………………!〕
 そして、真解は1つの手がかりを見つけた。
真解「あ……」
謎事「え? なにか見つけたのか?」
 謎事が聞いたが、真解には聞こえなかったようだ。真解はもはや、外界を完全にシャットアウトし、推理に没頭している。
 たった1つだけ見つけたおかしな点。そのたった1つの抜け道を真解は突き進んだ。
 今までの事件の流れが走馬灯のように真解の脳内で再生され、繰り返され、ありとあらゆる情報をつなぎ合わせ、犯人へと向かう抜け道を…。そして…。
真解「見えた…」
 真解は呟いた。
謎事「見えたって…わかったのか!?」
真解「ああ。いよいよオレらに、反撃のチャンスが到来した。この事件、ボクらの勝利だ!」

Countinue

〜舞台裏〜
ちょっと短かったかな? と考えているキグロです。
今回のゲストは、誘拐された実相真実さんです!
真実「こんにちは☆」
誘拐されたんだから、そんなに明るくなってない!
真実「そんなこと言われたって…お兄ちゃんが助けてくれたし」
助けてもらった直後、泣いて抱きついたのは誰だ?
真実「泣いてないもん!」
震えてたじゃん。
真実「でも泣いてない……ってか、人のそういうところをほじくりだすな!!」
ちっ。

さて、前回に引き続き、キャストに関する秘話を。
真実「わたしがお姉ちゃんで、お兄ちゃんが弟って言う設定のやつ?」
そうそう。でも今回はその続き。「金田一少年…」と同じにしようとして、でもそれじゃあやっぱり、と思ったところから。
真実「変なところからなのね…」
気にしない。で、さてその続き。今度は、ここで初めて「真解と真実、双子案」が登場します。
真実「お、じゃあ、現在の状態にだいぶ近づいたじゃん」
うん。でも当時はまだ謎事も謎もいなくって、真解と真実だけだったんだ。そして、真解も真実も両方とも名探偵、と言う設定だったんだよね。
真実「へぇ」
ただ、これはどっかで見たことがあったから、即却下。と言うわけで、次は三つ子案。
真実「三つ子ぉ!?」
こっから先は、また次回で。

さて、では今回は、推理を募集します。
つまり、ヒントを載せます。
ヒント1;もう一度、電話内容をチェック!
ヒント2;電話以外にも手がかりが…?
この二つです。
真実「毎回1つか2つだね」
気の利いたヒントがなかなか思いつかなくて…。
澪「だめだなぁ、きー(強制終了)」
……来ると思って、強制終了の準備をしていたのさ。
真実〔どんな準備よ……〕

推理は全てメールでお願いします。
メールアドレスは【kiguro2@yahoo.co.jp】です。間違ってもメール以外で推理を書かないように。
今回募集する推理内容は、
犯人は誰か? 動機はなにか?
この二つです。
それと念のため、容疑者リスト(第1話のゲストさん、これまでの犯人は除きます)。
新井光(あらいみつる)
市野瀬明良(いちのせあきら)
橋口尚子(はしぐちなおこ)
橋口徹(はしぐちとおる)
三谷伸也(みたみしんや)
柴和則(しばかずのり)
塩澤謙哉(しおざわけんや)
水谷航介(みずたにこうすけ)
円谷高次(つぶらやこうじ)
片桐神子(かたぎりみこ)
楠魔=M=Trans(くすま・M・トランス)
工藤勇(くどういさむ)
遠藤隆子(えんどうたかこ)
熊沢太市(くまざわおおいち)
真実「なんか懐かしい名前がちらほら……新井先生や市野瀬先生、どうしてるかな……」
いやほんと、懐かしい名前がズラリ……。
真実「この中の誰かが犯人だなんて……。って、怪盗MASK!?」
まぁ、彼女は特別に。
真実「いいの…?」
華麗に真実を盗んだ……そんなオチもいいっしょ?
真実「まぁ…面白いけど…」
では、また次回。

おまけの名句珍言集(謎)「ばっちしテープにとってあるわよ。お偉いさんに聞かせたら、なんと言うかしら?」
解説;兜が真解に責任転嫁した時、江戸川が言ったセリフ。無論、兜は「前言撤回!」と叫んだ。

作;黄黒真直

真相編を読む

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