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ブラックライトで遊ぶ&ブラックライトを作る

1;問題提起
あれは、なんの気なしに100円ショップをうろついていた日の事である。
ふと目に留まったのは、ペン型のブラックライト。
と言っても、ブラックライトとして売っていたわけではなく、
付属のペンで文字を書き、そこにもう一個のペンで光を当てるとその文字が光る、
と言う子ども向けのオモチャとして売っていた。
しかし、これは間違いなくブラックライトだ。

ペン型ブラックライト
写真 100円ショップに行けばまだ売っているかもしれない


105円と言う安さに惹かれ、早速購入。
さぁ、では遊んでみよう!
(なお、今回は目で見て面白い実験なだけに写真を乱用したいのだが、
 我が家のデジカメでは明かりが暗すぎて全く写らなかった。
 残念だが、今回は画像無しで楽しんでいただく)

2;実験
いやいや、遊ぶわけではない。これは実験だ。
色々なものを照らして、どのような物がブラックライトに反応するのかテストしてみよう。
まずは手始めに千円札である。
早速照らしてみる…が。まるで光る様子がない。
な、なんだこれは!? 偽札か!?

千円札は紫外線で一部が光ると思い込んでいたが、違うのか。それとも紫外線の量が少ないのだろうか。
しかし千円札を照らしていると、ふと財布の中が光っているのに気がついた。
何かと思って取り出してみると、なんと大学の学生証が光り輝いている。
さすがに個人情報満載の学生証をインターネットで公開するわけには行かないが、
一見ごく普通のカード状のピンク色の学生証が、紫外線を当てる事で光り輝き、校歌が浮かび上がった!
……いらない機能だ(後日友達に見せたが、全員似たような反応だった)。


部屋を暗くし、部屋全体にライトを当ててみる。
すると、床が点々と光っているではないか。
よく見ると、ホコリであった。なるほど、これは掃除がしやすい。便利だ。
早速掃除機をかけ、次の実験に移行する。

部屋の本棚にブラックライトを当てると、何冊か光り輝く本が。
取り出してみるとマンガ本である。表紙では、キャラクターだけが輝いていた。

また、驚いたのが辞書だ。
白い表紙の辞書を持っているだが、紫外線を当てるとなんと紫色に輝いた。
ただ今回使用しているブラックライト、紫外線以外に可視光線が出ていて、それが紫色なのだ。
だからそれの色である、と言う可能性もあるが…。
しかし、見た目は紫色に光っている。怪しげに。

光る辞書
写真 写真では青いが、実物は紫色だった


青い携帯電話や、カリフラワーでさえも、紫色に輝いた。一体何が共通しているのか、さっぱりわからないが。

さらに、紙に紫外線を当てると不思議なことが起こった。
紙によって、青く光ったり、紫色に光ったりするのだ。
一体何が違うのか。
紫色に光った紙は、ノートや教科書、マンガなど、本の紙である。
一方青く光った紙は、学校でもらったプリントなどである。
前者はいわゆる「上質紙」というもので、後者はいわゆる「わら半紙(中質紙)」というものだろう。

色々実験した結果をまとめたのが、次の表だ。

表1 ブラックライトにより発光した物体一覧


光った物元の色光った色
辞書
携帯電話
携帯電話のストラップ
CDの表
Yシャツ
布団
白衣
壁紙
マンガの表紙元の色通りの色
カリフラワー


元の色が白いものばかりだが、これは白いものばかりを選んで照らしたからではなく、光ったのが白いものばかりだから。
私のせいではない。

3;問題提起その2
さて、今回のレポートは豪華(?)2本立てである。
まぁ、ただ単に上の実験と同時にやった方が効率的だったから一緒にしただけの話なのだが。
さて、以前見たアニメ『おもいっきり科学アドベンチャー そーなんだ!』と言うアニメにて、次のようなシーンがあった。
第22話。巨大なブラックライトが必要になった登場人物達がブラックライトについて調べる。
すると「ブラックライトは蛍光体に特殊な青いセロファンをかぶせて作る」と言う情報を得る。
そこで登場人物の1人が「じゃぁ蛍光灯に青いセロファンを巻けばブラックライトになるの?」と言い、実行。
見事ブラックライトが完成した!
…って、ちょっと待て! そんな簡単にブラックライトって作れるのか!?
疑うならば実行あるのみ。早速、実験してみる事にした。

4;準備
蛍光灯は部屋の勉強机についているので、後はセロファンを用意すればよい。
どこかに売っていないかな、と街中を歩いていると美術系専門店を発見。
もしやと思い入ってみると、赤、青、緑、黄、透明の5色5枚のセロファンを発見。
青以外の4色に払うお金が勿体無い気がしたが、126円で早速購入した。

ごく普通のセロファン
写真 これにて準備完了



5;実験その2
買ってきた青いセロファンを袋から取り出し、

ごく普通の青いセロファン
写真 青いセロファン


それを蛍光灯に貼り付け、余った部分はチラシで覆う事にした。

セロファンを貼り付けた
写真 こんな状態になった


さて、これでブラックライトになっているはずだが、それをどうやって確かめようか。
そのために上の実験があったのである。
先ほどの実験では、白い辞書が紫色に大変身した。
これを利用しない手は無いだろう。
辞書を机の上に置き、部屋を暗くし、いざブラックライト(?)点灯!!

光って…る?
写真 うっ、び、微妙……


デジカメの写真では違いがほとんどわからないと思われるが、実物を見るとその違いは大きい。
確かに青白くなってはいるが、先ほどのような光っている様子は皆無だ。
う〜む…どうやら、ただの青いセロファンを巻いただけでは、ブラックライトにはならない様子。
アニメで巻いていたのは、直前に紹介されていた「特殊な青いフィルム」なのだろう。

6;感想
紫外線を使うと意外な物が色々と光ることがわかった。
ただ市販のブラックライトでは、それが正真正銘紫外線による物なのか、あるいは一緒に出ている可視光線の物なのかは判断しかねる。
今回購入したブラックライトの光をCDの裏側に当てたところ、虹色を観測することができた。

虹
写真 少し怪しげな虹


これは、ブラックライトの光に可視光線が、それも全色入っている事を示している。
白い物が光って見えたのは、これらの光を反射していたからかも知れない。
しかし、同じ白い物同士でも紙の性質によって光る色が違ったので、どちらかは明らかに紫外線によるものだろう。
なお、今回の実験では「光る白い物」は大量に発見できたが、「白いのに光らない物」は包帯ぐらいしか発見できなかった。
この事から、身の回りにある白い物(白い塗料)はなんらかの蛍光物質を含んでおり、
人体への完全無害が要求される包帯にはそれが含まれていない、と言う事が推測できる。
まだまだもう少し深く掘れそうな実験だが、今回のレポートではここまでにしておく。
いつか機会があったら、再び紫外線を用いた実験をやろうと思う。

ちなみに。
最後に蛍光灯そのものにブラックライトを当てたところ、紫色に光った。
白く光ると思ったのに、何故だろう? 謎は尽きない。
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2007年10月14日 公開
2010年09月01日 追加レポート「ブラックライトでもう一度遊ぶ」公開 inserted by FC2 system