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年賀状を封筒で送ってみる
1;問題提起
お正月に行われる日本の伝統行事と言えば色々あるが、そのうちの一つが年賀状である。
今はメールが普及し、年賀状ならぬ年賀メールが届くことも多いが、
手の込んだ紙の手紙や、メールでもデコメや写真付き年賀状が届くと、やはり嬉しい。
ところで、2011年の近付いた2010年の末。ふと疑問が沸いた。
日本の郵便は葉書以外に、封書や小包などがある。
果たして、年賀状を封筒で送ることは出来るのだろうか?
この疑問を解明することが、今回の実験の目的である。

2;方法及び準備
実験方法はきわめてシンプルである。
実際に、封筒で年賀状を(自分宛に)出せばよい。
というわけで、まずは封筒を購入。
A4封筒と便箋
写真2.1 「角2」「長3」というタイプらしい

購入したのは、所謂「便箋」タイプと、プライベートで用途があったA4サイズの封筒である。
(というか、このプライベートの用事のことを考えてるときに、今回の疑問が沸いた)
言うまでもなく、郵便局の方に「年賀状を封筒で送ることは出来ますか?」と聞けば、疑問は一発で解決しただろうが、敢えてしない。
あくまで、実際にやってみるのだ。それに、知らない人と話をするのは苦手なのだ。
切手も購入し、さあ実験開始である。
(なお、小包(ゆうパック)はそもそも送る日を指定できるので、実験の対象外とした)

3;実験
まずは自宅の住所を書き、さらに切手の下の部分に赤字で「年賀」と書く。
「年賀」と書かれた封筒
写真3.1 念のため、目立つようにサインペンで書いた。

普通の葉書でも、このようにすると「年賀葉書」として取り扱われ、12月15日〜12月25日の間に投函すれば翌年の1月1日に届く。
そして、近所の郵便ポストに投函しに行ったのだが……。
「お願い」 年賀郵便は左だけ
(左)写真3.2 「年賀郵便物は『年賀郵便』の口に入れよ」 (右)写真3.3 右下はポストの住所が書いてあったため、塗りつぶした

年賀状は、左側の投函口に入れないといけないらしい。
しかし便箋はともかく、A4サイズの封筒はこちらの口には入らない。
折り曲げて入れることも考えたが、ここは敢えて、一般郵便の口に入れてしまおう。
郵便局でどのような処理を行うのか知らないが、小さい口に大きな封筒が入っているより、
年賀郵便物を取り扱っていない口に年賀郵便物が入っている方が、迷惑度が低いに違いない。
(例えば、小さい郵便物と大きい郵便物では、取り扱い部署が異なる可能性もある。
 しかし、年賀郵便物とそうでない郵便物は、例え取り扱い部署が異なっても、
 ごちゃ混ぜに運び込まれることは予めわかっているから、対応に困らないはずである)
というわけで、2010年12月24日(金)12:20、年賀封筒投函!
投函!
写真3.4 投函!

もしこれが「年賀郵便物」として取り扱われなかったら、届くのは25日か、遅くとも26日であるはずだ。
「年賀郵便物」として取り扱われれば、届くのは2011年1月1日のはずだ。
あとは、結果待ちである。

4;結果
さて、どうであったか。
12月中には、届かなかった。なので、てっきり1月1日に届くかと思ったら……。
1月1日になっても 届 か な い。
……何故!?
もしや、面倒だからと送り主住所を書かなかったからか?
と不安になった次の日。
1月2日に届いた
写真4.2 届いた。

……何故!?
しかも、よく見ると消印が「23年1月1日」である。
その上、A4サイズの方には、消印が押されていない。
平成23年1月1日の消印
写真4.2 平成23年1月1日の消印

何故だ。
っていうか、この消印のない切手って、剥がしたらもう一回使えるんじゃなかろうか。

5;結論
というわけで、結論!
封筒に「年賀」と書き所定の期間に投函すると、何故か1月2日に届く。
年賀状を1月1日に届けたければ、12月15日〜25日の間に葉書で出した方が良さそうだ。

6;考察
レポートをまとめる段になって気付いたが、私は今回の実験で、大きなミスを犯した。
それは、「対照実験」のやり忘れである。
ある事柄が結果にどのように影響するか調べたいとき、「ある事柄」が存在する場合のみを調べても、実験として意味がない。
「ある事柄」が存在する場合と、存在しない場合の両方を調べ、比較することで、初めてどのように影響するのかがわかるのだ。
(もちろん、「ある事柄」以外の全ての条件は、2つの実験で一致させておく必要がある)
このとき、「ある事柄」が存在する実験を「本実験」、存在しない実験を「対照実験」と呼ぶ。
例えば、「A君はBさんが好きだ」と判断するときのことを考えよう。
このような判断をするとき、我々は「A君は他の人に対してはこういう態度なのに、Bさんに対してだけは違う態度を取る」といった情報から、「A君はBさんが好きだ」という結論を出している(と思う)。
このとき「Bに対する態度」が本実験であり、「他の人に対する態度」が対照実験である。

……回りくどい説明をしたが、要するに私は今回の実験で、「年賀」と書かない封筒も送るべきだったのだ。
もしかしたら、年末に出した封筒は、問答無用で1月2日に届くのかも知れないからだ。
まあ、たぶんそんなことはないだろうと思うが。

7;感想
今回は、このHPの中でも1位2位を争う簡単な実験であった。
簡単すぎて物足りないくらいである。
それでいて、消印のナゾが残った。
よく「消印有効」という締切の設け方があるが、そもそも消印と言うのは、どのタイミングで捺されるものなのだろう。
てっきり、郵便局が収集した段階で捺されるのだと思っていたが、今回の結果を見る限り、どうやら違うようである。

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2011年01月02日 レポート公開 inserted by FC2 system