おもいっきり科学アドベンチャー そーなんだ!
#27「おわりに」

小説版「そーなんだ!」をお読みいただき、どうもありがとうございました。
さて、#0「はじめに」でも言ったとおり、これはキグロのオリジナル小説ではなく、アニメ「おもいっきり科学アドベンチャー そーなんだ!」をキグロが勝手に小説化したものです(もちろん、許可等は取っておりません)。
少しでも「そーなんだ!」の魅力が伝わっていれば、こちらとしては嬉しい限りです。

で、さて。あとがきでは何を語ろうかなぁ、と思うところですが、とりあえず「そーなんだ!」の魅力でも語りましょうか。
ここからは小説の内容に言及しますので、未読の方は先に小説を読んじゃってください。

「そーなんだ!」は子ども向けアニメなのですが、子ども向けにするには勿体無いような展開がいくつかあると思ってます。
例えば、第2話「恐竜化石を回収せよ!」では、ユキオ達ブルーチームがシーラカンスを助けるシーンがあります。普通、アニメだと「シーラカンスを助ける」と言う行動が「ミッションクリアに繋がる」という展開になります(例えば、助けたシーラカンスを追いかけたら化石が! とか、シーラカンスを助けたところから化石が! とか)。
ところが、このアニメではシーラカンスを助けている間に、トモル達レッドチームが化石を発見し、発掘してしまうのです。
ブルーチームがシーラカンスを助けようとした時点で、「あ、これはブルーチームの勝ちだな」と思い込んだら、なんと全く逆の展開になってしまった、と言うわけです。
また、子ども向けのアニメだと、道徳心を養うためか「苦労した方が勝つ」展開が多いですが、「そーなんだ!」だと苦労した方が負ける、と言うパターンも多く存在しました(#5「電気を取り戻せ!」、#10「青空を取り戻せ!」、#15「砂漠の水を探せ!」など)。
かと思えば、典型的な展開になる場合もあり(#9「無人島の大レース!」(最後、ライバル同士が熱く戦う)、#19「蒸気機関車の秘密!」(勝ちそうに無い方が勝つ)など)、毎回どちらが勝つのか全く読めませんでした。

また、普通の物語(アニメとか、小説とか、ドラマとか、映画とか…)には何かしら突っ込みどころがあり、このアニメも例外ではありませんが、それらのうちいくつかを、キャラクター達が自分で突っ込んでしまう、と言うのに笑いました。
例えば、このゲームのルールは、「ユリーカストーンを取ると、いままでのストーンも全部自分達の物になる」と言う物です。それを聞いたら、アニメを見ている誰もが「だったら最後の1個だけ取ればいいじゃん」と思うはずです。普通のアニメならそんな突っ込みどころ無視して進むところを、第7話「仲良し花火を打ち上げろ!」のラストシーンで、コータが「9個目まで取られても、最後の10個目だけ取れば、元の世界に戻れるんじゃないか?」と突っ込みを入れてしまいました。
えぇ、それ突っ込むの!? と見ていて驚きました(まぁ、あとで考えれば、直後の「ストーンが移動するはずなのに移動しない!」と言うアクシデントを際立たせるために言わせたものだと思いますが)。
他にも、ダイの「お互い協力した方がいいんじゃないの??」(#7「仲良し花火を打ち上げろ!」)や、スズカの「ユリーカ情報は役立たない」と考えた行動(#21「守り神を連れ戻せ!」)などもありました。
まぁ、こうしたものを「魅力」と呼んでいいのかどうか微妙ですが(はなから突っ込みどころを無くせばいいだけのことなので)、普通のアニメとはちょっと違った部分がある、と言う事が言いたいわけです。ええ。

もちろん、キグロは科学オタクですから、科学的な面も魅力に感じたポイントです。毎度出される科学知識を使って(使い物にならない時も多々ありましたが)色んなミッションを解き明かすのは見ていて楽しかったですし、「どうしたらいいんだ!?」「何故なんだ!?」と考える姿勢は、科学者のそれに通じるものがあります(そうした意図があったかどうかはわかりませんが)。

と、まぁ、色々魅力があるわけですが、いかがだったでしょうか。
ちなみに、キグロが個人的に好きな話は、
子ども達の個性が発揮されて、色んな科学知識が飛び出してくる#12「不思議の森のサバイバル!」
「色んな情報から1つの結論を導く」と言う科学の姿勢そのまんまだった#21「守り神を連れ戻せ!」
そして「何故なんだ?」と考え試行錯誤を繰り返す、これまた科学の姿勢そのまんまだった#24「シャボン玉の秘密!」です。

では、また。別な小説のあとがきで。
MISSION END

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