「ようこそ。身近にある物ほど意外と知らない人体の雑学の部屋へ。 医学は大昔からあったが、『医学』と言う学問が確立したのは古代ローマ時代の事らしい。ガレノスと言う医学者が確立したそうだ。 それまでアリストテレスが『哲学』としていた学問の集大成の中から、医学だけを抜き出してまとめたのがガレノスで、彼はその後1000年以上『権威』とされ続ける事になり……」 |
「…というわけで、わたしは一度は王になったものの、今はこの館で知識の管理人を務めておる。 ちなみに、アスリとダンビルはわたしの息子だ。 そうだ、あと、『喉元過ぎれば熱さを忘れる?』以上の50個の雑学は、2階に移したぞ。 ……はて、何かおかしいような?」 |
寝言を言うその理由 マンガなどではよく見られる「寝言」。 いびきなどと違い、こちらは特別な事がないとなかなか言わないようです。 「睡眠」については、今のところまだ、科学的によくわかっていないことが多いのですが、とりあえず、今わかっている段階で。 人間の睡眠には、「レム睡眠」と「ノンレム睡眠」があることは有名です。 そして、夢を見ることが多いのはレム睡眠。 レムとは「Rapid Eye Movement」の略で、「急速眼球運動」と訳されます。 さて、「睡眠」とは脳の休息でもあるのですが、当然脳が完全に休むと、心臓が止まって死んでしまいます。 そのため、脳は常にどこか一部分が動いています。 そして、その動く範囲は時間と共に変わり、脳のほとんどが動いている、つまり眠りが浅い時がレム睡眠であり、夢を非常に見やすい時なのです。 寝言を言うのも、このレム睡眠の時です。 とっとと結論を述べると、レム睡眠の時、人間の言語を司る脳の部分、言語中枢が目覚めると、寝言が出る、と言うことです。 ただし、単純に目覚めただけでは、寝言は言いません。 と言うのも、人間は眠っている時は、脳からの指令が体に届かないような状態、一種の金縛り状態になっているのです。 俗に言う「金縛り」現象も、この状態で意識が目覚めた時に起こるものなのでは、と言われています。 もしも、この「金縛り」がなければ、人は夢の中での行動を忠実に実行し、起き上がって動き出してしまいます。 それを防ぐためにも、生理的に「金縛り」しているのです。 しかし、日常での強いストレスや不安、興奮などが積み重なると、この機能が衰え、寝言を言ったり、夢遊病になったりするのです。 また、これらの原因以外にも、年を取ってこうした機能が衰えても寝言を言いますし、 脳が未発達な幼い子どもは、睡眠中でも言語中枢が刺激を受けやすく、寝言を言いやすい傾向があります。 他にも、先ほど挙げた「金縛り」機能を司る脳と脊髄を繋ぐ部分、「脳幹(のうかん)」が何らかの神経病にかかっていても、寝言を言ってしまうそうです(この場合は、夢遊病なども併せて現れることが多いようです)。 ちなみに、寝言を言う人に話しかけるのは、あまりお勧めできる行為ではありません。 何故ならば、寝言を言っている人は、それだけ普通の人より眠りが浅い、と言うことです。 そんな状態で話しかけると眠りがますます浅くなり、十分な睡眠を取ることが出来なくなってしまうのです。 たかが寝言でも、実は何らかの「注意信号」である可能性あると言うわけです。 参考文献;健康・医療・介護情報ヴァイタル[http://map.vital-package.com/index.php] |
人は何故、車に酔うのか? 実際には酔う人と酔わない人がいますが、いまはこれは置いておきましょう。 さて、酔う原因ですが、これは「見当識失調」が起こるため、と考えられています。 では見当識失調とはなんでしょう? これは、早い話が「バランス感覚が乱されて、自分の体の位置を認識できなくなる事」です。 ヒトのバランス感覚(平衡感覚)とは、内耳(耳の奥)にある三半規管と言う器官に左右されてます。 そう、つまりこの三半規管が、自分の体が現在どのような位置にあるかを自動的に認識しているのです。 具体例を挙げますと、目を閉じて逆立ちしても、自分が現在逆さまだと言うことがわかるのは、この三半規管のおかげなのです。 しかし、実際には目からの情報も、位置認識の大きな要因となってます(そのため、電車の中で目を閉じると、いま自分が動いているのか止まっているのかがわからなくなります)。 では、もしこの目から入ってくる情報と、三半規管が得た情報とが矛盾すると、どうなるでしょうか? 実は、これが車酔いの正体です。 いくら車が走っていても、当たり前ですが車の中は動きません。 ですので、車の中だけを見ていれば、「いま自分の体は全く動いていない」と脳は認識するのです。 が、三半規管からの情報は全く異なります。 前に進んでいるような気もするし、時々カーブを描く。さらには不規則に上下までする…。 こうなると、脳はパニック。 いま自分は果たして動いているのか、止まっているのか、完全に認識不能になってしまいます。 そうすると、車酔いを引き起こしてしまうのです。 ですので、車に酔う方は、車に乗ったときはなるべく車内を見ず、窓の外を見るように心がけましょう。 特に、助手席から前を見るのは、車酔いにはかなり効果的な対策といえます(もちろん、運転できる方なら運転席に座るのも効果的です)。 また、揺れている映像(悪路を走る車から撮影した映像、など)を見ただけで酔ってしまう人がいますが、これも同じ理由。 目からの情報は揺れているのに、三半規管からの情報では全くの不動。 脳はこの2つの矛盾した情報で混乱し、気分が悪くなるのです。 ちなみに、赤ん坊が車に酔う事はほぼ100%ありません。 赤ん坊はまだ「常識」を身につけていないので、 「目からの情報は揺れていないのに、三半規管からの情報は揺れている」 と言う矛盾する情報も矛盾と思わず、 「そんなもんなんだろう」 で片付けてしまうため、車に酔うことがないのだろうと言われています。 ただしもちろん、成長して「常識」を身につけると、矛盾に気付き、気分が悪くなるのです。 |
カキ氷を一気に食べると、何故頭痛がするのか? カキ氷を一気に食べると、「キーン」となったり、頭痛がしたりすることがあります。 これは実は、本当に頭が痛くなっているのではなく、痛くなっているように感じているです。 そもそも、何故このような症状が起こるのでしょうか。 カキ氷を一気に食べると、口の中が急激に冷やされます。 そしてその刺激が脳に伝わると、脳膜の血管が一気に収縮。 脳は、このような極端な刺激を「痛み」として捕らえてしまう事が多いので、カキ氷を一気に食べると、痛くなったように感じてしまうのです。 なお、このように口が冷えているのにも関わらず、頭など別な場所で感じる痛みのことを「関連痛」といいます。 これは、神経系統が一種の混乱を起こすことによって起きる現象だろうと考えられています。 お祭などで、カキ氷を食べる時にこれを言えば、一躍人気者に…なれなくても、責任は取りません。 |
顔に鳥肌が立たない理由 寒いときや感動したとき、怖いときなどに鳥肌が立ちます。 鳥肌が立つと、文字通り腕や脚などの毛が逆立ちます。 しかし、良く思い出してみると、顔にはあまり鳥肌が立ちません。何故でしょう? その前にまず、そもそも「鳥肌が立つ」とはどう言うな現象なのでしょうか? 動物の体毛の根元には、「立毛筋(りつもうきん)」と言う筋肉があります。 これは、その名の通り体毛を立たせる筋肉。 寒いときや感動したとき、怖いときなどに交感神経がこの筋肉を刺激。 するとこの筋肉が収縮し、体毛を立たせます。 これが、鳥肌と言う現象。 こんなことしてなんになるかと言うと、実は人間にとっては何の意味もありません。 ヒトがまだサルだった時代。この頃には、ちゃんと鳥肌が機能していました。 立毛筋が収縮すると、今まで皮膚の上にペタッと倒れていた体毛が浮き上がります。 これにより、皮膚の周りに空間が出来、空気が入ります。 すると、この空気により保温性が高まり、寒さをしのげる、と言うわけです(ただ、資料によっては立毛筋により毛穴が塞がれ、寒さが防げる、とも書かれています)。 サルの時にはこれが機能していたのですが、体毛の薄くなったヒトでは、このような期待できない、と言うわけです。 怖いときに鳥肌が立つのもサルの時の名残。 動物の世界では「大きい=強い」と言う心理的構図が成り立っています(もちろん、この構図はヒトにも残っています)。 つまり、逆に言えば相手に体を大きく見せることが出来れば、戦わずして相手を負かすことが出来るのです。 そこで、怖い=敵に出会った時は体毛を立たせ、体を大きくさせ、相手を威嚇するわけです。 また、感動したとき鳥肌が立つのは、言わば「誤作動」。 鳥肌を立たせる役目を担っているのは、交感神経という神経。 これは、感涙を流したり、怒らせたりする役目も担っている神経です。 感動するとこの交感神経が反応。 ついつい、間違えて立毛筋を収縮させてしまうのです。 感動するとゾクッと来るのは、「立毛筋が収縮した=寒い」と勝手に脳が勘違い。 そのため、感動するとゾクッと感じるのです(怖いときゾクッと来るのも、同じ理由)。 さて、では冒頭の疑問です。 いったい何故、顔には鳥肌が立たないのでしょうか? 実は、顔にもわずかながら鳥肌は立っているはずなのです。 しかし、顔は体毛が退化していて、その影響で立毛筋も退化。 さらに顔は血行が良いため寒さにも強い。 そんな理由から、鳥肌が立っても目立たないのです。 つまり、顔には鳥肌が立っているのに立っていないように見えている、と言うわけなのです。 なお、今回登場した「交感神経」。 資料によってはここが「自律神経」と書かれていますが、「交感神経」と言うのは「自律神経(厳密には自律神経系)」を構成する神経の1つ。 ですので、どちらも間違いではありません。 |
子どもの目は、医学的に綺麗! よく、物の例えとして「子どもの目は澄んでいる」とか「子どもの目は綺麗」などと言います。 実はこれ、医学的に見ても正しい事なのです。 逆に言うと、大人になるほど目はどんどん濁り、汚くなっていきます。 その原因は、大気や紫外線と、単純な老化現象。 紫外線に当たると皮膚が日焼けするように、白目の部分も日焼けのような現象を起こします。 つまり、白目が徐々に薄汚れていくのです。 そして、大気にさらされても、徐々に色素が沈着していき、白目が薄汚れてきます(理由不明。理由を知っている方、よろしければ教えてください)。 一般的に、白目と黒目の境界がハッキリしている人ほど、「綺麗な目」に見えます。 そのため、白目が汚れた大人の目は汚く、そうでない子どもは目が綺麗に見えるのです。 もう1つの原因が、老化現象。 人は通常、16歳を過ぎると、瞳を開く筋肉(瞳孔散大筋)が老化を始めます。 一般的に、瞳孔(瞳。黒目)がある程度大きい方が、「綺麗な目」に見えます(心理学的に、そっちの方が好感が持てるようです)。 同じ人でも、20歳と10歳とでは、20歳の時の方が瞳孔が小さくなっています。 そのため、子どもの方が「綺麗な目」に見えるのです。 また、楽しいときや嬉しいときは瞳孔が開くので、これも「綺麗な目」に見えます。 純粋な心のない、濁った大人になると、この「楽しい」「嬉しい」による瞳孔の開きが減り、 逆に「怒り」等の瞳孔の縮みばかりになり、結果として、「濁った目」になります。 そう言った意味でも、心の澄んだ子どもは、「綺麗な目」をしている、と言えそうです。 |
何故目が疲れると、充血するのか? 長時間パソコンをやったり、本を読み続けると、目が疲れ、そして場合によっては白目が真っ赤になります。 そう、充血を起こすのです。 充血の赤と言うのは、目の内側を流れる血液の色。 目が疲れると、目の内側にある毛細血管が太くなり、それと同時に血液の流れる量も増加。 そのため、目が赤く見えるのです。 では、何故目が疲れると、毛細血管が太くなるのでしょうか? 目にある毛細血管の太さを操っているのは、自律神経と言う神経。 自律神経とはその名のとおり、自律している神経、つまり自分で自分をコントロールできる神経です。 自律神経以外の神経は、常に脳からの指令を待っており、脳から指令が来ると、その指令通りに動きます。 しかし、この自律神経は、脳からの指令を待たず、勝手に動くのです(つまり、意図的に操る事が出来ません)。 そして先ほども述べたように、この自律神経は、目の毛細血管を操っています。 普段、自律神経は、毛細血管を収縮、つまり細くさせています。 ですので、目の内側を流れる血液の量も減り、白目の部分は白く見えるのです。 ところで、人間は酸素を吸って二酸化炭素を吐き出します。 体内のどこで酸素が二酸化炭素に変わるかと言うと、体中の細胞内。 細胞たちはみな、酸素などをエネルギー源として、働いています。 そして、目の細胞も、酸素などをエネルギー源として働き、働いた後には、二酸化炭素などの不要な物質だけが残ります。 この酸素と二酸化炭素を運ぶのは、血液の役目。 目を長時間使うと言う事は、目の奥の視神経や筋肉なども含め、長時間目の細胞をこき使う、と言う事。 目の細胞たちは、脳からの指令に応えようと、一生懸命働きます。 そして、働くためには酸素が必要。 そこで、自律神経が、目の細胞たちに酸素を大量に送り込み、それと同時に二酸化炭素を運び出します。 酸素を大量に送り込む方法は、実に単純。 そう、目の内側の毛細血管を拡張させる、つまり太くするのです。 このため、白目部分が赤く見えるようになり、俗に言う「充血」状態になる、と言うわけです。 長時間の目の使用は視力低下の引き金。 たまには、目の細胞たちを重労働から休ませてあげる事も、重要です。 ちなみに、ウサギの目が赤いのも同じ理由。 こちらは、単純に色素が少なく、奥の毛細血管が透けて見えているだけのようです。 |
体に最も良い寝方(寝相)は? あなたは眠りに入るとき、どんな姿勢でいるでしょうか? 人によっては、仰向けだったり、うつ伏せだったり、右向き、左向きと、様々でしょう。 更に、丸まっていたり、大の字になっていたり、気をつけの形を取っていたり…。 では、多種多様な「寝方(ねかた)」の中で、最も体に良いのは、どのような姿勢なのでしょうか? 専門家に言わせると、 「寝やすい姿勢で寝れば、それで良い」 との事。 実は、人間は寝ている間に、何十回も寝返りをうっています。 眠っている間でも、体は完全に活動を停止しているわけではなく、20分ぐらいの間隔で、ゴロゴロと寝返りをうっているのです。 つまり、何かで体を固定でもしない限り、眠りに入る時と入った後では姿勢が変わるので、 寝る時だけ気をつけたって、全く意味が無いのです。 そして、体を固定して寝返らないようにすると、体に悪影響が現れます(詳しくは「寝返りは、何故うつのか?」参照)。 軟らかすぎる布団を使ったり、狭いベッドで寝たりしていると、寝返りがうてなくなるので、注意してください。 |
目の色が違うと、見える色も違うのか? 日本人の目は、茶色か黒、と相場が決まっています。 しかし、外国人の目は、日本人よりも濃い茶色や、青色、緑色だったりします。 では、この「青い目」と「黒い目」。見える色に違いはないのでしょうか? 実は、わずかながら、見える色に違いが生まれているらしいのです。 もちろん、ほんのわずかですので、普通の人にはさほど影響はありませんが、色彩の専門家にとっては、かなり重要な問題。 そこで、国際標準化機構(ISO)が実験をして、目の色による色の差(色差〔いろざし〕)を調べ上げました。 すると、こんな結果が出ました。 「黒い目よりも、青い目の方が、赤い色については、4倍の色素視感力があるらしい」 つまり、黒い目では同じ赤でも、青い目で見ると、微妙に色合いが違って見える、と言うのです。 例えば、AB2つの「赤」があった場合。 黒い目の人が「2つとも同じ」と言っても、青い目の人は「微妙に違う」と言うのです。 また、青や黄色についても、青い目の方が、見分ける能力が高い、と言う結果も出ました。 つまり、黒い目では同じ青でも、青い目で見れば、若干黄色が混ざっていたり、赤が混ざっている、と言う事がわかるのです。 このような結果から、「青い目と黒い目では、見える色が違う」と結論付けられたのです。 ですので、同じ絵を見ても、目の色が違うと、微妙に違う絵に見える、と言うわけです。 ちなみに、目の色の違いは、先天的に(生まれながらにして)持っているメラニンの量の違い。 肌を黒くする事で有名なメラニンが少ないと、目の色は青や緑になり、逆に多いと、茶色や黒になります。 メラニンの量が少ないと、目に入ってくる光の量が増えるため、同じ光でも、青や緑の方がまぶしく感じるんだそうです。 ただ、その事と見える色が違う事との因果関係は、不明です(どなたか知っていたら、教えてください)。 |
心臓もガンになるのか? 胃がんに肺がん、乳がん咽頭がん、舌がんなどなど、体のあらゆる場所に発生するガン。 しかし、「心臓がん」はあまり聞きません。存在しないのでしょうか? 実は、一応あるにはあるのですが、本当に極まれにしか発生しないのです。 では何故、心臓はガンにならないのでしょうか。 理由は大きく2つあり、1つ目は「心臓の特殊な細胞」。2つ目は「心臓の温度」です。 ガン細胞は、普通の細胞のように分裂(増殖)し、体中に転移します。 しかし、心臓の細胞は増殖しないので、ガンが増えようがないのです。 ちなみに、脳細胞(神経細胞)も増えないので、脳はガンにはなりません。 「脳腫瘍」と言うのがありますが、あれは脳そのものにガンが出来ているのではなく、頭蓋骨や、脳を取り巻く脳膜などがガンになったものなのです。 2つ目の「心臓の温度」ですが、これは、ガンの治療法に「温熱療法」と言う物があります。 実は、ガン細胞と言うのは熱に非常に弱いのです。 人間の体温が40℃になると、ガン細胞は死滅してしまいます。 心臓は、重量が体重の0.5%しかないのに、体が発する熱の10%を出しています。 そのため、常に40℃近い高温を出しているのです。 直前に述べたように、ガン細胞は40℃になると死滅してしまうので、常に40℃ある心臓には、なかなか発生しないのです。 ちなみに、脾臓も温度が高いため、ガンになりにくいと言われています。 |
その昔、人は水中で暮らしていた!? 現在、人類は陸上で生活をしていますが、その昔、人類は水中で生活していた、と言う説があります。 と言っても、人間がまだ、人間に進化する前、サルだった時代の話です。 当時人類の祖先が暮らしていた場所は、近くにある川や海の水が陸地にやってきて、水びだしになっていたと考えられています(雨が多かったようです)。 その時、人類の先祖は、辺りを海に囲まれてしまった、と言うのです。 その海を見ていた人類の先祖は、試しに浅瀬に入ってみる事に。 しかし四足歩行ですと、頭が低い位置にあるためすぐに溺れ、遠くまでいけません。 ところが、そこで誰かが「立てばいいじゃん」と気付き、二足歩行を始めたのです。 当時の人類の先祖の骨格は、まだサルに近く、二足歩行には適していませんでした。 しかし、水中ならば水の浮力によって体が軽くなりますし、転んでも怪我をしにくく、さらにバランス感覚も養えます。 このおかげで、人類の先祖は「水中二足歩行」と言う新しい分野を確立しました。 やがて、陸上での二足歩行に適した骨格を持つ人類の先祖が誕生。 彼(だか彼女だか)は、そのまま陸上での二足歩行を開始し、現在の人類へと進化して行った…と言う説です。 この説は、「アクア説」と呼ばれているもので、いくつかの証拠も提示されています。 まず、人間の背骨。これは、霊長類の中でも特に柔軟に出来ています。 アザラシなど、海にいる哺乳類(海生哺乳類)は、みな背骨が柔軟になっています。 そのため、人間の柔軟な背骨も、水中で作られたものなのではないか、と言われているのです。 他にあげられる証拠は、髪の毛。 サルにはほぼ全身に体毛がありますが、人間の体毛は頭など、数箇所にしか残されていません(実際には全体に残っていますが、多いのは一部だけ、と言う意味です)。 動物の体毛には、保温効果などの他に、「紫外線が直接皮膚に当たらないようにする」と言う効果がある、と考えられています。 水中は、空気中に比べ、紫外線の量が圧倒的に少なくなっています。 そのため、水中で暮らす人間の先祖の皮膚に当たる紫外線の量は、陸上で暮らしていた時よりも少なくなりました。 そこで、不要になった体毛を捨てた、と言うわけです。 ただ、哺乳類は肺呼吸ですので、水中に頭まで突っ込むわけにはいかず、常に頭だけは外に出しておきます。 つまり、頭皮だけは常に紫外線の脅威に晒されているので、髪の毛だけ残った…と言うわけです。 「人間は何故二足歩行を始めたのか?」と言う疑問には、色々な説がありますが、このアクア説は、そのうちの1つなのです。 |
親知らずは、何故抜くのか? 「親知らず」とは、「知歯(ちし/智歯とも)」とも呼ばれますが、歯学上は「下顎第三大臼歯」「上顎第三大臼歯」と呼ばれる歯の事です。 名前の由来は、生える時期が遅く、「この歯が生えた事には、親元を出ている」事が多いので、「親知らず」となりました。 さてこの歯。「抜かれる歯」として有名ですが、何故わざわざ抜く必要があるのでしょうか? その理由は、人類の進化に由来します。 人類は、その昔「猿人」でした。猿人たちのアゴは、現代人のそれより大きく、歯は全部で32本ありました。 現代人は、進化の過程で猿人たちよりアゴが小さくなってしまったのですが…歯の数は、減らなかったのです。 アゴが小さくなってしまったため、収容できる歯の本数は28本程度になってしまったのに対し、歯の数は32本…。 この余った4本が、俗に言う「親知らず」なのです。 親知らずは、最後に生えてくる歯。今まで28本キッチリ収まっていたところに、突然、一番奥に新たな歯が生えるのです。 すると当然、今まで生えていた28本の歯たちは、親知らずに押され、位置が動いてしまいます。 こうして、歯並びが悪くなる可能性があるのです。 中学・高校までは、歯並びが良かったのに、大人になって突然悪くなった方は、親知らずが生えた可能性があります。 また、28本の歯が場所を譲らなかった場合。 親知らずは横向きなど、変な方向に生えてしまい、歯茎やアゴの骨にダメージを与える事があります。 すると、痛みを感じたり、炎症を起こしたりしてしまいます。 さらに、このように生えてしまうと、歯ブラシで磨く事が難しいため、虫歯になりやすくなってしまうのです。 「歯並び悪化」「炎症」「虫歯」などの危険性があるため、親知らずは抜いた方が良い…と、言われているのです。 ただ、親知らずは足が2本もあり、太く、丈夫な歯ですので、このような事が起こらない場合は、抜かない方が良い場合もあります。 抜くか抜かないかは、歯科医と相談して決めてください。 ちなみに、親知らずが萌出(ほうしゅつ/歯が生える事)するのは、早くて17歳ごろ、遅くて21歳ごろ。 この時期に、奥歯の異常な痛みや、歯茎の異臭・炎症、歯並び悪化などが起こったら、親知らずが生えた可能性があります。 早めに歯医者に行き、今度の対策を練ってください(なお、この時期以降に、親知らずによる異常が起こる場合もあります)。 参考文献;札幌 おおつか歯科【http://www.o-dent.org/index.html】 |
虫歯が進むと痛くなくなる!? 「虫歯」とは、ほとんどの人間の口の中に棲む、「ストレプトコッカス・ミュータンス菌」などの細菌が、歯を溶かす現象です。 虫歯には「痛い」と言うイメージが強いですが、実は、虫歯が極限まで進行すると、痛みを感じなくなるのです。 人間の歯は、大きく三層構造になっています。 まず、表面がエナメル質。その奥に象牙質があり、一番奥に歯髄(しずい)と言うものがあります。 エナメル質には神経が通っていませんが、象牙質には神経が通っていて、ここが虫歯にやられると、痛みを感じます。 歯髄とは、歯の神経や血管が集まっている組織で、やはり痛みを感じます。 では、虫歯の進行の過程を見てみましょう。 まず、人間の口の中に棲む細菌が、口の中の栄養をもとに、酸を作ります。 酸は、エナメル質を溶かす性質を持っているため、エナメル質に穴が開きます。 すると、その穴に栄養が溜まり、穴の中で細菌が大繁殖して、さらに酸を作ります。 それにより、またさらにエナメル質が溶け、さらにそこに栄養が溜まり、さらに細菌が大繁殖し…。 と言うのが繰り返され、ついに細菌は、象牙質まで溶かし始めます。 ここまで来ると、人間は痛みを覚えます。甘いものや冷たいものがしみるのは、この段階です。 さらに進行すると、今度は細菌が歯髄まで入り込み、歯髄が炎症を起こします。 こうなると、痛みはさらに激しくなり、熱いものですら、歯にしみるようになります。 そしてついに、次の段階になると、エナメル質や象牙質がほとんど消えてなくなり、外から歯が見えなくなります。 また、顔が腫れ、歯の根元(歯根)に膿がたまり、嫌な臭いを発し始めます。 さぞかし痛かろう…と思いきや、ここまで進行してしまうと、歯の神経が全て死滅。 つまり、痛みを感じなくなってしまうのです。 痛みを感じるのが神経ですから、神経が無くなれば、痛みを感じないのも当然です。 こうなってしまうと、どう頑張っても治療する事はできず、抜歯しかありません。 こんなになっても放っておくと、どうなるのでしょう。 歯根に膿がたまり続け、最終的にはリウマチや心臓病にかかり、悪ければ死に至る事すらあるのです。 本当は恐ろしい、虫歯…。こうなる前に歯医者さんへ行き、虫歯を治療してください。 虫歯は症状が軽ければ軽いほど、治療時の痛みも少なくなります。 |
音痴の原因 歌が下手な人の事を、「音痴」と言います。 運動が下手な人の事を「運動音痴」、方向感覚が無い人の事を「方向音痴」などと言いますが、今回は歌の音痴の話。 音痴には、2つの種類があります。 1つが「喉(のど)の悪い音痴」。もう1つが「耳の悪い音痴」です。 歌を歌うためには…つまり、声を出すためには、喉などにある筋肉を動かす必要があります。 しかし、練習しなければ運動ができないように、練習しなければ、喉の筋肉も動かせません。 「喉の悪い音痴」の人は、これが原因で音痴になっているのです。 すなわち、喉の筋肉を自分の考えている通りに動かせないため、音痴になってしまうのです。 ですので、「喉の悪い音痴」の人は、自分では正しい音がわかっているし、自分がそれを歌えていない事もわかっています。 先ほど、「練習しなければ、喉の筋肉も動かせません」と書きましたが、これは裏を返せば、 「練習すれば、喉の筋肉を動かせる」と言う事です。 したがって、「喉の悪い音痴」の人は、練習すれば直す事が可能なのです。 一方、たちが悪いのが、「耳の悪い音痴」の人。 この人は、耳が悪く、音程を聞き取る能力が劣っています。 すると、仮に間違った音程で歌っていても、本人はそれに気づかない(気づけない)のです。 そのため、「耳の悪い音痴」の人は、自分ではそれが正しいと思い込んでいます。 これは練習云々の問題ではないので、「喉の悪い音痴」の人のようにはいきません。 早い話、『ドラえもん』に登場するジャイアンが、このタイプです。 「耳の悪い音痴」も、直そうと思えば直せない事もありませんが、 なにしろ本人はその事に気づいていないので、なかなか難しいのです。 ちなみに、「音痴は遺伝する」と言われていますが、これは俗説で、根拠は無いとされています。 |
吐いた息を吹き込む人工呼吸。意味あるのか? 事故などで呼吸が停止してしまった人に対し行う、人工呼吸。 酸素ボンベを使う方法もありますが、事故現場では人が口から直接、自分の息を吹き込みます。 ところで、人は呼吸をする時、酸素を吸い込んで二酸化炭素を吐き出します。 つまり人間の体には、酸素が必要であり二酸化炭素は不要なのです。 人工呼吸では自分の息を相手に吹き込むのですから、相手は二酸化炭素ばかり吸い込む事になります。 そうしたら、吹き込まれた側は酸素がなくなって死んでしまうのではないでしょうか? 空気の成分は約80%が窒素で、約20%が酸素、残りの極わずかはその他色々な成分です。 人間が一度空気を吸い、吐くと、酸素の量が減り、二酸化炭素の量が増えます。 しかし、実はその量は微々たる物。 呼気にはまだまだ酸素が豊富に含まれているのです。 呼気の成分は、窒素80%が変わらず、酸素は15%、二酸化炭素が5%です。 ですので、人工呼吸をしても、二酸化炭素ばかりが送り込まれるわけではないので、酸欠になる事はないのです。 なお、呼吸停止後、3分以内に人工呼吸を行えば、75%が助かると言われています。 |
指を曲げる筋肉は、どこにあるのか? 指を触ってみるとわかりますが、人間の指は、ほとんど骨と皮だけでできています。 しかし、指を曲げるためには、絶対に筋肉が必要です。 では、その筋肉はどこにあるのでしょうか? 指を動かす筋肉の半分は、手のひらにあります。 ですが、それだけでは、指を内側に曲げる事はできても、伸ばす事ができません。 もう半分の筋肉はどこにあるかというと、実は腕の中にあるのです。 手首からヒジまでの事を、「前腕」といいます。 指を動かす筋肉は、この前腕の内部に隠されているのです(この筋肉の事を、「指屈筋(しくっきん)」といいます)。 手を握ったり開いたりすると、手の甲の中で動く細いスジのようなものが見えます。 これが、指屈筋と指の骨を繋ぐ腱なのです。 また、人間は指や指の関節を全てバラバラに動かす事ができます。 これは、指の関節が全て別の筋肉によって動いているからなのです。 このおかげで、人間は指を器用に動かす事が可能になり、道具を自在に操れるようになったのです。 ちなみに、手首を動かす筋肉は、ヒジのすぐ近くにあります。 ヒジの辺りをつかみ手首を回すと、そこの部分がピクピクと動くのがわかると思います。 指屈筋がどこにあるかも、同じような方法で見つける事ができるので、暇な時に探してみてはいかがでしょうか? |
しゃっくりの止め方! ある時突然発生し、人々を困惑させるしゃっくり(吃逆)ですが、どうしたらすぐに止まるのでしょうか。 しゃっくりは、昔から人々を悩ませていたようで、世界中にあらゆる止め方が存在します。それらを列挙してみましょう。 ●ビックリさせる、急に驚かす ●しゃっくりに意識を集中する ●しゃっくりから注意をそらす(そらさせる) ●呼吸を止める(1分〜2分) ●深呼吸する ●口に紙袋を当ててしばらく呼吸する ●水を飲む(※1) ●くしゃみをする ●げっぷをする ●あごに水をつける ●質疑応答(※2) ●舌を引っ張る ●眼球を圧迫する ●「物を盗んだね!?」と子どもに嫌疑をかけ、子どもが必死に無実を訴えている間に、しゃっくりが止まる ●腹に湿布を当てる ●人に移す ●特定の食品(※3)を食べる ●背中を叩く ●首筋を氷で冷やす ●眉間に赤い物を貼る(赤ん坊の場合) ●鵜の鳥を思い出す ●頭のてっぺんを押してもらう ●ツバを何度も飲み込む ●「タヌキがこけた」と言う ●風呂に入る ●腹筋する ●心を落ち着かせて「しゃっくり」と5回唱える(唱えている間にしゃっくりが出ると、やり直し) ●鎖骨の窪んだ所を押す ●スプーンなどで舌の奥を押す ●脈を測る などなど、医学的根拠がある物から、全くの俗信まで、実に種類に富んでいます。 「しゃっくりに意識を集中する」と「注意をそらさせる」、「呼吸を止める」と「深呼吸」のように矛盾した物や、 「くしゃみをする」「げっぷをする」のようになんとなく似ている物もあります。 数は多いですが、大きく「何かを言う」「何かを飲む/食べる」「何か別な事に集中する」に分けられそうです。 ※1の「水を飲む」には、様々なバリエーションがあります。 ●一気に/ゆっくり飲む ●コップやおわんの対面側から飲む ●コップの上に箸を十字に重ね、区切られた4箇所から飲む ●鼻をつまんで飲む ●片手を上に上げながら、もう一方の手で飲む ●水に砂糖を入れて飲む(砂糖の量も様々) ●「たこがこけた」と頭の中で唱えながら飲む(唱え文句も様々) ●1〜10まで言いながら飲む ●男の人は9回、女の人は7回に分けてコップの水を飲む ●40〜50℃程度のお湯を少量口に含み、ゆっくり飲む事を3〜4回繰り返す ●上を向いて飲む ●下を向いて飲む ●呼吸を止めて飲む などなど。さらにこの時の「水」も、温かかったり冷たかったり、様々です。 ※2の「質疑応答」とは、次のような簡単なものです。 ●問)菜の花の色は? 答)黄色 ●問)ナスの色は? 答)紫 ●問)豆腐は何からできている? 答)大豆 ●問)昨日の夕飯なんだった? ●何でも良いのでクイズ などなど。なお、「答えははっきり言った方が良い」とする説もあります。 ※3の「特定の食品」とは、これもまたたくさんあり、 ピーナッツバター、チョコレート、砂糖、蜂蜜、苔桃(こけもも)のジャム、ワサビ、柿のへたを煎じた物、塩、酢、などがあります。 ところで、しゃっくりの正体はなんでしょう? それは、「呼吸を司る筋肉の1つ『横隔膜』が、痙攣を起こす現象」です。 すると、自分の意思とは関係無しに呼吸が行われ、しゃっくりとなるのです。 しゃっくり独特の「ひっく」と言う声(音)は、声帯(声を出す器官)が閉じている時に、急激に空気が通り抜ける事によって出る音です。 では、この事を踏まえた上で、上記の「しゃっくりの止め方」の中で、医学的根拠のある物は、どれでしょうか? 正解は、「全て、医学的根拠はない」です。 「しゃっくりの正体は横隔膜の痙攣だ」と先ほど述べましたが、 では「何故」横隔膜が痙攣するのか、その肝心の部分が、未だに解明されていないのです。 原因がわかっていないのですから、解決方法もわからないのが当然です。 その証拠に、「100%しゃっくりを止める方法」と言う物はまだ発見されておらず、あるとしたら、次の1つだけです。 ●鎮痙剤(ちんけいざい)を投与する 鎮痙剤とは、その字のごとく「痙攣を鎮める薬」です。 しゃっくりは横隔膜の痙攣なので、これでほぼ100%止まりますが、 言うまでもなく一般家庭に鎮痙剤などないので、普通これは「しゃっくりを止める方法」とは言いません。 一応「医学的根拠がある」とされている物は、次のような物などがあります。 ●呼吸を止める(呼吸を止める事で、横隔膜を落ち着かせられる?) ●(特殊な方法で)水を飲む(水を飲む事に集中し、心理的に止まってしまう?) ●舌を引っ張る(口、咽喉など、呼吸器系を刺激するので、止まる?) とは言いつつも、もしもしゃっくりがでたら、ここで紹介した物を全て試してみてください。 「下手な鉄砲数撃ちゃあたる」と言いますし、おそらくどれかで止まってくれる事でしょう。 なお「しゃっくりを100回(100万回)すると死ぬ」と言われていますが、当然そんな根拠はありません。 ただ、あまりしゃっくりが長引くと体力を消耗し、食欲不振や睡眠不足などに陥り、病気になる事があります。 また、内臓や脳などの病気でしゃっくりが起こっている場合もありますので、 あまりにも長く続いたり、頻繁に出たりする場合は、念のため病院(内科)で診てもらうことをオススメします。 ちなみに、ギネスブックによれば、アメリカ・アイオワ州のある男性は、28歳のときに始まったしゃっくりが96歳まで68年間も続いたそうです。 この間、彼は2回結婚し、子どもも8人生まれました。 しゃっくりが出たら、今回挙げた方法を敢えて試さず、ギネスに挑戦してみるのも面白いかもしれません(?)。 参考文献;多文化理解事典【http://www.netlaputa.ne.jp/~tokyo3/index.html】 本当に効く!しゃっくりの止め方【http://www.mag2.com/vow/osiete/syakkuri.htm】(教えて!ティーチャー先生 内) しゃっくりの止め方【http://ww1.enjoy.ne.jp/~turikiti/knowledge/syakkuri.htm】 |
キスで感染する病気! 「キスで感染する病気」などと言うと、なんともファンタジックな病気ですが、ファンタジーではなく現実に実在します。 そのうちの1つは、「虫歯」です。 もちろん、歯に黒い点が出来て激痛を引き起こす、あの虫歯(正式には「う蝕(うしょく/齲歯〔うし〕とも)」)です。 そもそもまず、「虫歯が感染症である」と言うことすら、一般には知られていません。 虫歯は、ミュータンス連鎖球菌などの「う蝕原因菌」と呼ばれる細菌が引き起こす病気です。 この細菌はほとんどの人の口の中にいて、栄養分(いわゆる「甘い物」)を見つけるとそれを食べ、酸を出します。 この酸が歯を溶かし、虫歯になるのです。 で、このう蝕原因菌ですが、実は生まれたての赤ん坊の口の中にはいません。 それが、他人と会話中に相手の唾液が口の中に入ったり、同じお皿、同じスプーンで食事をしたりする事によって、う蝕原因菌に感染。 以後、虫歯になるようになってしまうのです。 「キスで感染する」とはつまり、こういうことです。 互いの口をつければ、口の中にいるう蝕原因菌が相手の口の中に移動する事もあり得ます。 すると、相手が虫歯に感染してしまうのです。 実は、人間の口の中には数え切れないほど多くの細菌が存在し、これらの菌を総称して「口腔常在菌」と言います。 口腔常在菌は元々人間の口の中には存在しませんが、他人と接するうちに感染し、様々な病気を引き起こすのです。 と言っても、ほとんどの菌は普通の抵抗力があれば、まず病気を引き起こさないので、過度な心配は無用です。 ちなみに、口腔常在菌とは関係の無い、「キスで引き起こされる病気」もあります。 例えば、自分が何らかのアレルギーを持っていた場合。 キスをする相手が、キスをする直前にそのアレルギー物質を口にしていると、キスをする事でアレルギー物質が自分の体内に移動。 結果、アレルギー反応が引き起こされる事があるのです。 キスをする前は、十分にご注意を……。 |
男より女の方が骨粗鬆症になりやすい理由 骨粗鬆症(こつそしょうしょう)とは、骨がスカスカになり、折れやすくなった状態の事です。 この骨粗鬆症は、男性よりも、女性の方がなりやすくなっています。何故でしょう。 人間は年をとると、体内の性ホルモンの量が、減ってきます。 実は女性の場合、骨の原料であるカルシウムを蓄えておくのに、女性ホルモンの一種、エストロゲンを使用しています。 年をとると、このエストロゲンの分泌が減るため、カルシウムの蓄積量が減り、骨がスカスカになるのです(骨密度が低くなる、と言う)。 実際、53〜63歳までの間に、女性の骨密度はおよそ15%も低くなります。 しかし、エストロゲンがカルシウムを蓄えるならば、エストロゲンが無い男性は、何故骨粗鬆症になりにくいのでしょうか。 男性の場合、もともとエストロゲンが存在しないため、エストロゲンを使用しないでカルシウムを蓄えるように、体が出来ています。 そのため、女性に比べ、骨粗鬆症になりにくい、とされています。 骨粗鬆症にならないためには、意識してカルシウムを摂る必要があります。 しかし、カルシウムと言うのは実は、人体に非常に吸収されにくく、食品からは多くても50%程度しか吸収できません。 つまり、食品の中のカルシウムは、その半分以上が吸収されずに、体から出て行ってしまうのです。 カルシウムの吸収量を増やすには、ビタミンDや、マンガン、マグネシウムを摂る必要があります。 ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、マンガン、マグネシウムは骨を作る助けをします。 ビタミンDはイワシやウナギ、卵白などに含まれ、マグネシウムやマンガンは、ほうれん草などに含まれています。 |
女子のボールの投げ方が、なんとなく不自然なのは何故? 幼・小・中学生ぐらいで、まだ男女の分け隔てなく遊んでいた頃。 (男子が)女子とキャッチボールなどをすると、なんとなく感じる「不自然感」。 実際、女性がボールを投げている姿を見ると、「砲丸投げ」のような投げ方をしていて、どことなく不自然です。 何故このような不自然さが生まれるのでしょうか? 実は、なんて事ありません。ただ単に、ボールを投げるのが不慣れなためなのです。 男性でも、利き手と反対の手でボールを投げれば、自然とあのような形になってしまいますし、 男子でも、野球などでボール投げをやった事がない子は、あのような投げ方をします。 つまり、不自然さを感じない、自然な投げ方と言うのは、練習によって培われるもの。 ボールを何度も投げていると(特に野球などをしていると)、より速く正確なボールを投げる事が要求されてきます。 そのような、速くて正確なボールを投げようとして、ボールを投げ続けると、コツを掴んできて、「自然な投げ方」になってくるのです。 ですので、女性だからと言ってあのような不自然な投げ方をしているのではなく、 ただ男性に比べてボールに触れる機会が少ないため、あのような投げ方をしてしまうだけなのです。 裏を返せば、練習さえすれば、男女関係なく自然な投げ方ができますし、 全くボールを投げた事がなければ、男女関係なく不自然な投げ方をしてしまうのです。 決して、今回の文章で女性差別(あるいは男性差別)をしているわけではないので、誤解なさらぬように…。 |
男より、女の方が結構重い 「男性に比べ、女性は軽い」と言う、偏見にも似たイメージがありますが、実は意外とそうでもないのです。 確かに、同じ年齢の男女、同じクラスの男女の体重を見ると、男性の方が重いですし、平均体重も、男性の方が上です。 しかし、「同じ身長の男女」となると、話は違ってきます。 例えば、平成15年度の17歳の男女の体重は、男が全国平均63.5kg。女が53.5kgです。 これだけ見ると、女子の方が軽いですが、注目すべきはその身長差。 男子は全国平均170.7cmに対し、女子は20cm以上も小さい157.8cmです。 ではここで、男子の身長をぐぐ〜っと下げ、全国平均160.0cmの13歳(中学2年生)の体重を見てみましょう。 すると、全国平均は50.3kg。2.2cm小さい女子の53.5kgよりも軽くなってしまうのです。 ただ、それよりもうんと小さい、例えば幼稚園生ぐらいになると、男子の方が体重は若干重くなります。 5歳児の男子の全国平均身長は、110.8cm。女子は110.0cm。 対して体重は、男子19.2kg。女子は18.8kg。わずかな差ですが、女子の方が軽いです。 この状況が逆転するのは、だいたい小学校を卒業する11歳〜12歳ごろなのですが… ちょうどこの頃から、男子の成長期が始まり、女子の身長を一気に追い抜きます。 そのため、女子の方が身長が低くなり、「男性に比べ、女性は軽い」と言う現象が起こってしまうのです。 |
男も乳ガンにかかるのか? 「乳ガン」と言うと、「女性の病気」と言うイメージが強いですが、実際のところは、どうでしょう。 確かに、乳ガンは、女性がかかりやすい病気ではありますが、だからと言って、女性しかかからないわけではありません。 男性も、乳ガンにかかる場合があります。 ですが、その割合は、たったの0.5〜1%程度。残り99%以上が女性。 ですので、「乳ガン=女性の病気」と言うイメージが強いのです。 なお、現在、日本では乳ガンにかかっている女性は、胃ガンについで多く、世界的にも増える傾向にあります。 |
女から男になる? 人間は産まれる時、母親のお腹の中で約10か月間過ごします。 この10か月の間に、人間の体は劇的な変化を遂げ、産まれてくるのです。 その劇的な変化のうちの1つが、「女から男になる」です。 と言っても、実際には見た目が変わるだけです。 妊娠初期、人間は男女の区別がつきません。 その時の胎児の体は、男だろうが女だろうが、女の体をしているのです。 そして、胎児の時に男性ホルモンが分泌されると、男性器が発達して、男の体になるのです。 (ただし、女性器は、女性ホルモンが無くとも発達するので、女の体になるのに女性ホルモンは必要ありません) この時、何らかの原因で男性ホルモンの分泌が阻害されると、「女っぽい男」になってしまいます。 心だけ「女っぽい男」ならまだしも、体まで(見た目まで)「女っぽい男」になってしまう人も、極まれにいるようです。 ちなみに、男には必要ないはずの乳首が男性にもついているのは、こうした理由から。 あれは、「人間の基本形は女である」と言うことを暗に語っているのです。 |