動物園水族館植物園が100倍楽しくなる生物の雑学の部屋
知識の管理人;コンセ=バウンシー様

コンセ=バウンシー「いらっしゃーい☆ こちらは、動物園水族館植物園が100倍楽しくなる生物の雑学の部屋です。
ここで言う生物とは、ヒトを除いた地球上の全生命体の事を指します。
ヒトについての雑学は、『人体の雑学の部屋』に行ってください。
また、『ネコは何故、丸くなって寝るのか?』以上50個の雑学は、2階に行って読んでください」
コンセ=バウンシー「え? 100倍楽しくなるって、どうやって測ったのかって? …うっさいわね。そういう測定器があるのよ!」

     へぇそうなんだ  そんなの絶対ウソだ!

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ネコのヒゲの、隠れた能力! 挨拶は、生物の基本!?
レンコンには何故穴が開いているのか? イヌはネコの仲間!?
「ダーウィン進化論」の欠陥! 九官鳥やオウムは、何故人の真似をするのか?
イルカの研究が始まったのは、戦争のおかげ!? 毒ヘビが毒ヘビを噛むとどうなるか?
タケの花が開く時 サルにも方言はあるのか?
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ネコのヒゲの、隠れた能力!

ネコに「ヒゲ」があるのは、皆さんご存知でしょう。
あのヒゲ。周りの様子を知るのに使われるのは、なんとなく世間に知れていますが、具体的に、どんな事に使われているのでしょうか?
まず、ネコのヒゲが生えている場所を、説明しましょう。
まず、真っ先に目に付くのが、口の周りにある無数のヒゲ。
あれは、計24本あり、左右12本ずつ、水平の4段になっています。
そして、上の2段と下の2段は、自分の意志で、しかもバラバラに動かす事が出来るのです。
そして次は、目の上。
たまに、眉毛だと勘違いしている人がいますが、あれは眉毛ではなく、立派な「ヒゲ」。
数本のヒゲがピンと立っていて、あれもちゃんと役立っています。
最後が、足の裏。
意外に知られていませんが、両前足・両後ろ足、それぞれにヒゲが生えています(生えてるはずなのですが、キグロ家のネコでは確認できず。ものすごく短いのかも知れません)。
これらのヒゲは、他の毛よりも3倍も深い位置に毛根があり、そこで多くの神経と接しています。
また、根元は袋状になっていて、ヒゲはそこで浮いているような形になっています。
そのため、わずかな振動でも、その動きは根本から神経に伝わり、脳など色々な部位が反応します。
これらのヒゲは、生えている場所によって、その役割が違います。
狭い隙間を通るとき、口のヒゲを細かく動かし、隙間の幅を測って、自分が通り抜けられるかどうか調べます。
「ネコは、自分の顔が通れば、すり抜けられる」と言うのは有名な話ですが、これが出来るのも、ヒゲで幅を測っているから。
口の周りのヒゲは、これ以外にも様々な役割があります。
歩く時は、ヒゲを前に突き出し、前方を伺います。
くわえた獲物を奪われないようにヒゲで囲んだり、目では見えない鼻の下を、ヒゲで調べたりもします。
目の上のヒゲは、まぶたの神経と繋がっていて、目をガードしています。
何かが触れると、瞬間的に目を閉じ、目を守るのです。
足の裏のヒゲは、地面探知機に使われています。
足を付いた瞬間、地面の様子を脳に伝えているのです。
ネコは塀の上など、狭いところを平気で歩いていますが、あれは、足の裏のヒゲで地面の様子を完璧に把握しているからなのです。
また、ネコは知らないところに放たれると、ヒゲをピンと立たせます。
周りに何があるかを、ヒゲで察知しようとするのです。
他にも、指を差し出すと、ヒゲで拝むようにしながら、ニオイを嗅いだり、獲物を狙う時は、全てのヒゲを獲物の方へと向けたりします。
そして、ネコのヒゲは、時として目の役目もします。
ネコの目は、人間の6倍も光に敏感で、暗闇でも物が見える反面、
実は75cmより近くのものはぼやけ、15cmより近付くと、もうほとんど見えなくなってしまうのです。
そんな時にも、ヒゲの出番です。
ネコは、耳も良いので、周りの音で近くに何かがいるのは、既にわかっています。
そこで、ヒゲを前方に広げ、相手との距離を一瞬にして測り、次に自分が取るべき動作を、瞬時にはじき出すのです。
ところで、先ほど述べたように、ネコのヒゲはものすごく敏感です。
その敏感さのため、ネコは、ヒゲを立たせれば空気の流れすら探知する事が出来るのです。
ネコの周りで何かが動けば、ネコはそれによって発生する空気の流れを探知。
周りの物の大きさや硬さ、そして高さまで読み取ってしまうのです。
そんなネコのヒゲが、もし無かったらどうなるのでしょうか?
そう疑問に思って、猫のヒゲを全て切り取った動物学者がいました。
そのネコを暗がりで放すと、ネコは方向を見失い、ウロウロするばかり。
いつもヒゲを切ったままにしておくと、次第に出歩かなくなり、ついに真っ直ぐ歩けなくなってしまいました。
逆に、ヒゲさえあれば、目が見えなくても余裕で歩き、獲物を捕まえてしまいます。
そのぐらい、ネコのヒゲは大事なのです。
そして、このネコのヒゲ。実は、ヒゲの方向から、ネコがどんな気分でいるか、読み取る事が可能なのです。
ヒゲが丸まって見えるときは、甘えている時。ボールなどにじゃれている時は、全てのヒゲが対象物へ向きます。
そして、下を向いている時は、安心している時。他のネコや動物とじゃれあう時は、ヒゲを後ろへ向けています。
ネコのヒゲは、進化によって獲得した、生きるための大切な道具。
寝ているときはヒゲも寝ますが、起きているときは、ヒゲはフル活動しているのです。
ちなみに、よく「ネコが顔を洗う」と言いますが、実は、本当に洗っているのは顔ではなくヒゲ。
また、「ネコが顔を洗うと雨が降る」なんて言いますが、湿度が高くなると、ヒゲが伸び、感度が鈍ってしまうため、
それが気になってヒゲの手入れをする…と言われています。
1度、ネコのヒゲをじっくりと観察してみると、面白いかも知れません。

挨拶は、生物の基本!?
「おはよう」「こんにちは」など、我々は普段の生活で、挨拶を多用しています。
そして、「挨拶はヒトとしての基本」などとも言われています。
ところでこの「挨拶」と言う行為。ヒトだけの物のようで、実は結構原始的な行為なのです。
ヒトの脳は、3段階に分けて進化してきました。
生物の初めは、単細胞生物。この時は、まだ脳はありません。
しかし、それから進化して行き、原始的な爬虫類が生まれました。
魚のようなものから、やっとこさ陸へ出てきたのが、両生類。それがちょこっと進化したのが、原始的爬虫類。
そして、その時に出来た脳を、「原始的爬虫類脳」と言います。
実は、ヒト(哺乳類)の脳は、この原始的爬虫類脳を基盤に、どんどん進化して行ったのです。
進化の順に見ていくと、哺乳類の脳は、3階層構造になっています。
一番奥にあるのが、先ほど述べた原始的爬虫類脳。
それを覆うようにあるのが、旧哺乳類脳(辺縁系とも呼ばれる)。
そして、ヒトやサルなど、霊長類では特に発達している、一番外側にあるのが、新哺乳類脳です。
新哺乳類脳では、客観的な分析や抽象化、未来の予測などができ、
感情やコミュニケーション、自己実現など「第三次欲求」と呼ばれる欲求を支配するのも、ここです。
旧哺乳類脳では、自分の状態がどうなっているのかの自覚を持ち、情動を表す事が出来ます。
食べる、眠る、異性を求める、などの欲求が満たされない時に感じる怒りや恐れ、不快や不安などや、
欲求が満たされた時に感じる快感や喜び、安心感などを支配するのが、この旧哺乳類脳なのです。
そして、一番奥の原始的哺乳類脳では、餌をとる、なわばりを争う、巣を守る、など、自分が生きるために必要な行動を支配しています。
食欲、性欲、睡眠欲を支配しているのも、ここです。
ヒトで言う、「第一次欲求」は、ここで支配されているのです。
つまり、原始的哺乳類脳での欲求が満たされないと、旧哺乳類脳で不快感を感じ、それが新哺乳類脳によって分析され、己の行動を決定する訳です。
では、最初に出した「挨拶」は、どの脳で支配されているのでしょうか?
実は、一番奥の原始的哺乳類脳で支配されているのです。
そのため、ヒトやサルはもちろん、イヌやネコ、ネズミ、さらにはヤモリなども、挨拶をするのです。
それもそのはずで、挨拶と言うのは生物にとって、
「目の前にいるのは敵か味方か?」「目の前にいる異性は、配偶者として十分か?」
などを判断する、重要な行為なのです。
ですので、挨拶は、ヒトとしての基本どころか、爬虫類から備わる、陸上生物としての基本、と言えるのです。
参考文献;ゴジラ生物学序説(SUPER STRINGS サーフライダー21/編・著)

レンコンには何故穴が開いているのか?
ご存知の通り、レンコンには穴が開いています。
あの穴はもちろん、人間が開けたわけではなく、自然の状態で、元々ついているもの。
では、何故あんな穴が開いているのでしょうか?
そもそも、レンコンとはいかなる植物なのでしょうか。
レンコンとは、漢字で「蓮根」と書きます。
そう、あれはハスの根っこなのです(正確には、根っこではなく「地下茎(ちかけい)」と言う地下にある茎です)。
そしてハスはどこに生えるかと言うと、水の中や湿地帯。
水底に根(地下茎)を根付かせ、そこから水面へ向かって成長。
夏になると、水の上に4〜5cmの花を咲かせます(ちなみに、ハスはスイレン科の植物です)。
つまり、地下茎であるレンコンは、水の中にあるわけです。
しかし、ほとんどの生物の場合、生きるために酸素が必要です。
陸に生えている植物は、周り全部が空気ですので、酸素を取り入れるのに苦はありません。
また、根っこも、土の中にあるとは言え、土の中の隙間に空気があるので、酸素が不足する心配はありません。
しかし、ハスの根っこ(地下茎)は、水の底(つまり泥の中)にあるため、周りに空気が全くないのです。
魚などは水中から酸素を得る方法を獲得しましたが、ハスにはその能力がありません。
では、どうしたらよいか?
その方法として考え付いたのが、あのレンコンに開けられた穴なのです。
あの穴には空気が蓄えられており、レンコンは、あの穴の中の空気を使って、酸素を取り入れているのです。
なお、レンコンは思いのほか通気性がよく、切る前のレンコンの側面に口を当てて息を思いっきり吹きかけると、
別に目に見える穴が開いているわけではないのに、反対側に息が通り抜けるんだそうです。
こうする事で、わずかでも空気を取り入れようとしているのです。
これも、泥の中で生きるために編み出された、レンコンの知恵なのです。

イヌはネコの仲間!?
イヌとネコ。共に、古くからペットとして飼われ、ヒトと親しんできた動物です。
一見別物の両者ですが、実は分類学上、イヌはネコの仲間なのです。
分類学とは、文字通り、生物を分類・整理し、それぞれの動物の関係などを調べる学問です。
分類学は多くの生物をかなり細かく分類していますが、突然細かく分けるわけではなく、いくつかの基本階級に分けていきます。
ちょうど、住所が「都道府県」「市区町村」「丁目」「番地」「号」と段々小さくなっていくように、
分類学でも、段々範囲が狭くなるように、基本階級があります。
上(範囲が広い方)から順番に、
界→門→綱(こう)→目(もく)→科→属→種(しゅ)
となっています。
また、必要に応じて、門の下に「亜門」、綱の下に「亜綱」、目の下に「亜目」、科の下に「亜科」、属の下に「亜属」、種の下に「亜種」を設けます。
ここで、ネコ(イエネコ)はどうなっているかと言うと、
動物界 脊索動物門 脊椎動物亜門 哺乳綱 ネコ目 ネコ科 ネコ属 ヤマネコ種 イエネコ亜種
となっています。
そして、イヌ(イエイヌ)はどうなっているかと言うと、
動物界 脊索動物門 脊椎動物亜門 哺乳綱 ネコ目 ネコ亜目 イヌ科 イヌ亜科 イヌ属 タイリクオオカミ種 イエイヌ亜種
となっています。
見てわかるとおり、イヌもネコも、同じ「ネコ目」。
普通、「○○の仲間」と言うと、種や属、科ぐらいまでの事を言いますが、あともう1ランク広い目で見ると、イヌもネコの仲間になってしまうのです。
分類学は、見た目も考えますが、見た目以外にも、体の仕組み(機能)なども同時に考えますので、このようになるのです。
また、化石から進化の道筋と辿り、同じ生物を祖先とするものは、当然同じ階級に分類されます。
イヌとネコ(イヌ科とネコ科)は、化石を調べてみた結果、両者が過去、近い類縁関係にあった事がわかり、「目」のところまで同じになりました。
ちなみに、他にネコ目の動物にはどんな物がいるかと言うと、
アライグマやクマ、イタチ、スカンク、マングース、ハイエナ(以上、全て「科」)、さらにはアシカ(アシカ亜目)なども含まれます。
そして、クマ科にはパンダ、イタチ科にはフェレットなどが含まれています。
また、イヌ科の動物としては、タヌキ属やキツネ亜科などが含まれています。
ただ、最近では、分類学の一種類として、生物を構成する分子を調べ分類する、「分子系統学」と言う学問が出来ました。
この分子系統学により、ネコ目は、ネコ亜目とアシカ亜目しかなかったのに、新たに「イヌ亜目」が登場しました。
そして、このイヌ亜目の中に、「鰭脚科(ききゃくか/アザラシなどのように、足がヒレになっている動物の事)」が入り込みました。
つまり、イヌはイヌ亜目の動物、ネコはネコ亜目の動物となり、イヌとネコとの差が、少しだけ開いてしまった事になります。
身近な動物、イヌとネコ。両者の関係を、わかっていただけたでしょうか。

「ダーウィン進化論」の欠陥!
「あらゆる生物はすべて進化の結果として生じたものである」
と、言うのが進化論と言うもの。
そして、その進化論で有名なチャールス・ロバート・ダーウィンが唱えた進化論を、「自然淘汰説」と言います。
「淘汰(とうた)」とは、「環境に適する生物が生き残り、他が死ぬ」と言う事です。
ダーウィンが唱えた「自然淘汰説」とは、こう言う説です。
「どんな生物でも、一匹一匹に、“個性”がある。その“個性”が、生きて行くうえで都合の良い個性の場合、その生物が生き残り、他が死ぬ。
 そして、その都合の良い個性が遺伝によって受け継がれる事で、環境に最適な生物が誕生する」
有名な例が、キリンの話です。
キリンは初め首が短く、低い位置に生える木の葉しか食べられませんでした。
しかしある時、「首が長い」と言う“個性”を持ったキリンが生まれます。
このキリンは、他のキリンたちより首が長い分、食べられる範囲が広がり、他のキリンよりたくさん食べる事出来ます。
そのため、もし食べ物が減っても、このキリンは、他のキリンが食べられない部分の葉を食べ、生き延びる事が出来ます。
それが繰り返されるうちに、次第にその遺伝子が受け継がれ、全てのキリンの首が長くなった、と言うわけです。
現代の日本では、この「ダーウィンの進化論」を学校で習うので、「正しい理論」と言う気がします。
しかし実は、ダーウィンの進化論でも説明できない、とても有名な進化の例が存在するのです。
それが、「大進化」と呼ばれるもの。
全ての生物は、38億年前に誕生した単細胞生物から進化したと考えられています。
背骨のある生物(脊椎動物)に絞って考えると、魚類→両生類→爬虫類→哺乳類(又は鳥類)と進化したと考えられています。
この、「魚類→両生類」や「爬虫類→哺乳類」と言った大きな変化をもたらす進化の事を、「大進化」と呼びます。
魚類から両生類、両生類から爬虫類…と言うこの大進化は有名ですが、実は、ダーウィンの進化論では、この大進化の説明をする事が出来ないのです。
ここが、ダーウィンの進化論の「欠陥」部分。
無理に説明しようとすれば出来ない事もないのですが、現在のところ、完璧な答えはまだ出せていません。
ダーウィンの進化論は、先ほどのキリンの例のように、小さな変化の進化(小進化)の説明は得意なのですが、
このような大進化の説明はひどく苦手。ダーウィン派の人は、あまり大進化には触れません。
この大進化の解明は、「進化論最大の難関」とまで言われている、生物史上の大事件なのです。
ちなみに、「小進化のメカニズムは、ダーウィンの進化論が正しい」と言うのも、まだ証明されていません。
進化にはまだまだナゾが多く、現在、ダーウィンの進化論以外にも、多くの進化論が提示されています。
参考文献;ゴジラ生物学序説(SUPER STRINGS サーフライダー21/編・著)

九官鳥やオウムは、何故人の真似をするのか?
人の言う言葉を真似することで有名な鳥として、オウムや九官鳥、インコなどがいます。
しかしこれらの鳥たちは、いったい何のために人の物マネなどするのでしょうか?
実はこの行為は、自然界で重要な役割を持った行為なのです。
九官鳥、オウム、インコの3種は、インドなどの熱帯地方を原産地としています。
ここでは、彼らは特に縄張りを持たず、群れを形成して生活しています。
しかし、繁殖期になると「つがい(夫婦)」になります。
このつがいの状態で、群れの中で生活するのですが、これでは他の鳥たちが多すぎて、自分の相手がどこにいるかわからなくなってしまいます。
そこで使われるのが、「ラウド・コール」と呼ばれる特有の鳴き声。
これは、一種の合言葉のようなもので、相手の鳴き声をそっくり真似して相手に返します。
このように、お互いに真似しあうことで、相手の存在を確認し、位置を知るのです(つがい以外でも、ラウド・コールは行います)。
九官鳥など「人の物まねをする鳥」たちは、このラウド・コールを人間にも適用。
彼らは人間も自分たちの仲間だと思っているので、何回も同じ言葉を聞くと、それがラウド・コールだと勘違いし、
人間の声を、ラウド・コールの代わりに発する、と考えられています。
ちなみに、これらの鳥に早く「ヒト語」を喋らせるコツは、1羽1羽バラバラに飼い、トリ同士の顔を会わさせないようにすること。
こうすると、仲間が人間しかいないと思って、早く「ヒト語」をラウド・コールしてくれます。
なお、オウムとインコはインコ科ですが、九官鳥はムクドリ科に属しています。

イルカの研究が始まったのは、戦争のおかげ!?
現在、「イルカは哺乳類で、大変知能が高く、言葉まで持っているらしい」と言う事が、広く知られています。
しかし実は、この事実が判明したのは、つい最近の事なのです。
イルカの本格的な研究が始まったのは、1960年代。それまでは、イルカの事はほとんど知られていませんでした。
そして、意外な事に、イルカの研究が本格的に始まったきっかけは、なんと戦争なのです。
第2次世界大戦中、アメリカ海軍が、日本海軍が攻めてきていないかどうか、海中の音に警戒していました。
そしてある日、「キュッキュッ」と言う音が、無数に観測されたのです。
これを聞いたアメリカ海軍は、日本海軍が総攻撃を仕掛けてきたと思い、慌てて出撃。
しかし、音がした辺りには、日本海軍の潜水艦など、どこにもありませんでした。
その後の調査で、この音がイルカの声だと判明。そこから、イルカの生態の研究が始まりました。
それまでは、イルカについては「イルカは哺乳類である」ぐらいしかわかっておらず、
イルカに高い知能がある、イルカたちが人間のように会話を交わす、などと言う事は、ほとんど知られていなかったのです。
ただ、世の中には例外がつき物で、紀元前に、既にイルカについてかなり詳しく知っている人がいました。
それは、古代ギリシャの有名な哲学者、アリストテレスです。
彼は、紀元前350年ごろ、『動物論』と言う本の中で、世界で初めてイルカについて観察した記録を残しています。
「イルカは哺乳類であり、知能があり、言葉を話す」と言う事をアリストテレスは観察によって知り、本に記したのです。
しかし、当時の学者たちには全く相手にされず、
「イルカは魚と同じ(魚類)で、知能が低い」と言う認識は、その後2000年以上も続きました。
ただ、研究が始まったのは最近でも、イルカと人間の付き合いは古く、
クレタ島にある神殿の女王の間に、紀元前1000年以上昔のイルカの壁画が残っています。
また、ギリシャ神話の中にもイルカはたくさん登場し、
オーストラリアのアボリジニ族や、ニュージーランドのマオリ族も、何万年も前からイルカを「海に住む人間」として、付き合ってきました。
まだまだイルカについてはわかっていない事が多いのですが、その分期待も大きく、
「将来、宇宙人と人間の通訳は、イルカがしてくれるかもしれない」と唱える学者までいるのです。

毒ヘビが毒ヘビを噛むとどうなるか?
コブラやマムシなど、ヘビには毒を持つものがいます。
その毒は、種類によっては非常に強力で、大きな動物でも簡単に死に至らせてしまう場合もあります。
では、毒ヘビが毒ヘビに噛まれた場合、噛まれた方は死んでしまうのでしょうか?
これは、毒ヘビの種類によって、違います。
毒ヘビの毒には、大きく分けて「神経毒」と「出血毒」の2種類があります。
神経毒とはその名の通り、体中を巡る神経を攻撃する毒。
神経は脳からの命令を伝える器官ですので、ここがやられると、体が痺れ(麻痺)、呼吸困難に陥るなどして志望してしまいます。
出血毒とは、名前の通り、傷口から血が出てきてしまう毒。
出血毒には「出血酵素」と呼ばれる物が含まれており、これは胃液など、消化液の仲間です。
噛まれてしばらく経つと内出血が広がり、筋肉などが壊死(細胞が死んでしまう事)を起こし、非常に危険な状態に陥ります。
神経毒より死亡率は低いですが、噛まれた後、激痛に襲われます。
コブラなどは神経毒を、マムシやハブなどは出血毒を持つ毒ヘビです。
では、コブラがコブラを噛んだ場合、噛まれたコブラはどうなるでしょう。
コブラの場合、噛まれると、量によっては死亡してしまう、と言われています。
一方のマムシやハブなどは、同種のヘビに噛まれても、体内に免疫があるため、まず死ぬ事はないと言われています。
ちなみに、フグがフグを食べても、死ぬ事はありません。
やはり、体内に免疫があるため、と考えられています(現在、この免疫を抽出する研究がされているそうです)。

タケの花が開く時
タケの花を見た事がある人は、少ないでしょう。
タケは、数十年から、長いものでは120年近く花を咲かせない種類まであります(あまりにも長くて、まだ周期がわかっていないものもあります)。
そしてどのタケも、生涯1度しか花を咲かせず、花が咲いたあとは、枯れてしまいます。
この理由はよくわかっていないのですが、一説には、タケの繁殖方法が原因ではないか、と言われています。
タケは、「地下茎(ちかけい)」というものを利用して、増えていきます。
地下茎とは、地下にある茎のこと。見た目上は根っこと似ています。
タケの下には地下茎があり、それが横へ広がっていきます。
すると、その地下茎の一部が、地上へ顔を出します。これがタケノコ。成長すると、タケになります。
タケはこのようにして繁殖するわけですが、実は、成長後も、タケは地下茎でつながっているのです。
もしこの地下茎に異常が起こったら、この地下茎を共有しているタケが、全滅してしまいます。
花を咲かせる、と言うことはつまり、種子を作る事にほかなりません。
地下茎でつながれた一族が全滅しても、種子を作れば、また新たなタケ一族を生み出す事が出来、絶滅を逃れる事ができます。
タケは、このように、全滅の危機に瀕した時のみ花を咲かせるので、滅多に花が咲かない、と言われているのです。
また、最初に「花が咲いたあとは、枯れてしまう」と書きましたが、この説で行くと、「咲くと枯れるのではなく、枯れるから咲くのだ」と言う事になります。
ただ、これも一説に過ぎず、他にも「花を咲かせるホルモンが、何故か長周期でしか作られない」などの説があります。
タケの成長は早いですが、花の周期は長いので、繰り返し研究もできず、なかなか定説が生まれないのです。
ちなみに、花が咲いた直後にタケが一斉に枯れることから、「タケの花は悪い事の前触れ」と言われています。

サルにも方言はあるのか?
ヒトとサルは、同じ霊長類であると言う事で、似ているところがたくさんあります。
ところで、ヒトには方言がありますが、最近、サルにも方言がある事がわかってきたのです。
京都大霊長類研究所の、正高信男さんという教授率いるグループが、これを突き止めました。
このグループは、屋久島に生息するヤクニホンザル23匹と、愛知県犬山市の大平山に生息するヤクニホンザル30匹を、それぞれ調査。
1990年から2000年まで10年間の調査で、サルが群れの中で互いの存在を確認するために発する「クー」という鳴き声を比較しました。
(愛知県のサルは、元々も屋久島に棲んでいたサル。1956年に、愛知へ移された)
生後6〜8か月までは、どちらも同じ鳴き方ですが、9〜10か月ごろから、屋久島のサルが高い声で鳴き始めました。
この10か月というのは、ヒトの3歳に相当します。3歳と言うのは、ヒトが言語を習得し終える年齢です。
鳴き声の高さの平均は、屋久島のサルが780ヘルツ、大平山のサルが670ヘルツでした。
この理由は、樹木が多い屋久島では、鳴き声が良く伝わるためには高い声が必要で、
逆に樹木の少ない大平山では、低い鳴き声でも遠くまで伝わるため、と考えられています。
(高い音には、「障害物があっても遠くまで届く」と言う性質がある)
いままで、「ヒト以外の動物の声は、遺伝によって決まっていて、環境では変わらない」と言う説がありましたが、
今回の調査結果は、それを覆すものになりました。
また、ヒトの言語のルーツは、まだ詳しい事がわかっていませんが、今回の「親や集団から、鳴き声を受け継ぐ」と言う調査結果から、
ヒトの言語も、このように、継承されて作られたのではないか、と考えられるようになりました。
参考文献;Yahoo!News【http://headlines.yahoo.co.jp/hl】

ウイルスは、地球外生命体!?
「ウイルス」と言う言葉は、聞いた事があると思います。「病原体」として知られています。
ところが、ウイルスとは、一筋縄ではいかない、奇妙な生物なのです。
そもそも、「生物」かどうかすら、わかっていません。
生物とは、「細胞から成り立っている物」の事です。
また、一般的な特徴として、「自己増殖能力、エネルギー変換能力、恒常性(ホメオスタシス)維持能力」の3つを持ちます。
「自己増殖能力」とは、例えば、男女が結婚し、子どもが生まれ、その子どもがまた結婚し、さらに子どもが生まれ…
を延々と繰り返し、どんどん数を増やしていく能力の事。または、成長して、大きくなる能力の事です。
「エネルギー変換能力」とは、例えば、ご飯を食べ、その食べた物の持つエネルギーを、自分の体を動かすためのエネルギーに変換できる能力の事。
そして、「恒常性維持能力」とは、ヒトならば、体温を35〜37℃に保ち続ける能力の事。
狭い意味で、「健康を維持し続ける能力」の事です。
さて、話をウイルスに戻しましょう。
ウイルスはまず、生物の定義である、細胞を持っていません。
ウイルスの体は、「カプシド」と呼ばれるタンパク質の殻と、ウイルス核酸と呼ばれる物だけでできています。
これは細胞ではなく、細胞を持たないと言う事は、生物ではありません。
と言うわけで、この考えからすると、ウイルスは非生物になるわけなのですが…。
ところが、ウイルスには、生物の特徴である「自己増殖能力」があります。
ウイルスは、生物の細胞にくっ付くと、自分の殻を破り、中にあるウイルス核酸を、細胞内に注入します。
核酸とは、いわゆる「DNA」などと呼ばれている物の総称。
細胞内に入った核酸は、生物の体が細胞分裂を行うように、次々と分裂し、増殖します。
そして、細胞の中のタンパク質を利用して、自分の体を作ってしまうのです。
その後、細胞膜を破壊して外に飛び出した「子ウイルス」たちは、また別の細胞に取り付き、増殖するのです。
このように、ウイルスには自己増殖能力があるため、ここだけ見れば、ウイルスも立派な「生物」です。
しかし、ウイルスは、自分だけでは増殖できません。必ず、他の生物の細胞が必要になります。
細胞を持たない以上、ウイルスは非生物なのだから、ウイルスは「微粒子」と呼ぶべき……
いやしかし、微粒子では絶対に行う事のできない、「増殖」をウイルスは行うのだから、「微生物」と呼ぶべき……
ウイルスは、地球上に存在する全ての生物のどれとも似ていないため、ついには、
「ウイルスは地球で誕生したのではなく、宇宙から飛来した、地球外生命体だ!」
と言う説まで飛び出してきました。
この説は、定説にはなっていませんが、「生物」「非生物」論議に終止符を打つには、適当な説かもしれません(?)。
ちなみに、現在のところ、ウイルスは学問によって、便宜上生物として扱われたり、非生物として扱われたりしています。

ペンギン夫婦の固い絆!
仲の良い夫婦の事を「オシドリ夫婦」などと言いますが、飛べない鳥・ペンギンの夫婦も、とても仲が良いのです。
ペンギンには、「海で生活する期間」と「陸で生活する期間」とがあります。
ペンギンが繁殖する(夫婦を作る)のは、「陸で生活する期間」です。
種類によって異なりますが、たいてい春の終わりから夏にかけて、ペンギンたちは陸にあがります(ペンギンはほとんど全てが南半球に生息しているので、この「春から夏」と言うのは、日本で言う冬の事です)。
この時、陸に上がるのはオスが先です。オスは陸に上がると、まず巣を作ります。
そしてその状態でメスを待ち、やって来たメスと結婚するのです。
生まれた子どもが大人になると、ペンギンたちは「海で生活する期間」に入ります。
この時、ペンギンたちは夫婦バラバラに海に戻り、小さな群れで暮らします。
さて、「海で生活する期間」が終わり、「陸で生活する期間」になると、オスは去年と同じ場所に巣を作ります。
そして、そこで去年の妻を待つのです。
メスの方も、陸に上がると去年の巣の場所へ戻り、そこでオスと再会します。
ペンギンたちは互いの声を覚えているので、メスはたくさんいるオスの中から、去年の夫を見つけ出す事ができるのです。
つまり、ペンギンは、毎年毎年同じ相手と結婚をしている、というわけです。
しかし、まれにオスが怪我などの原因で、陸に戻れない事があります。
こうなると、メスは去年の夫と再会する事ができません。
するとどうするかと言うと、新しいオスと結婚するのです。
しかし、ここからがペンギン夫婦の固い絆の見せ所。
渋々新しいオスと結婚したメスですが、たまに、去年の夫が帰ってくる事があります。
するとなんと、新しい夫を捨て、去年の夫と結婚をしなおすのです。
ただ、この光景が見られるのは、巣を作るペンギンのみ。
巣を作らないエンペラーペンギン(皇帝ペンギン)は例外です。

空を飛ぶのは、気持ち良い事か?
トリが空を飛んでいる姿を見ると、なんとも気持ち良さそうに見えます。
ですが、実際のところは、どうなのでしょうか?
ほとんどのトリは、空を飛ぶ事に特化した体を持っています。
そのうちの1つが、発達した筋肉。
トリは、胸にある筋肉で、羽を動かします。
ここの筋肉が非常に発達しており、ハチドリでは、胸の筋肉の重さが全体重の3分の1を占めているほどです。
しかし、このように筋肉は発達していると、それを動かすためには、大変なエネルギーが必要になります。
実は、トリが羽ばたいている時、ジッとしている時の約15倍ものエネルギーを消費しているのです。
ヒトの場合、1分間に120〜140回の縄跳びをやった時、ジッとしている時の11〜12倍のエネルギーを消費します。
つまり、トリは飛んでいる間中、ずっと140回/分の縄跳びをやり続けているのです。
ですので、一見気持ち良さそうでも、実は大変な労力を要する行為なのです。
そのため、トリはできる限り楽に飛ぼうと、様々な工夫をしています。
グライダーのように羽ばたかないで滑空したり、上昇気流に乗って空を舞ったりしているのです。
この他、羽を下ろす時には、羽の下の空気を逃がさないようにし、羽を引き上げる時は筋肉の力を抜きます。
こうすると、羽の下の空気によって勝手に羽が上がるので、飛びながら休憩をする事もできるのです。
羽ばたいている時はつらくとも、風に乗って舞っている時は気持ち良い…かもしれませんが、本当のところはトリに聞いてみないとわかりません。
……と言う結論では、やはりダメでしょうか。
参考文献;スポーツ栄養とエネルギー【http://www1.biwakosportsnow.or.jp/shiga-sports/clm/clm_eiyo01.html】(財団法人滋賀県体育協会 内)

ホタルはいつから光るのか?
近くに水が綺麗な小川があると、夏にホタルを見る事ができます。
「ホタル」と言うと、光りながら辺りを飛んでいる姿を想像しますが、ホタルは生後どのぐらいから光る事ができるのでしょうか?
ホタルは成長するにつれ、幼虫→サナギ→成虫と変態します(これを「完全変態」と言います)。
ホタルの寿命は約1年。1年間を幼虫で過ごし、最後の2週間を成虫として過ごします。
光りながら空を飛んでいるのはもちろん成虫ですので、少なくとも生後1年後には、光る事ができます。
では、成虫の1つ前、サナギの状態ではどうでしょう。
ホタルのサナギは川岸の地中にあります(ゲンジボタルの場合。以下同じ)。
サナギになった頃は乳白色をしていますが、だんだん黒くなってきます。
サナギの期間は約10日。この際、体全体が薄ぼんやりと光っています。
つまり、ホタルはサナギでも光るのです。
では、さらに前の幼虫時代。
幼虫時代は最も長く、川の中で過ごします。夜行性で、おしりの両側がうっすらと光ります。
つまり、ホタルは幼虫時代でも光るのです。
となると、その前の卵の時代はどうでしょうか?
実は、ホタルは卵として産み落とされたその瞬間から、光る事が出来るのです。
ホタルの卵は、水辺の湿ったコケなどの上に産み落とされ、その水分に守られながら育ちます。
生まれたばかりの卵はまだ光が弱いですが、日増しに光が強くなっていきます。
そして約1か月で孵化して幼虫になると、川の中に落ちます。
その後5〜6回脱皮を繰り返し、春を迎えると、2〜3cmに育った幼虫が川からあがり、地中に潜ります
(主に雨の日。土が湿っているので、穴を掘りやすいと考えられている)。
そこで繭(まゆ)を作り、40日ぐらいでサナギになると、10日後、成虫になります。
それから2〜3日経つと地上に這い出てきて、一斉に飛び立ち、最期の2週間で異性を見つけ、交尾をします。
するとオスはすぐに死んで、メスも光る卵を産んだ後、オスの後を追うのです。
ところで、ホタルが光るのは、異性を惹きつけるためです。
では、まだ異性を惹きつける必要のない卵、幼虫、サナギはどうして光るのでしょうか?
その理由はまだよくわかっていませんが、「いわゆる警戒色ではないか?」と言う説が有力のようです。
警戒色とは、天敵に対して「自分は危険なヤツだから近寄るな!」と知らせるための色です。
効果のほどは定かではありませんが、とにかくホタルは、一生輝いているのです。

ネコがネズミから逃げ回る!
「窮鼠猫を噛む」と言うことわざがあります。
「窮鼠(きゅうそ)」とは「追い詰められたネズミ」の事で、
「追い詰められたネズミはネコに噛み付く」転じて「弱い者も追い詰められると強い者に反撃する」と言う意味です。
では、実際にはこのような事(つまり、窮鼠がネコを噛む事)はあるのでしょうか?
動物の本能を考えると、ネズミがネコに噛み付くのはともかく、ネコがネズミから逃げ回る事は十分にあり得る事です。
ネコなどの肉食動物は、自分以外の他の動物を捕まえ、その肉を食べます。
肉食動物の本能には、「逃げる奴を追いかけ、食え」と書かれているのです。
ですので、彼らは特に意識しなくとも、自分から離れていく物を見つけると、追いかけて、捕らえたくなるのです。
しかし、逆に相手が自分の方に近づいてきた場合。
動物の世界では通常、弱者が強者に近づいてくる事はありません。
つまり、「相手がこちらに向かってきた」と言う事は、「相手は自分より強い」と言う事になるのです。
そのため、動物の本能には「追ってくる奴から逃げろ」と書かれているのです。
では、仮にネズミがネコに向かって走っていったら?
ネコはネズミを「自分より強い奴」と考え、ネズミから逃げ回るのです。
ちなみに、「追ってくる奴から逃げろ」と言う本能は、人間にもあります。
誰かに追いかけられた時、「立ち向かおう」と考える人より「逃げよう」と考える人の方が多いのは、このためなのです。

植物に、嘘発見器を繋げると…!?
1966年のある日の話。
アメリカの嘘発見器検査官クリーブ・バクスターが、部屋にあった観葉植物の一種ドラセナの葉に嘘発見器をつけました。
「なんの気なしに行った」とか「葉が水を吸い上げる時に変化するはずの、電気の流れ具合を記録しようと考えた」とか、諸説ありますが、とにかくドラセナの葉に嘘発見器をつけました。
しかし、つけたところで何の反応もなし。所詮は植物です。嘘発見器に反応するわけがありません。
ところが…バクスターがふと、「火をつけてやろう」と思った瞬間、嘘発見器の針が大きく振れたのです。
強調しておきますが、バクスター自身は植物に何もしていません。ただ、「火をつけてやろう」と思っただけなのです。
何度か実験した結果、バクスターは「植物は人間の心がわかる」と結論付けました。
バクスターがさらに実験を行ったところ、「燃やすフリ」をするだけでは植物は反応せず、「本気で燃やそうとした」時だけ反応したそうです。
これはつまり、植物には「人間が本気か否か」を見分ける能力まで備わっている事になります。
よく、「植物は人間の心がわかる」と言う説を耳にしますが、これは、どうやらここから来たらしいと言われています
(そのため、植物に名前をつけたり、話しかけたりしてペットのように可愛がる人の事を「バクスター族」と言います)。
バクスター以後も、「植物の持つ感情を確かめたい」「コミュニケーションをとりたい」と多くの人が考え、研究を繰り返しました。
その結果、「周りの生物の死に反応した」とか「体を傷つけられると悲鳴を上げた」とか、
さらには「いつも自分の世話をしている人が別の植物に興味を持つとやきもちを焼いた」などという報告まであります。
ただし、バクスターのこの実験。残念ながら現在(2006年)のところ科学的に立証はされていません。
ですが、「立証されていない」と言う事は、「否定されていない」と言う事でもあります。
バクスターを信じたい方。自宅でも出来る実験なので、あなたも試して見てはいかがでしょうか?
参考文献;植物との対話【http://www.d1.dion.ne.jp/~yamato__/plant.htm】

ミルクで子どもを育てる魚!
魚は、一般的に子育てをしませんし、してもミルクをあげる事はありません。
ミルク(乳)をあげるのはヒトを含めた哺乳類だけで(だからこそ「哺乳」類という)、魚は基本的にミルクをあげたりしませんが…。
しかし、物事には例外がつき物。なんと、ミルクで子どもを育てる魚が存在します。
その名は「ディスカス」。熱帯魚の一種で、「熱帯魚の王様」とも言われているそうです。
ディスカスの親は、「ディスカスミルク」と呼ばれる粘液を分泌し、稚魚はそれを食べるのです。
「ミルク」と名がついてはいますが、一見ミルクのように見えるだけで、実際にはただの粘液です。
母乳と言うと、哺乳類の場合は母親しか出しませんが、ディスカスミルクは父親も分泌します。
また、魚は普通、毎年違う相手とつがいになりますが、ディスカスは生涯一夫一妻制を貫きます。
ディスカスは、繁殖期になるとつがいになり、木や水草などの周りに50〜300個ほどの卵を産みます。
卵を産みつけた夫婦は、口やヒレで卵を掃除し、新鮮な水を送り続けます。
数日(2日〜4日)で卵は孵化し、稚魚はその後1日〜2日は、卵のあった辺りをうろつきます。
卵のあった辺りを離れると、今度は両親の体の表面をついばみ始めます。ディスカスミルクをもらっているのです。
1週間ほどで“乳離れ”をし始め、2週間もすれば、稚魚は完全に1人立ちをします。
“授乳期”のディスカスは、体表が黒っぽくなっていますが、普段は熱帯魚らしい、色鮮やかな体表をしています。
ディスカスは、熱帯魚専門店やディスカス専門店で購入できますので、熱帯魚が好きな方は飼ってみてもいいかもしれません。

キツツキの悲劇!
キツツキと言えば、木を突付いて穴を開ける事で有名な鳥です。
木を突付く理由は大きく4つ。求愛、縄張りの主張、エサ取り、そして巣穴作りです。
キツツキは、主に子育てをするために巣穴を掘ります。
掘り始めるのは4月ごろ。完成までの3〜4週間、夫婦交代で穴を掘り、5月にはメスが卵を産みます。
しかし、苦労して作った巣穴を、キツツキたちは1年使っただけで捨ててしまい、次の年はまた新しい巣穴を掘ります(クマゲラは、3〜8年ほど同じ巣を使う)。
ところでこの巣穴。子育てをする以上、当然中はかなり広く、しかも日当たり・風通し抜群。
雨水も入りにくく、捨てるのはもったいない優良物件です。
そこで、この捨てられたキツツキの巣穴は、他の鳥や小動物たちに大人気。
自分で木に穴を掘る事が出来ない(=巣穴を作れない)鳥や小動物たちが、この“空き穴”を利用して自分の巣にして暮らしているのです(キツツキ自身も寝床に使っている)。
ところが、どんな世界にも卑怯な奴はいるもので。
キツツキが3〜4週間かけてやっと掘り終えたばかりの穴を、横から奪ってしまう鳥や小動物もいるのです(モモンガなど)。
かなり可哀想な現象ですが、それが自然界。奪われたキツツキは、奪い返すか、再び巣穴を掘るしかないのです。
ちなみに、「キツツキ」と言う名前の鳥は、日本には存在しません。
「キツツキ」と言うのはキツツキ目キツツキ科の鳥の総称。約200種類いますが、日本にいるのは、
アオゲラ、アカゲラ、アリスイ、オオアカゲラ、キタタキ、クマゲラ、コアカゲラ、コゲアラ、ノグチゲラ、ミユビゲラ、ヤマゲラ
の11種類。ただし、キタタキは「絶滅したのでは?」と言われています。

雨の日のアリの巣。浸水はしてないのか?
普段よく目にするアリは、地面に巣を掘っています(もちろん、地面に巣を掘らないアリもいますが、無視します)。
巣の入り口は当然上を向いているわけですが、雨が降るたびに浸水してはいないのでしょうか。
もちろん、ほとんど浸水していません。していても被害は最小限だと言われています。
例えば、非常に細いパイプがあるとします。
その中に水を入れようとしても、なかなか入れる事が出来ません。
目の細かい網の上に静かに水滴を垂らした時も、水は網の上に留まり、下にはなかなか落ちません。
これと同じ事がアリの巣でも起こっています。
アリの巣の入り口は非常に小さいため、雨の水が中に入りにくいのです。
また、アリの巣は葉っぱや石の陰、家の軒下などに作られる事が多く、元々雨水が直接当たりにくい場所です。
仮に大雨になって入り口から水が入ってきたり、土から水が染み出てきても、アリの巣は縦横無尽に穴(と言うか道)が掘ってあり、心臓部(女王アリの部屋、卵の部屋など)にはなかなか水が入らないような構造になっています。
そのため、雨が降ってもアリの巣は浸水しないし、しても被害は最小限に留められているのです。

オスアリの悲劇!
アリの交尾は、次のように行われます。
交尾が行われるのは5〜6月の晴れた日。
若い10匹程度のメスの羽アリ(次期女王)がまず巣を飛び出し、そのあとに数百匹のオスアリ達が続き空へ飛び出します。
メスアリは大きく体力もありますが、オスアリは小さく体力もありません。
メスアリは空を飛び回り、オスアリは離れまいと後を追い、メスアリにタッチします。
見事メスアリを捕まえる事ができた者が、交尾をする事ができるのです。
では、捕まえられなかったオスは?
力尽きて空から落ちてしまったオスたちは、自分達の巣に帰っていきます。
ところがなんと、巣にいるアリたちは全員、オスアリ達を迎え入れてはくれないのです。
元々オスアリの役目はメスアリと交尾する事だけで、交尾の季節を過ぎれば用はありません。ただの無駄飯食いなのです。
諦めたオスアリは巣を離れ自らの力で生きていこうとしますが、今度はエサが取れません。
オスアリの役目はメスアリと交尾する事で、エサを取る事ではありません。
巣にいる間は、ずっと働きアリ達がエサを運んで来ていてくれていたのです。
そのためエサの取り方もわからず、オスアリ達は飢えに苦しみ、力尽き、死んでいくのです。
ちなみに、交尾したオスもその後力尽きてやっぱり死んでしまいます。
オスアリ達にとって交尾とは、文字通り決死のイベントなのです。

イルカはテレパシーが使える!?
イルカといえば、海に住む哺乳類の一種。
テレパシーといえば、口に出さずとも自分の考えている事を他人に伝える超能力。
実は、イルカはテレパシー……ではありませんが、それに似たような能力がある事がわかっています。
イルカは、人間で言う目の他に、もう1つ別な“目”を持っています。
それが耳。明るいところでは目で物を見ますが、暗いところでは超音波を使って物を“見る”事ができるのです。
(超音波とは、人間には聞こえない音。
 自分で超音波を出し、障害物にぶつかって跳ね返ってきた超音波を聞く事で、暗闇でも物が“見える”)
この超音波、意外としっかり物の形を認識できるそうで、
超音波で見つけた物体も、イルカにとっては普通の映像として捕らえる事ができるようです。
そしてイルカは、超音波を受信するだけでなく、逆に頭の中の映像を超音波に変換して発信する事もできるのです。
では、イルカAが、頭の中の映像を超音波に変換し、イルカBに向けて発信したらどうなるでしょう。
受け手のイルカBは、届いた超音波を頭の中で映像に変換できます。
つまり、イルカAは、自分の頭の中の映像を、そのままイルカBに送った事になるのです。
要するに、イルカは生身でテレビのような事ができるわけです。
テレビ局が各家庭に映像を配信するように、イルカは別なイルカに頭の中の映像を配信する事ができるのです。
頭の中の映像を、ソックリそのまま相手の頭の中に送る…。
ちょっと、テレパシーに似てなくはないですか?

クジャクのオスは綺麗なほどモテる……何故?
クジャクと言えば、美しい羽を持つとして有名な鳥です。
その美しい羽を持つのは、全てオス。メスは全体的に茶色っぽい、地味な色合いをしています。
クジャクのオスは、この羽を広げる事でメスを魅了。メスがその羽を「美しい」と思ったら、カップル成立です。
あまりに有名な話ですが、考えてみると生存競争の激しい自然界において、「美しさ」で相手を選ぶのは妙な気がします。
「メスにモテる」動物は、多くが「他のオスより強い」のに、クジャクは戦わずにメスを奪い合うのです。
実は「美しい」には理に適った意味がちゃんとあるのです。
クジャクのメスは、オスの美しさ具合から、オスの健康状態を調べているのです。
美しい羽を持つオスは、それだけ健康です。
生存競争の激しい自然界で生き残るためには、強さも必要ですが、何より健康第一。
そこで、「相手が健康かどうか」を判断するために、メスはオスの「美しさ」を見ているのです。
美しければ美しいほど健康であり、その遺伝子を受け持つ子どもは、その分生き残りやすい、と言うわけです。
「美しさ」で相手を選ぶのは、もちろんクジャクに限ったことではありません。
例えば、セミやカエルは鳴き声の美しさで相手を選びます。
また、雌雄両方が子育てをするような動物は、「美しさ」よりも「収入」を相手選びの目安にします(クジャクのオスは基本子育てをしない)。
雌雄で子育てをするツバメなどは、オスがメスに捕まえた獲物をプレゼントする事でメスを魅了します。
そしてオス同士戦う動物は当然、「強さ」を見ているわけです。
美しさで「健康」を、プレゼントで「収入」を、そしてケンカで「強さ」を見て、メスはオスを選んでいるのです。
そう考えると、ヒトは……?

ネコの目は何故光る?
暗闇の中、ネコの顔に懐中電灯を当てると瞳だけがギラリと光ることが知られています。
実際、ネコの目が光っている写真や映像を見たことがある人も多いでしょう。
何故光るのでしょうか。これにはちゃんとした理由があります。
ネコは本来夜行性です。つまり、夜に行動し昼間は寝ています。
さて、動物は物を見るとき光を使いますが、夜は光が少なく、物が見えにくくなります。
ネコは少ない光でも物がよく見えるように、網膜の奥に「輝板(きばん)」と呼ばれる光を反射する膜を持っています。
目に入ってきた光は、網膜で捉えられますが、通過してしまう光もあります。
輝板は光を反射することで、通り過ぎた光を再び網膜に当て、少ない光を有効活用しているのです。
そしてネコの目が光る理由も、輝板のせい。
ネコの目に光を当てると、輝板が光を反射するため、ギラリと光って見えるのです。
輝板はネコだけでなく、多くの夜行性の動物が持っています。
動物番組などで、夜行性動物の目が一様に光っているのはこのためです。
ちなみに、フクロウやアイアイなどの巨大な目は光りません。
これは、輝板の代わりに目を大きくすることで少ない光を捉えようとしたためです。

蚊柱の正体
梅雨や夏の夕方になると、小さな虫が大量に集まった柱のようなものを見つけることがあります。
いわゆる「蚊柱」です。学術的には、「群飛(スウォーミング)」と呼ばれています。
あそこに集まる虫は、何が目的で集まっているのでしょうか。
まず、蚊柱を作っているのは、主にユスリカと呼ばれる昆虫です(ユスリカ以外にも、カ、ガガンボなどが作る)。
ユスリカは「カ」と付いていますが、カの仲間ではありません。
では何の仲間かと言うと、「ユスリカの仲間」としか言いようがない生物です。
カは「ハエ目・長角亜目・カ科」の生物、ユスリカは「ハエ目・糸角亜目・ユスリカ科」の生物です。
そして蚊柱は、大量のオスと一匹のメスで構成されています。
つまり、交尾のために集まっているわけです。
ただし、交尾できるのはオスの中の一匹だけのようです。
ちなみに、ユスリカはカの仲間ではないので、血を吸うこともありません。
そもそも成虫は口も消化器官も持っていないので、一切物を食べることがありません。
そのため、成虫の寿命は1〜2日。交尾を終えると、すぐに死んでしまいます。
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