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かまぼこの名前の由来とルーツ
驚きの焼き鳥の秘話
ダイダイの面白い性質と名前の由来 インドリンゴの原産地
日本酒は、日本古来の酒なのか? とても酔っぱらったことをなぜ泥酔というか?
お茶の意外な秘話 ラムネのビー玉はどうやっていれる?
ウィンナーとフランクフルトとソーセージってどう違うの? ガンの死亡率を下げる飲み物!
魚を食べると本当に頭がよくなるのか? ビタミンBについてのあれこれ
ご飯とライスはどう違う? イカスミは食べるのに、何故タコスミは食べない?
昆布は海の中にダシが出ないの? チョコレートで虫歯予防!?
ポップコーンは何故はじける? 中華料理と中国料理はどう違う?
カイワレ大根を育てると、あのまま大きくなるのか? ティーパックか、ティーバックか、ティーバッグか?
野菜と果物の区別 飯盒は何故くびれているのか?
ヨーグルトの表面に浮いている液体は何? コーヒー飲んでも眠くなる!
あの噂の食べ合わせの理論 鯛は腐っても食えるのか?
甘い飴、その驚きの語源 その昔、バターは食用ではなかった
フルーツ・ポンチの「ポンチ」とはなに? 安全なキノコの見分け方
大根おろしが辛くなるわけ 続・魚を食べると本当に頭が良くなるのか?
その昔、パンはまな板でもあった 野菜を売る店を何故「八百屋」と呼ぶのか?
子どもの日にかしわ餅を食べるのは何故か? 果物を早期に完熟させる裏技
コーヒーにも中毒がある 関東と関西では、カップメンの味も違うのか?
関東よりも関西の方が味が薄いのは何故? ドーナツに穴が開いているのは何故か?
ビール瓶やドリンク剤の瓶が茶色いのは何故か? モチを焼くと、何故膨らむのか?
ミカンの周りの白い物はなに? ワサビの辛さを調節する方法
ビールは注ぎ足してはいけない! 韓国料理も、昔は辛くなかった
朝食抜きよりバナナ1本 ビールやコーラを振ると、何故泡が出てくるのか?
種無しスイカの作り方 ニンニクはあの臭いが効くと思ったら大間違い

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かまぼこの名前の由来とルーツ
かまぼこは、『蒲鉾』と書きます。ちょっと難しい字です。
かまぼこというと、かまぼこ板の上に乗った、半円の形をした、白やピンクの食べ物を連想します。
しかし、昔は違いました。
昔は、棒や竹に塩味のついた魚のすり身を筒型に塗り付け、きつね色に焼いていました。
現在の竹輪(ちくわ)の様な物です。
その形がガマと言う植物の花のつき方に似ているので、「かまぼこ」となったそうです(「ガマ」は昔、「カマ」と言った)。
ガマは、花穂(かすい)と言って、長い花軸に花が群がって咲きます。
それがちょうど、当時のかまぼこの形とそっくりだった訳です。
かまぼこは室町時代に生まれました(当時の記録には、鯰(なまず)の肉が一番良いと記されています)。
そして時は流れて安土・桃山時代になり、すり身を板につける『板蒲鉾』が出来ました。
この板かまぼこと、今までの串にさしたかまぼことを区別する為に、
今までのかまぼこを、「竹に巻き付けた輪」なので、「竹輪」と呼ぶように変わったのです。
つまり、昔は竹輪を「かまぼこ」と呼んでいた、と言うわけです。

驚きの焼き鳥の秘話
お祭りの屋台など、夏によく見かける「焼き鳥」。
この焼き鳥が生まれたのは意外と最近で、大正時代の終わり頃に生まれました。大正12年(1923年)の事です。
それより前は、鶏肉は、茶碗蒸しに入れられたり、鍋物、煮物、吸い物、炊き込みご飯、そして何と刺し身にまで、幅広く扱われていました(一部今も)。
焼き鳥は、今でこそ庶民の食べ物ですが、実は初めは高級料理の1つで、それが徐々に大衆化して言った、とも言われています。
また、実は日本には元々「ニワトリを食べる」と言う風習がなく、
ニワトリはただ美しい羽色や、鳴き声を楽しむためだけに飼っていました。
もちろん、卵だって食べません。
ニワトリが食用に変わったのは、明治以後で、それまで日本にいなかった白色レグホンや白色コーニッシュ、プリマスロックなど、
食用のニワトリが次々と輸入されました。
白色レグホンは卵を、白色コーニッシュは肉を、プリマスロックは卵と肉を、それぞれ利用します。
そしてそれらは、先ほども述べたように、茶碗蒸しや鍋物などに利用され、牛肉や豚肉よりも、一般庶民に親しまれる事になったのです。

ダイダイの面白い性質と名前の由来
お正月になると飾る、鏡もち。その上にちょこんと乗っているダイダイ。
このダイダイ。なんでこんな名前で、鏡もちの上に乗っているのでしょう?
ダイダイの実は冬になると熟して黄色くなります。
が、そのままにしておくと、また春になって緑色に変わります。
そして、また冬になると、また熟して黄色になる…つまり、1つの実が色変わりするという、不思議な性質を持っています。
それで、「代々色が変わり続ける」と言う意味で、「ダイダイ」となりました。
この名前の由来を聞けば、大体何故鏡もちの上に乗っているかも、なんとなくわかるでしょう。
そう、「代々家が継がれる」とか、「家が絶えることなく続く」とか、永遠の生命とか、様々な事を重ね、
縁起物として、飾られるようになったのです。
しかしこのダイダイ。何回でも色が変わるのか…と思いきや、実はそうではありません。
ダイダイの実の寿命は、たった3年。
3年経つと、枝からポトリ、と落ちてしまいます。
なお、ダイダイは漢方にも取り入れられています。
果実の皮を乾燥させたものを橙皮(とうひ)と言い、
去痰薬(きょたんやく/タンを吐き出しやすくする薬。咳止めにもなる)や健胃薬、そして香り付けに用いられています。
また、未熟果実を乾燥させたものを枳実(きじつ)と言い、橙皮同様、去痰薬や健胃薬に用いられたり、
排膿(化膿を和らげる)や緩下剤(かんげざい/下剤の事。こちらの方が、作用は弱い)としても用いられています。
さらにダイダイは、アメリカでダイエット用の健康食品としても用いられています。
ダイダイの皮には、シネフリンと言う化合物が含まれていています。
これは、生薬などに含まれる、エフェドリンと言う成分とよく似た構造をしていて、自律神経を興奮させるため、ダイエットになるのです。
また、エフェドリンは喘息の治療にも用いられています。
ただ、エフェドリンと言うのは覚せい剤の原料でもある劇薬で、現在副作用の報告も出されています。
お正月、ダイダイの皮を食べてしまうと、大変な事になりますので、お気をつけて。

インドリンゴの原産地
大きくて、甘くて、一昔前は(今も?)高級食品の仲間だったインドリンゴ。このリンゴの原産地はどこでしょう?
「インドリンゴ」と言うぐらいだから、インドかと思いきや…実は、インドではないのです。
では、どこが原産地なのでそゆか?
世界中にインドと言う名前の地名や島はいくつかありますが、そのどれでもなく、アメリカのインディアナ州なのです。
インディアナ州から日本に運ばれて来たリンゴを、日本で品種改良。
そして生まれたのが、現在のインドリンゴなのです。
一時廃れかけたようですが、最近になって、また見られるようになった、との事です。
なお、インドリンゴの元の品種は、インディアナ州のジョン・イングが持ってきました。
そのため、インドリンゴの語源は、
「インディアナのリンゴだからインドリンゴ」と言う説と、
「イングが持って来た種子を改良したリンゴだからイングリンゴ→インドリンゴ」と言う説の2つがあり、
現在のところ、どちらが正しいかはよくわかっていません。

日本酒は日本古来の酒なのか?
日本酒は、「温めた方が美味い」「新しい方が美味い」と言う、世界中のお酒の中でも珍しい特徴を持っています。
ビールは冷えた方が、ワインは古い方がそれぞれ美味しくなりますので、日本酒は特殊なお酒なのです。
さて、この日本酒。これは名前の通り、日本古来の酒なのでしょうか?
実は、「日本古来じゃないんじゃないか?」と言う説の方が、有力になっています。
まず、日本酒はお米から作っています。
しかし、日本では、米が日本にやって来る前から、お酒を作っていたそうです。
それを考えると、日本古来の酒とは言えなくなります。
ちなみに、縄文時代ぐらいの人々のお酒の原料を教えましょう。
その原料は、野ブドウ、スモモ、アンズなどの果物、そしてガマズミ、カジノキなどの木の実、そして芋類でした。
原料から考えると、とても日本酒ではなく、果実酒のようなものだった事が解ります。
また、日本書紀には有名なスノオノミコトの大蛇(おろち)退治の話しが出て来ます。
その退治方法をスサノオノミコトが「衆果(あまたこのみ)をもって酒八かめを酔わせろ(一部要約)」と教えていたと言うのです(衆果とは、色々な果物の事)。
大蛇が酔ったのは、米でつくった日本酒ではなく、果物でつくった果実酒だったのです。
日本には、中国や韓国から、米が伝わってきました。
現在の米で作られる日本酒も、その時一緒に入って来たのではないだろうか、と考えられているのです。
なお、歴史の初めのは、このような果物酒が作られていましたが、
いつ、果物酒から米のお酒に変わったのか、詳しい事は良くわかっていません。
しかし、4世紀頃には、すでに中国や朝鮮から醸造工が日本に来ている事が、記録からわかっています。
少なくとも、4世紀には、既に米の日本酒が作られていた、と言えそうです。

とても酔っぱらうことをなぜ泥酔と言うか?
お酒を飲んで飲んで、ふにゃふにゃになった状態。この状態を泥酔(でいすい)と言います。
たしかにふにゃふにゃになっていると泥のように見えないこともありませんが、
この言葉の由来は、実は中国に伝わる空想上の虫からきています。
この空想上の虫の名前は泥(でい)。
この虫は、南の海に住んでいる骨の無い生物。
水の中では生き生きしていても、水がなくなると、酔っぱらったかのようにフニャフニャになって、泥のように積み重なるのだそうです。
この虫が水を失った時の状態と、ひどく酔った時の状態がそっくりなため、泥酔とよばれるようになったのです。
ちなみに、酔っぱらいをトラということもありますが、これはお酒を『ささ』というところから来たシャレ。
ささ(笹)にはトラ(虎)がつきものだ! という発想から来たようです。

お茶の意外な秘話
お茶、と言うと、何となく日本古来のもののように思われますが、実は日本にお茶がやって来たのは奈良時代のこと。
当時の遣唐使などが中国から持ってかえって来たものがそのルーツなのです。
当時のお茶は、乾燥させた茶の葉を臼で粉にして練り固めた団子状の物で、団茶と呼ばれる物です。
つまり、当時は飲み物と言う感じではなかったとか。
中国南西の山岳地帯を原産とするお茶は、もともとは薬として用いられていました。
しかし、日本にはいってくると、薬としてよりも、修行僧などの目覚しに使う清涼剤(せいりょうざい)としての役割が強くなって行きました。
お茶の中のカフェインが、大脳を刺激し、頭をすっきりさせて、疲労感や倦怠感(けんたいかん)をふきとばしてくれる役割がある為、
清涼剤として使われるようになったのでしょう。
が、日本に入って来た当時は、まだ薬としての価値が重く、平安期を開いた桓武天皇は、茶園を現在で言う厚生省の薬品の役所に管理させています。
現在と同じ、抹茶が入って来たのは鎌倉時代の始めです。
抹茶のおかげで日本の飲茶(ヤムチャ)や茶道が発展しはじめました。

ラムネのビー玉はどうやっていれるの?
ラムネって、食べる方では無く、飲む方です。
あのビンには、知ってのとおりビー玉でふたがしてあります。
それを上から押して、ビー玉を中に落とし、中身を飲みます。
さて、あのビー玉、どう考えても口より小さいのに、どうやってはめ込んでいるのでしょうか?
この答えも単純そのもの。
ラムネのビンの口は、もともとビー玉が入る大きさになっていて、ビー玉をいれてから加熱して口を細くしているのです。
順序立てて説明すると、
1;円筒形のびんの原形を作る。
2;首の部分を加熱して細くしぼる。
3;ビー玉をいれる。
4;口の部分を加熱し、さらに細くしぼる。
5;そのあとラムネをいれると、炭酸の圧力にとりビー玉は上に押し上げられ、ぴっちり口を閉める。
と、なっているのです。

ウィンナーとフランクフルトとソーセージってどう違うの?
ウィンナーとフランクフルトとソーセージ。
全て動物の腸にくず肉を塩漬けしてから、調味料や香辛料を加えたものを詰めたものです。
さて、ではその違いはなんでしょう?
三者の違いは、どの動物の腸を使うか、によって違っています。
羊の腸を使うとウィンナー、豚の腸を使うとフランクフルトと呼ばれます。
ではソーセージは?
ソーセージは、ウィンナー、フランクフルト、そして「ボロニア」と言うものなどを総称して「ソーセージ」と呼ぶのです。
ただ、最近は全て動物の腸を使っているわけではないので、日本農林規格で、製品の太さによって分類されています。
直径20mm未満のものはウィンナー。直径36mm未満だとフランクフルト。それ以上だとボロニア、となるのです。
なお、それぞれの語源は、
ウィンナーはオーストリアのウィーン、フランクフルトはドイツのフランクフルト、ボロニアはイタリアのボローニャ
で、それぞれ作られた事から来ています。
ちなみに、ソーセージには上記3つ以外にもいくつか種類があり、それらと上記3つはサイズではなく製法で区別されています。
参考文献;『'80 JAS制度の解説』/社団法人・日本農林規格協会

ガンの死亡率を下げる飲み物!
ガンは2002年の現在医学では不治の病とされています。
が、しかし、死亡率を下げることは出来るのです。
しかも、その方法とはある飲み物を飲むこと、ただそれだけ。その飲み物は、なんとお酒
だからといって、がぶ飲みしていいわけではありません。
仮にお酒を全く飲まない人のガンの死亡率を1としましょう。
すると、お酒をがぶ飲みする人は3〜4ほどにもなり、大変死亡率があがってしまいます。
では、どうやってお酒を飲めば死亡率が下がるのでしょうか?
その方法は、2日に1杯だけ、杯(さかずき)で飲む、と言う方法。
2日に1杯。しかも、あの小さな杯で、です。
愛飲酒にはちょっときつい条件ではありますが、お酒にそれほど弱くなく、それほど好きでもない方、試してみてはいかがでしょうか?
病気はなった後より、なる前の予防が大事です。
ちなみに、1日1杯ずつ杯で飲んだ場合、死亡率はほとんど変わらないそうです。

魚を食べると本当に頭がよくなるのか?
よく、『サカナを食べると頭が良くなる』なんて言いますが、本当でしょうか?
実は、本当です。
ただし、サカナといっても、普段我々が食べている身の方ではなく、頭。その中でも一番いいのが、目玉。
目玉には「DHA」という物質が入っていて、これが頭をよくするのです(まぁ、一応普段食べてる身の方にも入ってはいるのですが、目玉が一番多いです)。
ちなみに「DHA」とは、「ドコサヘキサエン酸」の略。
なお、詳しい事は「続・魚を食べると本当に頭が良くなるのか?」に載っています。

ビタミンBについてのあれこれ
ビタミンは大量にあります。
その中でビタミンBは、ビタミンBや、Bなど、いろいろあります。
これは何故でしょうか?
明治43年、鈴木梅太郎さんが米糠(こめぬか)からアベリ酸(オリザニン)の抽出に成功しました。
これがビタミンB(B)の世界初の発見です。
その後、何故かビタミンの発見ブームが起こりました。
その際、水溶性で炭水化物の代謝に関係のある物はB群に入れられたため、発見にしたがって番号がつけられていきました。
ところが、のちにそれらの中には人間に必要の無い物があることがわかり、それらは除かれていきました。
その結果、1、2、6、12の4種類になったのです。
12以降にもB群のビタミンは発見されてますが、それらは番号を付けずに、化学名で読んでいます(ナイアシン、パントテン酸など)。
数字が飛ぶのも、このためなのです。

ご飯とライスはどう違う?
日本料理店では、どんなに探しても「ライス」はありません。
同じように、レストラン(洋風料理店)では、どんなに探しても「ご飯」はありません。
ご飯とライスの違いを、「日本料理店に出てくるのがご飯、レストランに出てくるのがライス」と思っている人も多いのではないでしょうか?
両者は全く同じ米から作られます。では、その違いはなんでしょう。
原材料が同じならば、違うのは調理法。
ご飯とライスは、調理法が全く違うのです。
ご飯は、米を適量の水で炊き上げていきます。
その過程で、白くノリ状になった湯(水)は米に吸収され、米がふっくらと炊き上がります。
これを「吹き干し法」と言います。
一方ライスは、途中でノリ状になった湯(水)を一旦捨ててしまい、もう一度新しい水で煮ます。
このため、炊き上がった米は水分が少なく、パラパラ状になります。
これを「湯取り法」といいます。
もちろん、湯取り法の方が、吹き出し法よりも粘り気が無くなります。
ご飯とライスの違いは、ここにあるのです。
でも、現状ではご飯とライスをきちんと区別して調理している飲食店は少ないようで、
皿に盛ってあればライス、茶碗に盛ってあればご飯と言う区別をしているところも多いとの事です。

イカスミは食べるのに、何故タコスミは食べない?
イカのスミ(墨)は、スパゲティなどによく使われます。
でも、タコのスミを使った料理は全く見かけません。
同じ「スミ」には変わり無いのに、どうしてタコのスミは食べないのでしょう?
イカスミとタコスミ、両者は成分的にはそれほど違いはありません。
どちらも主成分はセピオメラニンと呼ばれるメラニンの一種です。
なのにタコスミを食べないのは、単に食べてもおいしくないからなのです。
イカスミのうま味のもとはアミノ酸。
イカスミにはアミノ酸が大量に含まれており、タコスミには少量しか含まれていません
(ちなみに、タコスミに含まれているアミノ酸の量は、イカスミの約30分の1)。
それと、イカスミには粘液に富んでいますが、タコスミには粘液が無く、料理に絡ませにくいのです。
以上、2つの理由により、タコスミを食べる事が無いのです。

昆布は海の中にダシが出ないの?
もちろん、昆布のダシが海に出るなんて事、ありません。
しかし、いったい何故出ないのでしょうか?
また、海の中にダシが出ないのに、水の中ならダシが出るのも、何故なのでしょうか。
これは、昆布のダシの成分が、影響しています。
昆布のダシの成分となっているのは、グルタミン酸というアミノ酸の一種。
これは、昆布が生きていく上で重要な役割を果たしています。
これが無くては昆布は死んでしまいます。人間で言う、心臓のようなものです(働きは全然違いますが)。
したがって、海の中にいる時はグルタミン酸が外に出ないようになっているので、海の中ではダシがとれません。
「じゃぁ、昆布が死んだらダシが出るの?」
と思いきや、そうでもないようです。
昆布が死んでしまうと、グルタミン酸はバクテリアによって分解され、小さな物質になり、やがてなくなってしまいます。
つまり、ダシの味はしません。
昆布からダシをとるためには、そのバクテリアが死んでいなくてはなりません。
そのために、海から採った昆布を天日で乾燥させるのです。
するとバクテリアは死んでしまうと同時に、グルタミン酸は遊離グルタミン酸となります。
そうなると、それまで塊になっていたものが一つ一つに分離し、水中に溶け出すようになるのです。
ですので、同じ水の中でも、生きているコンブや、天日干ししていないコンブだと、ダシは出ません。
ダシを出すためには、一工夫が必要、と言うわけです。

チョコレートで虫歯予防!?
と言うのはさすがにオーバーですが、チョコレートで虫歯になる、と言うのは実は嘘なのです。
甘いから虫歯になりやすい、と思っている人も多いでしょう。
事実、ほんの数年前までは本当にそうだと思われていました。
しかし、最近の研究で、カカオ成分は口の中の虫歯菌(ソブリナス菌)の繁殖をおさえる効果があることが判明したのです。
とは言っても、これはカカオ成分の話。
市販の糖分たっぷりのチョコレートでは、この効果はそんなに期待できません。
むしろ、糖分のせいで虫歯菌が繁殖する恐れすらあります。
虫歯予防を期待するのなら、糖分の入っていない、自分で作るタイプのココアなどを飲みましょう。

ポップコーンは何故はじける?
パーティーなどでおなじみのお菓子、ポップコーン。
知っての通り、ポップコーンはトウモロコシの実を煎って作るのですが、この際、はじけますよね?
さて、いったい何故はじけるのでしょうか?
ポップコーンに使われているトウモロコシの名前は「ポップコーン(ハゼトウモロコシ)」と呼ばれています。
この「ポップコーン」の内部には、水(水分)があります。
煎る事によって、中の水分が熱せられ、気化。
水は気化すると体積が何倍にも膨れ上がるため、ポップコーンの実の皮が耐え切れず、破裂するのです。
この破裂する際にはあまりの勢いでポップコーンが裏返しになります。
その裏返る勢いで、ポップコーンは激しくはじけ、外と中が入れ替わって、あのような白い食べ物に変身するのです。
ちなみに、トウモロコシには5つほどの品種があり、その中でポップコーンになるもの…つまり、綺麗に弾ける物は「ポップコーン」だけだそうです。

中華料理と中国料理はどう違う?
店によって、「中華料理」と言う看板をあげている場合と「中国料理」とあげている場合があります。
さて、両者はどうちがうのでしょうか?
専門家に聞くと、意外なことに違いはないとの事。
中国料理には北京(ペキン)、上海(シャンハイ)、広東(カントン)、四川(シセン)の違いはあっても、中華と中国の違いはないのです。
では一体何故中華料理と中国料理と使い分けられるようになったのでしょうか?
色々な説がありますが、そのうちの1つに「高級感」があります。
すなわち、「中華料理」の方が「中国料理」よりも若干、高級らしく聞こえる、と言う事です。
その証拠に、有名なホテルや大きな店はだいたい中華料理と銘打っていますし、
メン類や飯類、ギョウザを中心とする街の料理店は圧倒的に中国料理が多くなっています。
他には、「中華料理」は「日本人向けに味付けや調理法が工夫された物」で、「中国料理」は「中国本来の物」、とする説もあります。
また、「中華料理」と「中国料理」を総称して「中国菜(ちゅうごくさい)」と呼ぶ事もあります。
「中華料理」「中国料理」に本来違いは無いので、あまり細かい事を気にせずに、純粋に料理を楽しんでください…。

カイワレ大根を育てると、あのまま大きくなるのか?
和食から洋食まで、カイワレ大根は、いまや欠かせない緑の野菜の一つ。
種から発芽し、10cmくらいに育ったら摘み取って食べますが、もしも食べずに、そのまま育てたらどうなるのでしょうか?
まさか、あのひょろ長いまま、大きくなるのでしょうか?
もちろん、そんなことはありません。
カイワレ大根の種を畑にまいて水や肥料をちゃんとやれば、立派な大根に成長します。
カイワレ大根の正式名称は「大阪四十日(おおさかよつか)」といいます。
この大根の種が目を出し、双葉になったところで食べる習慣は江戸時代からあったといいます。
が、これが一気に大衆化したのは1980年代に入ってから。
静岡の海洋牧場という会社が、工場で大量生産できるシステムを開発してからです。
ちなみに、カイワレ大根は双葉の状態で食べるため、種が一切出来ません。
しかし、その代わり、「種作り用」として、大量のカイワレ大根が栽培されています。

ティーパックか、ティーバックか、ティーバッグか?
紅茶などを作るとき使う袋。
お湯にその袋を入れると、簡単に紅茶などが出来るのですが…この袋、なんて言う名前なんでしょうか?
ティーパック? ティーバック? ティーバッグ? ティーパッグ?
いろいろと考え付きますが、いったいどれでしょうか?
これは、英語で書けば簡単にわかります。
英語で書くと【tea bag】お茶の袋です。
このbagという英単語の発音は、片仮名で書けば『バッグ』。
ですので、正解は『ティーバッグ』というわけです。

野菜と果物の区別
普段料理として出てくる植物は野菜、デザートやおやつとして出てくる植物は果物、とだいたい分類されています。
両者は、植物学的考察をすると、
「一年生植物(1年で枯れてしまう植物)に実るのが野菜、多年性の木本(何年も生き続ける木)に実るのが果物」
となります。
しかし、この定義に当てはめて考えると、イチゴやスイカ、メロンは全て野菜になってしまうのです。
と、一応決められてはいるものの、場所によって、その定義は様々。
全国農業協同組合連合会では、「実だけを食べるのが果物、植物の色々なところを食べるのが野菜」とされています。
他にも、「木か草の実で、汁が多く、甘い食べ物が果物で、食べられる草を野菜」と言う定義もあります。
とにかく、野菜と果物の境界線はとても微妙で、物によって定義がだいぶ違う、と言う事。
曖昧な物は「なんとなく」で決めるしかないのかも知れません。
ちなみに、「果物」の語源は「木(く)の物」。
これを考えると、やはり「果物」は「木になる物」とするべきかも知れません。

飯盒は何故くびれているのか?
キャンプなどでご飯を炊くときに使われる飯盒(はんごう)。
誰もが一度は目にしたでしょう。
あの飯盒、何故か奇妙な形にくびれています。
これは何故でしょうか?
飯盒は、もともとは野戦用の炊事用具として発明された物で、一つの飯盒で炊けるご飯は精々2、3人分。
ですから、3、4個の飯盒を同時に使うのが普通です。
炊き上がったご飯を食事の場所に運ぶとき、飯盒の曲面をピッタリ重ねてまとめてもつと、グラグラしなくて、楽にたくさんの飯盒を持ち運べるのです。
このような、実用的な利点を考慮して、あのような形になっているのです。

ヨーグルトの表面に浮いている液体は何?
時たま、ヨーグルトの上に黄色い水のようなものが浮いていることがあります。
それを見て、ヨーグルトが変質したのでは? と思う人もいるかもしれません。
あれは、ホエイ(ホエー、乳清とも)と呼ばれるもので、発酵が進んだり、輸送中の振動などによって生じます。
ホエイはヨーグルトが悪くなったために出来るものではなく、食べても何の問題もありません。
ホエイの特徴は、タンパク質やミネラル、ビタミンなどの栄養価が高く、脂質とても少ない事です。
そのため、生クリームの代わりに料理として使用すると、カロリーを大幅に抑えられるので、ダイエット効果が期待できます。
もちろん、ヨーグルトの上に浮かぶホエイだけでは量が少なすぎますが、
実はホエイは、チーズを作る際、副産物として大量に作られるのです。
通常、このホエイは大半が廃棄されていますが、現在「優れた食品」と言う認識が高まっているので、そのうちお店で売られるかもしれません。
仮にそうなった場合、副産物として作られるので、値段は非常に安くなります。
イタリアなどでは、ホエイからさらにチーズを作ることもあり、このチーズは「ホエーチーズ」と呼ばれています。
「リコッタ」と言うチーズが、この「ホエーチーズ」に属しています。
北海道でも、このホエイを食用ブタに与え、「ホエー豚」として飼育しています。
こうすると、豚が健康になり、肉の旨味も増すと言われています。
また、このホエイには保湿効果などもあり、肌に塗ると、肌の老化を防いでくれます。
ただし、肌に塗る際は、一旦腕など目立たないところにつけ、アレルギー症状が出ないかどうか確かめてください。
塗る方法としては、スプーンの裏側(凸面)に付けて塗ると良いそうです。

コーヒー飲んでも眠くなる!
よく、「コーヒーには眠気をなくす作用がある」といいます。
しかし、これは真っ赤な嘘なのです。
コーヒーを飲むと、眠気が消える、と言うのは、コーヒーの中に「カフェイン」と言う覚醒作用(眠気をなくす作用)のある成分が入っているからです。
が、コーヒー豆100g中のカフェインの量は、1.3%。抽出液(コーヒーと呼ばれる液体)ではたったの0.04%しかありません。
つまり、コーヒーに覚醒作用はほとんど期待出来ないのです。
ちなみに、カフェインが多く入っている飲み物は、抹茶や番茶です。
抹茶の100g中のカフェイン量は3.2%、番茶は2.0%入っています。
そして、もう一つの眠気をなくすといわれる紅茶は、紅茶の葉っぱには100g中2.7%ほどカフェインが入ってますが、
浸出液(紅茶と呼ばれる液体)ではたった0.05%しかありません。
ちなみに、この「カフェイン」とは、「覚醒作用がある」と言われるぐらいですから、あの猛毒の「覚醒剤」の仲間です。
ですので、あまり飲みすぎると危険です。
下手をすると、死亡してしまう恐れもあります。
とは言っても、コーヒー飲んで死のうと思った場合は、バケツ3杯ほど飲まなくてはなりませんが……。
ただ、「コーヒー中毒」になるのは、それほど難しくないので、ご注意を。

あの噂の食べ合わせの理論
「魚と漬物は食べ合わせ食品により、同時に食べてはいけない」
これは、昔からよく言われることです(ただ、うなぎと梅干しについては、反発意見も出ていますが…)。
さて、これは何故でしょうか?
魚と漬物を同時に食べると、魚の二級アミン(第二級アミン、とも)と漬物の亜硝酸が、体の中でニトロソアミンに変わります。
このニトロソアミンは、DNAに異常を起こし、ガンを発生させる物質。つまり、発ガン性物質です。
大量に食べると、ガンになる、と言う事です。
ただ、渋いお茶を飲めば、お茶の中のカテキンと言う成分がニトロソアミンをやっつけてくれるので、大した心配はいりません。
お茶は体にいいのです。
お茶に付いてもう少し知りたい方は、こちら

鯛は腐っても食えるのか?
「腐っても鯛(タイ)」ということわざがあります。
これは「本来上等なものは、たとえ腐ってもその品格を失わない」という意味ですが、果たして腐った鯛を食べることは出来るのでしょうか?
結論から先に言ってしまうと、いくら鯛とはいっても、腐ってしまったら食べない方がいいのです。
でも、鯛は実は、腐りにくい食べ物なのです。
鯛の身の中にある脂肪には、変質したりして腐るような物質が少なく、時間が経ってもなかなか腐らないのです。
その為、昔は「鯛は腐らない」などとも言われていたようです。
もう一度言いますが、鯛は腐りにくいだけで腐ります。
何ヶ月も経ったような鯛は、食べないように。お腹を壊します。

甘い飴、その驚きの語源
戦前から子供たちに親しまわれている飴(アメ)。
この飴の語源をご存知でしょうか?
「そのまんま『甘い』が語源なんだよ」
と一発ギャグをかます方。
実は、それが正解なんです。
「甘い」→「あめえ」→「飴」と変化していった言葉で、なんと「甘い」が語源となっているのです。
よく「この飴あめえ」なんてシャレ言ってる人がいますが、それは当たり前。なにしろ、語源が「甘い」なのですから。
ちなみに、アメンボが「アメ」ンボと言うのは、飴のように甘い匂いを出すからです。
…もっとも、どんな匂いなのか、よく知りませんが。

その昔、バターは食用ではなかった
現在トーストやホットケーキでお馴染みのバター(まぁ、中にはバターではなくマーガリンのお宅もあるでしょうけど)。
このバターはもともと、遊牧民の間の食品でした。
これがヨーロッパに伝わったのは、紀元前5世紀ごろらしいですが、
イタリアのローマ人はバターを野蛮人の食べ物だと言って嫌い、長い間食べようとはしませんでした。
それでは何に使っていたのかと言うと、有名なローマ風呂などで使う、塗り薬として使っていたらしいのです。
赤ん坊や幼児などの体を柔軟にすると言って、盛んに使われていたようです。
古代ローマの博物学者プリニウスは、ハチミツを混ぜたバターを歯に擦り付ければ、歯痛に効くと言って、使用をすすめています。
ちなみに、プリニウス(ガイウス・プリニウス・セクンドゥス)は、西暦23年から79年の人です。
バターがフランスで食べられるようになったのは6世紀ごろからで、ベルギーでは12世紀、ノルウェーでは13世紀になってから、やっと盛んに食べられるようになりました。
もっともポルトガル人は紀元前60年ごろから、ガリア人は紀元前200年ごろから、主に食用にしはじめたとも言われますので、ヨーロッパの中でも、すすんで食用にした地域もあったのでしょう。
このようにバターがヨーロッパ全体に普及したのは意外に新しく、バター作りの機械が導入されて工場生産されるようになったのは、19世紀末になってからのことなのです。
ちなみに、油脂(バターや油)を使うことが中心になっているヨーロッパ料理の中にありながら、
イタリア料理だけは油脂の中でもバターをあまり使わず、オリーブ油を使うのも、この歴史的背景からではないかと思われています。

フルーツ・ポンチの「ポンチ」とはなに?
色とりどりの果物を盛り合わせたフルーツ・ポンチ。
このフルーツ・ポンチと言う単語。
「フルーツ」はわかりますが「ポンチ」ってなんでしょう?
この「ポンチ」とは、元々は「パンチ」と言う飲み物から来ています。
「パンチ」はヒンズー語で「5」と言う意味があります。
「パンチ」はインドで作られたカクテルの名前で、5種類の材料を混ぜ合わせたところからつけられたものです。
5つの材料とは、一般には水・砂糖・酒・レモンジュース・スパイスとなっています。
このカクテルの名にフルーツを冠して「フルーツ・パンチ」となり、それが変化して「フルーツ・ポンチ」となりました。
パンチ風の甘い飲み物にフルーツをたくさん入れたもの、といった程度の意味です。
いまはシロップですけど、本来は水・砂糖・酒・レモンジュース・スパイスを使用するべきなのかもしれません。

安全なキノコの見分け方
キノコには、毒を持つ種類がたくさんあります。
それで、安全なキノコと毒を持つキノコの見分け方として
1;タテにさけるキノコ
2;色が地味で香りの良いキノコ
3;虫が食べているキノコ
は安全だと言われています。
が、しかし、これら3つは全て俗説で間違いなのです。
では、どのようなキノコが安全かと言いますと、
・茎にツボとカサの無いキノコ。
これも100%とは言い切れませんが、ほとんどの場合、ツボとカサがあると毒キノコです。
しかし、現在のところ、毒キノコを外見で判断する確実な方法は、まだ見つかっていません。
それが毒かどうかは、あくまで、食べてみるまでわからないのです。
もし誤って毒キノコを食べてしまった場合には、すぐに吐き出させ、急いで医者に行く事です。
この際、もしあれば、食べたのと同じキノコを持って行ってください。
これは、どんな毒にやられ、どんな対処をすればいいのか、医者にすぐにわかってもらうためです。
キノコ狩りをする際、一番いいのは、プロを連れて行く事。次にいいのが、図鑑を持って行く事です。
絶対に、素人判断でキノコを食べないようにしてください。

大根おろしが辛くなるわけ
おでんなどによく登場する大根。
おでんの時には辛くないのに、焼き魚と一緒に大根おろしとして出てくると、辛くなっている場合があります。
さて、いったい何故摩り下ろしただけでこんなに味が変わってしまうのでしょうか?
大根は、乱暴におろすと細胞が壊れ、汁が分離します。
この時ミロシナーゼと言う酵素が発生し、大根を辛くしてしまうのです。
そのため、乱暴に…つまり急いでおろすと辛くなってしまうのです。
もちろん、上手にやれば、全く辛くはなりません。
もし大根おろしが辛くなければ、それを作った人は、おそらく料理上手でしょう。
まぁ、これだけで料理上手と決め付けられるかどうかは、意見の別れるところですが…。

続・魚を食べると本当に頭が良くなるのか?
だいぶ前に載せた「魚を食べると本当に頭が良くなるのか?」。
新事実が発覚したので、追記をいたします。
さて、以前説明した通り、本当に頭は良くなります。
しかし、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、不飽和脂肪酸なので、あまり大量にとりすぎると脂肪のとりすぎと同じような状態になります。
そしてそれが脳にこびりついてしまい、逆にバカになります。
また、あまり取りすぎると、今度は体内で酸化し、ガンの原因にもなってしまいます。
そして、DHAとは、脳の伝達スピードや、働きを活発にするものなので、厳密に言えば「頭が良くなる」ではなく「脳が活発化する」物なのです。
ちなみに、DHAを化学的に説明すると、「6個の二重結合からなる不飽和脂肪酸」だそうです。

その昔、パンはまな板でもあった
パンと言えば、ほとんどの人は食べ物のパンを思うことでしょう。
今日、パンは食べ物としてのみ存在しています。
しかし、昔のヨーロッパではそうではありませんでした。
パンはヨーロッパ人にとっては重要な食べ物ではありましたが、単に食用としてだけではなく、まな板としても使われていました。
パンを板状に焼き、それをまな板として用いたのです。
料理が終わったら、そのパンは捨てずに食べました。
また、まな板だけではなく、皿や、薄く焼いてナプキンの代わりまで果たしていたのです。
昔のパンは、かなり硬かったため、このような用法が出来たのです。
ちなみに、皿にはなんとスープをうけて食べていたのです。
しかし、フライパンとして用いられなかったのは、ちょっと残念?

野菜を売る店を何故「八百屋」と呼ぶのか?
昔は一歩外へ出ればいろんなところにあった八百屋さん。
他愛もない世間話をしながら買い物をしたり、子供だけで行くと少しまけてくれたりと、なかなか趣のあった八百屋も、最近はあまり見なくなりました(まぁ、あるところに行けばまだ結構残ってるけど…それでもやっぱりスーパーの方が多い)。
さて、この八百屋。もちろん野菜を売っているお店で、「やおや」と呼びます。
しかし、なぜ「八百屋」と呼ぶのでしょうか?
「八百屋」と呼ぶようになったのは江戸時代から。
それ以前は「青物屋(あおものや)」と呼んでいました。
菜っ葉のことを宮中の官女達は「青物」と呼んでいたからです(今も呼んでいますが…)。
そこから野菜のことを「青物」と言うようになり、江戸時代になると野菜を売る店のことを「青物屋」と呼ぶようになったのです。
この「青物屋」が略されて「青屋(あおや)」と呼ばれるようになり、その「アオヤ」が転じて「ヤオヤ」となったのです。
「八百屋」と言う漢字は、扱う賞品の種類が多いことから、この字が当てられたのです。
ちなみに、江戸時代には八百屋は「八百物屋(やおものや)」、「八百屋店(やおやみせ、やおやだな)」とも呼ばれており、八百屋で扱う品物のことを「八百屋物」と呼んでいました。

子どもの日にかしわ餅を食べるのは何故か?
5月5日の子どもの日(端午の節句)には、かしわ餅を食べます。
日本のならわしにはたいていなんらかの"願い"が込められており、当然このかしわ餅を食べる行為にもある願いが込められています。
それは、柏(かしわ/ブナ科の落葉高木)の特性を知れば、おのずとわかってきます。
柏と言うのは、古い葉が落ちると、すぐにその元古い葉がついていたところから新しい葉が生えてきます。
昔の人にはそれが、「古い葉が新しい葉にその場を託す(継がす)」と言ったように見えたのでしょう。
その様子と掛け合わせ、子どもの日にはかしわ餅を子どもに食べさせ、「子どもに家を継がせたい」と言う願いを込めたのです。
そういった風習が、今でも残っているわけです。

果物を早期に完熟させる裏技
多くの果物は、完熟後食べます(柿みたいに例外もある)。
さて、まだ熟していない果物を早く熟させる裏技があります。
それは、既に熟している果物を一緒に置いておくこと。
果物は木からもぎ取られてもまだ生きています。
つまり、呼吸をしています。
そして、熟した果物からは「エチレン」と言う気体が発生されています。
エチレンには、果実の熟成を促進…つまり、自分や、他の果実を熟させる働きがあるのです。
そう、熟していない果物がこのエチレンを吸い込み、そして熟していくのです。
これは異なった果物同士でも同じで、熟したリンゴと未熟のバナナを置いても、バナナは早期に熟します。
また、正常なミカンの側に腐ったミカンを置いておくと、正常なミカンが早期に腐ることもあります。
それは、腐ったミカンから発生するエチレンが正常なミカンの呼吸を増加させて熟させ、その結果、蒸れてカビなどがつきやすくなるからなのです。
バナナは少し腐りかけの方が美味しいといいますから、正常なバナナと腐ったミカンを一緒に置いておけば、美味しいバナナがすぐに食べられるかもしれません。
なお、リンゴの場合、さかさまにしておくと(ヘタを下にして置くと)、このエチレンがより多く出る事がわかっています。
ちなみにこのエチレンは、石油化学工業に使用されており、ポリエチレンや塩化ビニル、酢酸などを作るときに利用されています。

コーヒーにも中毒がある
コーヒーには知っての通り、カフェインが含まれています。
しかし、コーヒーにはカフェインと一緒にタンニンが含まれています。
これは、コーヒーを飲みすぎると、止めようと思っても止められなくなる中毒状態を引き起こすものです。
アメリカでは、1960年代からコーヒーと心臓病、動脈硬化との関連が問題になり始めました。
コーヒーを1日に5杯以上飲む人に、心筋梗塞や狭心症の発生が目立つからです。
調査を始めた結果、心筋梗塞患者のうち、コーヒーを全然飲まない人が17.4%、1日に1〜5杯飲む人が48.1%ということがわかりました。
また、同じくアメリカの医科大学で、
「1日に3杯以上のコーヒーを飲んでいる男女に、コーヒーを飲むのを禁止させる」
と言う実験が行われました。
そして、カフェイン入りの錠剤を与えたグループと、そうでないグループとに分けてみると、
カフェインを与えられなかったグループの人達の半分が頭痛を訴え、さらには疲労感や無気力感を感じる人まで出たそうです。
それまでたくさん摂取していたカフェインが急になくなると、体に変調をきたすことが証明されたのです。
これはタバコと同じ症状。
やはり、コーヒーにも中毒はあるようです。

関東と関西では、カップメンの味も違うのか?
関西は関東に比べて味が薄い事は有名です。
では、カップメンの味まで違うのでしょうか?
実は、違うのです。
関西と関東を食べ比べると、やはり関西地方のカップメンの方が味が薄いんだそうです。
その他のインスタント食品もどうように、関東と関西では味付けがやはり違い、関西の方が味が薄くなっているのだそうです。
「コンビニなどの弁当の味が濃くて食べれん!!」
と言う方は、関西に行くといいかもしれません。

関東よりも関西の方が味が薄いのは何故?
関東よりも、関西の方が味が薄いと言うのは有名な話です。
個人的な感想ですが、本当に薄いです。関西。
では、何故こうも違うのでしょうか?
その理由ははるか昔までさかのぼります。
いまでは東京が大都市と言われてますが、徳川家康が1600年に江戸幕府を開くまでは、当時の首都、京都から遠くはなれた田舎だったのです。
そのため、いまの東京に住んでいた人々は、ほとんど農民ですから、みんな連日重労働に励んでいました。
「関東武士」などと呼ばれた人達も、みんな普段は農業に従事していたらしいのです。
毎日肉体労働に従事していれば、当然食事も塩分の多いものが好かれてきます(おそらく汗で塩分が抜けるから)。
この名残が、いまでも残っている、というわけです。
一方、関西ですが、関西は当時、一大消費の街であり、貴族たちの街でした。
当然、激しい労働はなく、知的階級が文化をリードしましたので、塩分も少しだけでよかったのです。
そんなわけで、薄味が好まれ、その時の名残が今でも残っているのです。

ドーナツに穴が開いているのは何故か?
穴の開いたお菓子…と言えば、もちろんドーナツ。
発音上は「ドーナッツ」と言う人もいますが、書くときは「ドーナツ」です。
さて、これには穴が開いていますが、何故わざわざ開けてあるのでしょうか?
早い話が、あれはドーナツを早く揚げるための工夫なのです。
あのように穴が開いていると、ドーナツの表面積が増え、揚げあがるのも早くなるのです。
ちなみに、ドーナツの穴にはこんな秘話が。
ドーナツは当初、穴が開いていませんでした。
ドーナツに初めて穴が開いたのは、19世紀中ごろ。
ドーナツがアメリカに伝わり、このドーナツに最初に穴を開けたのはふと思いついた軍人さんだそうです。
ところが、ほぼ同時期にペンシグァニアにすむドイツ人が、ドーナツに穴を開けることを思いついたのです。
そして「わたしがドーナツの穴の元祖だ」と争いを始めたそうです。
しかし、穴の開いたドーナツが世界に広がると、ドーナツの穴の元祖争いは意味を失い、次第に収まったそうです。

ビール瓶やドリンク剤の瓶が茶色いのは何故か?
ビールやドリンク剤に共通しているのが、瓶の色が茶色、と言うことです。
いったい、何故茶色い瓶が使用されているのでしょうか?
実は、これには科学的根拠があるのです。
瓶を茶色くすることによって、紫外線をシャットアウトすることができるのです。
紫外線はビールやドリンク剤の成分に色々な影響を及ぼします。
それを防ぐには、あの茶色が一番都合がよいのです。
品質検査でも、瓶が茶色だと都合がいいことがあります。
下や横から光を当てると、透明な瓶なら大変見にくいものでも、茶色だと不純物やビール瓶のヒビなどがよくわかるのです。
また、他にはこんな理由もあります。
一般的にドリンク剤やビールは黄色なために、透明の瓶を使うと見た目にもよくないのです。
茶色の瓶なら、中身の黄色と瓶の茶色が重なり、綺麗な色になりイメージアップにもなるのでした。
ちなみに、ペットボトルでも似たような工夫は見られます。
ペットボトルに巻いてあるラベルは、もちろん商品名を見せつけるためでもあるのですが、こういった日光を遮ると言う2つの効果を期待しているものなのです(ただし、後者は全体を覆っているラベルに限る)。

モチを焼くと、何故膨らむのか?
このナゾを解決しようとすると、どうしても科学っぽくなってしまいますが…。
まず、お餅の中には大量の水分が含まれています。
もちろん、はっきりと「水」として入っているわけではありませんので、人間の感覚ではほとんどわかりません。
お餅を焼くと、この水分が気化、つまり水蒸気になります。
水は水蒸気になるとき、その体積(大きさ)が何百倍にも膨らみます。
そのため、お餅の中に収まりきらず、外へ飛び出そうとして、ああなるわけです。
ですので、よくついたモチほど、よく水分が入り込み、よく膨らむ、と言われています。
機械化された当初は、いくら焼いても全然膨らまずあまり美味しくなかったそうですが、最近は機械も改良され、よく膨らむようになったとか。
それでも、やはりプロがついたお餅には劣るとの事です。

ミカンの周りの白い物はなに?
ミカンやオレンジの、黄色(オレンジ色)の皮を向くと、中に食べる部分とその周りの白い糸のようなものがあります。
この白い物、何のためにあるのでしょう?
実は、あれがなければミカンは死んでしまいます。
あれは「維管束(いかんそく)」と言うもので、「木部(もくぶ)」と、「師部(しぶ)」からできています。
では、木部と師部とはなんでしょう?
まず木部。これは早い話が、水の通り道です(正しくは「水分」の通り道)。
木質部ともいい、導管、仮導管、木部柔組織、木部繊維などの集合した物(組織)です。
師部とは、早い話が栄養分の通り道。
萼皮部(じんぴぶ)ともいい、師管、伴細胞、師部繊維、師部柔組織が集合した物(組織)です。
つまり、早い話が、あの白いのは維管束といい、その中を栄養分や水分が流れている…というわけです。

ワサビの辛さを調節する方法
お刺身やお寿司などのとき、しょう油に混ぜて使われることの多いワサビ。
このワサビ、ツンとくる辛さがウリですが、実はこれ、下ろし方によって微妙に調整することができるのです。
ワサビのあのツンとくる辛さの元は、ワサビの中の成分、アリルイソチオシアネートです。
この成分が、酸素と結びつくことにより、あのツンとくる辛さが出てくるのです。
そしてこの酵素は、ワサビの細胞の中に入っています。
そのため、すり下ろすとワサビの細胞が破壊され、成分が外に出て、辛くなっていくわけです。
逆に言えば、この細胞をたくさん破壊すれば、よりツンと辛くなるわけです。
つまり、ワサビの辛さを調整するためには、すり下ろすスピードを変えればいいのです。
速くすり下ろせば辛くなり、ゆっくりなら辛くなくなります。
もっと辛くしたい方は、目の細かい下ろし金で下ろせば、より辛くなります。
ちなみに、ワサビの保存方法は、濡れた新聞誌で包み、冷蔵庫に入れておくと1週間ぐらいはもつようです。

ビールは注ぎ足してはいけない!
バーなどですと、ビールを少し飲むとすぐに注ぎ足され…と言うことがあるようです(行った事はありませんが)。
しかし、本当にビールを美味しく飲みたいのならば、これは絶対にやってはいけない飲み方。
何故ならば、この方法だとビールの泡がすぐに壊れてしまうからです。
ビールの泡と言うのは、伊達に浮かんでいるわけではなく、
ビール本体から炭酸ガスが逃げ出すのを防いだり、ビールが酸化したりするのを防いだりする働きがあるのです。
しかし、このように何度も注ぎ足すと、上からやってきたビールのせいで、泡が崩壊。
ビールからはジャンジャン炭酸ガスが逃げ出し、オマケに酸化。
とことんまずいビールが出来上がります(炭酸が抜けたコーラがまずいことを思い出していただければ、未成年の方でもわかると思います)。
ですので、逆に言えば上手く泡を出すことが出来れば、美味いビールを作れるのです。
その方法とは、
まず、ボトルを静かに傾け、あまり泡が出ないように、グラスにビールを注ぎます。
そして半分ぐらい入れたら、少し泡が落ち着くのを待ちます。
その後、泡が落ち着いたら、一気に注ぎ、思いっきり泡立たせます。
これが、正しいビールの注ぎ方。
また、ビールを注ぐ専用の機械だと、まず先に液体をグラスに注ぎ、その後で泡だけを注ぐ、と言う裏技を使っています。
こうすることで、泡と液体の量を完璧に調節する事ができ、最高においしいビールを作り出すことが出来るんだそうです。
ちなみに、ビールの本場ドイツでは、「ビールをつぎ足す娘はお嫁に行けない」なんて言葉もあるんだそうです。

韓国料理も、昔は辛くなかった
「韓国料理」と言うと、唐辛子をふんだんに使い、いかにも「辛い!」と言うイメージが漂います。
ところが、韓国の料理に唐辛子が使われるようになったのは意外に最近で、18世紀前半頃の事。
それも辛さを求めるわけではなく、変質を防止したり、臭みを除くのが目的でした。
キムチにしても、かつては唐辛子などいれず、コショウ、サンショウ、ニンニクなどで味付けするのが一般的でした。
そこに、品質保持のために唐辛子が入れられるようになったのです。
そして19世紀に入ってようやく、普通の料理にも唐辛子を使うようになり、いまのような辛い料理が生み出されて行ったのです。
しかし、コショウ、サンショウ、ニンニクが入っていれば、それだけで十分辛い?

朝食抜きよりバナナ1本
朝食を取る事は、1日の活動にとってとても重要な事です。
しかし、時間に追われる現代人は、夜更かし・寝坊をして朝食抜きになる事が多いようです。
そんな時、何も食べないのならばせめてバナナを食べましょう。
実は、朝食にバナナというのはとてもいいのです。
人間のエネルギー源は糖分で、さらに脳細胞のエネルギーとなるのはブドウ糖のみ。
バナナには、このブドウ糖が豊富に含まれているのです。
また、ブドウ糖は吸収されやすい(エネルギーに速く変わる)ので、食べたらすぐに頭の回転が高まる、
つまり朝に食べれば仕事の時間は絶好調になっているのです。
更に、バナナにはショ糖やデンプンも豊富に含まれています。
この2つの成分には、ブドウ糖も含まれているため、この2つも分解されれば立派に脳のエネルギーとして活用されます。
しかし、この2つをブドウ糖まで分解するには、若干時間が掛かります。
ですが、この場合にはこれがプラスに働きます。
エネルギーに変わるのに時間が掛かるおかげで、ブドウ糖がある程度エネルギーに変わったところで、ショ糖やデンプンがエネルギーに活用され始めるのです。
そのため、エネルギーが長時間活用される事になるので、昼食までは十分働けるのです。
ただし、この糖分の多さが糖尿病などの病気の原因となりかねないので、あまり多く食べ過ぎないようにしましょう。
やはり、一番良いのは朝キチンと起きて、朝食を食べる事です。

ビールやコーラを振ると、何故泡が出てくるのか?
コーラなどの炭酸飲料を思いっきり振って、遊んだことのある人はいるでしょう。
思いっきり振ってから、フタを開けると、大量の泡が吹き出します。
これは一体、何故でしょう?
炭酸飲料には、その名の通り炭酸(炭酸ガス。いわゆる二酸化炭素)が大量に含まれています。
ただし、普通に吹き込んだだけでは、中に大量に含む事は不可能。
工場では、圧力をかけることによって大量の炭酸ガスを吹き込んでいます
(ただし、ビールは発酵過程で発生する二酸化炭素を逃がさないようにしているだけです。アメリカでは吹き込むらしいですが)。
しかし、圧力をかけられて溶け込まされた炭酸ガスは、無理矢理液体の中に押し込められたも当然。
いつでも、外に出たがっています。
この状態は、実はとても不安定な状態なのです。
炭酸飲料をそっと置いてある分には、何の衝撃も無いので、炭酸ガスはとりあえず中に収まっています。
しかし、ひとたび衝撃を受けると(この場合、振られると)、不安定な状態だった炭酸ガスが勢いよく外へ飛び出そうとします。
このため、泡が吹き上がってしまうのです。
また、しばらく待つと泡が無くなるのは、1気圧でも(つまり圧力をかけなくても)安定できる量にまで炭酸ガスが減るからです。

種無しスイカの作り方
一時流行った「種無しスイカ」。
通常、スイカは種があるものなので、このスイカは当然、人工的に生み出された物、と言うことです。
では、どのようにして作るのでしょうか?
その前にまず、「種とは何か?」です。
生物学では、種の事を「種子」と呼びますので、ここでも種子としておきましょう。
種子は、果実の中にあります(これはスイカなどの「被子(ひし)植物」と呼ばれる植物の話で、松など「裸子(らし)植物」と呼ばれる植物には当てはまりません)。
そして、その果実は、花の時の「めしべ」と呼ばれる部分の根元にある、「子房(しほう)」と言う物が変化した物です。
種子の元は、この子房内の胚珠(はいしゅ)と言うものの、更に奥にある卵細胞(らんさいぼう)と言うもの。
それと、花粉の中にある精細胞と言うもの(この2つを合わせて「生殖細胞」と呼びます)。
この2つがくっつく(受精する)事により、胚珠が種子に、子房が果実になります。
種無し果実と言う物は、この受精を起こさせずに、子房を発育させる方法を用いているのです。
そして種無しスイカの場合、「正常な生殖細胞を作らせない」と言う方法を採っているのです。
その具体的方法を、説明しましょう。
まず、普通のスイカの芽にコルヒチンの薄い水溶液をつける処置をします。
コルヒチンとは、アルカロイドと言う窒素を含んだ特殊な塩基性成分(アルカリ性の物質)の一種。
お茶に含まれるカフェインや、麻薬であるモルヒネ、コカイン、そしてタバコで知られているニコチンなどの仲間です。
これにスイカの芽をつける処置をすると、体細胞(生殖細胞以外の細胞)の染色体(せんしょくたい/細胞内にあるDNA情報を持つ物)の数が、普通のスイカの2倍になります。
つまり、通常のスイカの染色体の数が22本(2倍体と呼ばれ、2nと表記します)なのに対し、コルヒチンで処置したスイカは染色体の数が44本(4倍体、4n)になるのです。
この44本の染色体を持つスイカ(4倍体)に普通のスイカ(2倍体)の花粉をつけて受精させると、3倍体の種子が出来るのです。
そしてこれこそが、種無しスイカの種子なのです。
3倍体、と言うことはつまり染色体の数が奇数(33本)、という事になります。
先に述べた生殖細胞と言うのは、体細胞と区別されているように、少し特殊な細胞で、実は生殖細胞の染色体の数は、体細胞の半分なのです。
通常のスイカならば染色体は22本なので、生殖細胞の染色体の数は半分の11本ですが、33は半分にする事ができません。
つまり、3倍体のスイカは、この生殖細胞を作る事が正常に出来ないのです。
では、もしこの3倍体のスイカの花に、普通の2倍体のスイカの花粉をつけると、どうなるでしょう?
こうすると、3倍体のスイカは、受粉の刺激により子房が膨らみます。
が、生殖細胞である卵細胞が無いので、当然種子は出来ません。
そしてこのまま子房が膨らみ続けると、見た目には綺麗な果実、つまりスイカが出来上がります。
これが、種無しスイカの正体なのです。
ですので当然、種無しスイカは種子を作りませんが、種無しスイカの種子ならある、と言うわけです。
ところで「種無しスイカはあまりおいしくない」とも言われていますが、その原因はこの方法にあります。
スイカには「おいしい品種」がありますが、この方法だとそれと同じ品種を作る事ができないので、味が落ちるのです。
この方法だと普通のスイカとは異なる遺伝子のスイカを作る事になるので、品質が落ちるのです。
ところが、1997年に軟X線を利用した種無しスイカを作る方法が日本で開発されました。
軟X線には染色体を少しだけ傷つける性質があります。
これを普通のスイカの雄花に照射すると、花粉の染色体の一部を切断する事ができます。
するとこの花粉は花粉としての本来の働きをする事ができず、卵細胞は上手く分裂できずに消えてしまいます。
それでも子房だけは膨らむので、種無しスイカが見事完成するのです。
しかもこれだと、「おいしい品種」と同じ品種の物を作る事ができるので、味も落ちないのです。
ちなみに、このような植物は天然にも存在し、ヒガンバナ(彼岸花)がその1つです。
これらは、球根で増える植物です。

ニンニクはあの臭いが効くと思ったら大間違い
ニンニクを食べると精がつくと言うのは、世界的によく知られた話です。
インドでは釈迦が僧にニンニクを食べることを禁じていましたし、逆にエジプトでは奴隷に食べさせて体力消耗を防ぎ、余計に働かせようとしていました。
では、この精がつく科学的成分はなんなのでしょう?
1893年、ドイツの学者がニンニクの悪臭成分からアリウムと言うイオウの化合物を発見。
そして、「これが有効成分だ」と発表しました。
これが、「ニンニクはあの臭いが効く」と思い込まれる原因となったのですが…。
実は、これが大間違い。
1936年に、日本の小湊(こみなと)博士が、ニンニクの有効成分はスコルジニンという物質だと言うことを発見しました。
しかも、これは無臭の物質。
スコルジニンは、体内に入った栄養物を完全に燃焼させてエネルギーにする作用を持っています。
そのため、体組織を若返らせ、新陳代謝を盛んにするので、強壮、疲労回復、食欲増進と言った、いわゆる「元気な状態」にしたり、解毒作用を現すのです。
また、善玉コレステロールを増やすことにより血液をサラサラにして血圧を下げる、などの効果もあります。
未だに戦前の常識を信じて、臭いを消さずに食べている人もいますが、熱を十分加えて、臭みを取り除いても効き目は全く変わりませんのでご安心を。
ただし、ニンニクのあの臭いの中にも、アリシンと言う抗菌作用を持つ成分が発見されています。
これは、チフス菌やコレラ菌、寄生虫や原虫、結核菌やライ菌(ハンセン病の原因菌)などに作用することがわかっています。
ただし、だからと言ってニンニクを食べ過ぎると、体中に酸素を運ぶ赤血球を壊して貧血になったり、胃腸などに潰瘍を起こすこともあります。
また、その抗菌作用により腸内の有用菌を減らす恐れもあります。
1日1〜2片程度が適量。食べ過ぎないように。
参考文献;日本医療栄養センター【http://jmnc.primuss.com/】
健康食品プラザ【http://www.nava21.ne.jp/~uesugi/ken/index.htm】
情報まんたん!! コミュニティー【http://www.anzu.or.jp/commu/index.shtml】
@あたみ【http://atamix.hp.infoseek.co.jp/】
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