摩訶不思議探偵局〜遺産相続権殺人事件〜
容疑者リスト
大金幣(おおがねへい)…【金収の三男】
大金黄金(おおがねこがね)…【勲の長女】
大金円華(おおがねまどか)…【幣の妻】
大金銀之助(おおがねぎんのすけ)…【幣の長男】
はしがき;さぁ、いよいよ解決へと突入します!

摩訶不思議探偵局〜遺産相続権殺人事件〜暗号解読編
真実「だけど…なんでそれが手がかりなの?」
 真解が握っている手がかり…あの、勲の部屋で見つかった「key;大金金収」と書かれた紙を指差して、真実が言った。
真解「ああ。簡単さ。あのパソコン…勲さん以外、誰も触って無いんだ。もちろん、プリント用の紙もな。つまり、この紙に勲さん以外の指紋が残っていれば…」
真実「あ…なるほど…」
 真解が早速小鳥遊に検査を頼もうとしたそのとき、謎事が小声で言った。
謎事「なぁ、ところで真解…」
真解「なんだ?」
謎事「さっきのあの4人の会話だけどよ…あの人が妙なことを言ったんだが…」
真解「え?」
 謎事がそれを言った。
真解「なるほどな…。ってことは、あの人が…」
謎事「たぶんな」
真解〔後は暗号だけか…〕
 真解は遺書を手に取った。
真解〔本当に、長い暗号だな…〕
真解「…………ん?」
謎事「ど…どうした? まさか…」
真解「お前…以前、オレにこう言ってくれたよな? 『単純に考えろ』って…」
謎事「あ、ああ…」
 真解はニヤリと笑って言った。
真解「わかったぞ…この暗号…」
謎事「え?」
真実「本当に…?」
真解「ああ。この事件…全て見えた…」
 そして真解は、言い合いをしている4人の中に割って入った。
真解「まぁまぁ、落ち着いてください、みなさん」
黄金「落ち着いてなんかいられないわよ!」
 黄金がヒステリー気味に叫んだ。
真解「いいから落ち着いてください! この事件の犯人がわかったんです! そして、遺産の隠し場所も!」
全「な…」
幣「本当に…?」
円華「うそ…」
銀之助「マジかよ、おい…」
黄金「じゃあ誰なのよ!? 犯人は!」
真解「まぁ、その前に…暗号の答えを…」
幣「暗号なんてどうだっていい! 犯人を…!」
真解「待ってください」
 真解が制した。
真解「今回の事件、なんと殺害現場に暗号の解読方法が残されていたのは知ってますね?」
幣「! …そうだったな…」
真解「ですから、暗号が事件と何らかの関わりがあるのです。ですから、一応ちゃんと聞いてください」
 真解はゆっくりと話し始めた。
真解「まず、暗号は『二羽のカニわね イカ氏の舌に飼うね 真似かつ照る(にわかのかにわね いかしのしたにかうね まねかつてかる)』でした。そして、そのヒントが『大金金収(おおがねかねかず)』」
幣「父の名…」
真解「ええ。わかってみれば、単純なことです。幼稚園生でも出来る」
銀之助「なんだって!?」
真解「この名前…『金収』…つまり、『金を収集する』となってますよね?」
黄金「え…ええ…」
真解「金を収集する…。つまり、この長い暗号文から、『か』と『ね』を収集してしまえばいいんですよ」
幣「収集…?」
真解「ええ。つまり、この文章から『か』と『ね』を取ってしまえばいいんです」
謎事「なっ…」
真実「そんな…タヌキの暗号じゃないんだから!」
真解「でも、そうなんだ」
銀之助「待てよ、本当に『か』と『ね』を取ると、どうなるんだ…?」
真解「にわのかにわね いかしのしたにかうね まねかつてる…『か』と『ね』を取ると、『にわのにわ いしのしたにう まつてる』…変換すると、『庭の庭石の下に埋まってる』となるんですよ」
銀之助「な…バカナッ…」
幣「で…でも、そう言われてみればこの広い庭なのに、庭石と言えるような大きな石は一箇所にしかない…」
真解「じゃあ…そこの下にあるんですよ」
円華「そんな…バカな話って…」
真解「そう考えれば、金収さんが庭師を一切呼ばなかったのも説明がつきます。もしうっかり庭石をどけてしまったら…どうなります? よっぽどの事がなければ庭石の下を掘ることなんてありえませんが…」
幣「そういえば、父は用心深かった…」
兜「………どうしますか? 掘りに行ってみますか?」
黄金「この子の推理が正しいかどうか…ちょっと気になるわね…。確かに筋は通ってるけど…正しいと言う証拠がなくちゃ、犯人をいわせることはできないわね。間違った推理でわたしが犯人にされても困るし…」
銀之助「正しい推理じゃないのか?」
黄金「どう言う意味よ!?」
真解「だから、落ち着いてください!」
 真解が慌てて制した。


兜「猫山、小鳥遊、それとそこの下っ端達! 全員でこの庭石をどけろ」
全員「ヘイッ!」
 警官がよってたかって庭石をどかし始めた。
 何が楽しくてすがすがしい…少なくとも、殺人が起こっていなければすがすがしい木陰の下で、重い庭石をどかさねばならぬのか…。だが、警察は上下関係が激しい。上司の命令は絶対だ(もちろん、法律の範囲内でだ)。
 さすがに重すぎて庭石を持ち上げるのは無理なようだ。一生懸命横にずらすしかない。
 10分ほど経って、1メートルほどずれただろうか。鍛え上げた体、なかなか凄い力だ。
猫山〔本当に、この下に遺産があるんだろうね…。本当に金収さんはこの庭石どけたのかな…?〕
 そんなもの、「てこの原理」を使えばラクだということに、誰も気付かなかった。
 ともかく掘った。そして、ちょっと掘っただけですぐに箱のような物を見つけた。スーツケース並みの大きさだ。
円華「箱…? まさか、この中に…?」
兜「一応証拠です。わたしが開けます」
 兜が箱を開けると…中には、お札がびっしりと詰まっていた。
謎事「す…スーツケースにお金がいっぱい…」
 全員がそれをただただ傍観した。ものすごい量だ。2億か? 3億か? いや、それ以上か…。
銀之助「す…すげぇ量だ…。いったい、いくらだ? これ…」
黄金「そんなことよりも…これで、あなたの推理力は確かな物だって証明できたわね。真解君?」
真解「ええ…」
黄金「それじゃあ…改めて聞くわ。誰なの? 犯人は…」
真解「………こんなところじゃなんですから、またリビングに行きましょう。兜警部は、その遺産を持ってきてください」

リビング
黄金「ちょっと…もったいぶらさないで早く犯人を教えなさいよ!」
幣「そうだ。いったい、誰なんだ? みんなを殺したのは…」
真解「………それでは始めましょうか…。大金家殺人事件…その真相編を!」

Countinue

〜舞台裏〜
書き終わって「ミジカッ!」と自分で思わず言ってしまったキグロです。いやぁ、本当に短いなぁ、ハッハッハッ…。
今回のゲストは実相真実さんです。
真実「こんにちは。って、本当に何でこんな短いの?」
いや、ちょっとこだわりって言うか…。
真実「どんなこだわりよ?」
第一の理由が、動機が長くなりそうだから。それで、2つ目が、真解に最後のセリフを言わせたかったから。
真実「あ〜、わかるわかる。お兄ちゃんカッコいいからね」
真解「いや待てよ。そんなののために…」
おだまり。ともかく、こうなっちゃったんだよ。

さて、では先に暗号を解読できた人と、手がかりがなんだかわかった人を紹介します。
暗号を解読できた方>銀治さん、まんぷくさん、矢島博一さん
手がかりがなんだかわかった方>いませんでした
この3名の方には、なにか商品をお送りします。お楽しみに。
犯人が誰か? と言う推理はまだ募集します。が、すぐに真相編を出してしまう予定なので出すなら今日中。
真実「今日中…」

ではまた次回。

おまけの当初の設定秘話;当初、「実相真実」は「ミアイマミ」と言う名前だったらしい(漢字は同じだが…)。

作;黄黒真直

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