1階へ戻る
クジラは何故しおをふく?
ホッキョクグマは冬眠するか否か
ナメクジに砂糖をかけるとどうなるか? コウモリは本当に血を吸うのか?
カブトムシとクワガタはどっちが力持ち? 超身近にある超貴重な植物
植物が会話する!? ライオンは食物繊維をどうやってとる?
真珠を取り出したあとのアコヤ貝の運命は? 食鳥植物!?
イモムシ、ナメクジ、カタツムリ、一番速いのは? カニを前向きに歩かせる裏技
成長するにつれて小さくなる変わった生物 ネコにイヌ笛の音は聞こえるのか?
カメとツルの寿命 ハリセンボンの針は全部で何本?
ヒトはサルから進化したのに、何故今のサルはヒトにならないのか? 出世魚、ボラの名前
実はもろい、サイの角 アコヤ貝は真珠をどうやって作るのか?
スッポンに噛まれた際の対処法 池が凍っても死なない魚、そのメカニズムとは?
何匹集めれば蛍の光で本が読めるか? テッポウウオが水を噴出すその方法
海鳥はどうやって水分を取っているのか? パンダの和名はいったい何か?
サクラの葉から出される有毒物質 サルの尻は何故赤いか?
コウモリは出産時も逆さのままか? タヌキの腹は本当にポンポコ鳴るのか?
電気ウナギが停電することは無いのか? 鼻で歩く奇妙な生物
立つ鳥跡を濁す!? 鹿の角の秘話
ペンギンも昔は空を飛んでいた? 馬の顔は何故長いのか?
蚊には秘密がいっぱい ひまわりの「花」は太陽に向かって回転していない
最長の活動停止 紅葉になるその理由
手品で使われるハト。何故じっとしていられる? 恐竜は、UFOを作った!?
オシドリ夫婦は本当に仲がいいのか? キリンの特殊な歩き方
群れをなす魚。お互いぶつからないのか? サンゴの正体!
ゴキブリの記憶力! 淡水魚は水を飲まない!
寒い冬、魚が水底に行くのは何故か? ネコは何故、丸くなって寝るのか?

1階へ戻る
検索サイトからいらっしゃった方へ;ブラウザのツールバーにある「編集」から、「検索」「このページを検索」を選び、このページ内を検索してください。

クジラは何故しおをふく?
クジラと言えば、潮吹き。クジラの絵を描けば、必ず頭の上から噴水上の潮が吹き出ています。
さて、そのクジラの象徴とも言える潮吹き。何故わざわざ潮を吹くのでしょうか?
海に住む生物のほとんどは、海水を吸い込んで、その中の酸素を取り込み、エラから海水を放出しています。
しかし、クジラは魚類ではなく、ヒトと同じ哺乳類。そのため、エラがなく、肺で呼吸します。
当然、水中で肺呼吸する事は不可能ですので、海水面にまで出てきて、そこで呼吸をします。
その時現れるのが、あの「潮を吹く」現象。
この現象を、「体内から海水を吹き出している」と言う人もいますが、それは間違いです。
クジラの「潮吹き」は、吸った空気を鼻孔(鼻のようなもの。クジラの場合、ほとんど頭の上にある)から吹き出す時に、
少し窪んだようになっている鼻孔に溜まっている水が、空気と一緒に上へ吹き上げられる現象なのです。
でも、その量はそんなに多くはありません。では、なぜあんなにも多量の水を噴き上げたように白く見えるのでしょうか?
それは、冬に起こるのと全く同じ現象です。
冬に外で息を吐くと、息が白くなりますよね?
あれは、吐いた息の中に含まれる水蒸気が空中で水になり、白く見えるのです。
クジラの「潮吹き」、も同じ原理なのです。
でも、夏にも見えますよね?
この現象は、気温が自分の体温より低い場合におこります。
クジラの体温は38℃。ですので、夏でも大抵の場合は38℃未満なので、いつも白くなるのです。

ホッキョクグマは冬眠するか否か
ホッキョクグマはその名のとおり、北極を中心とした地域に生息しています。
北極とは、言うまでもなく一年中冬みたく氷山がプカプカ浮かび、流氷がところかまわず漂ってます。
その地で生きるため、ホッキョクグマの防寒対策には念が入っています。
体毛はなんと2重構造。上毛の下に短下毛が密集し、冷水や寒風をシャットアウトしています。
つまり、ホッキョクグマの辞書には寒いところに住んでるわりに「寒い」と言う言葉は無いのです。
さて、では本題に入りましょう。
結論から言いますと、冬眠するホッキョクグマと、冬眠しないホッキョクグマいます。
北極圏の中でも、食料が豊かな地域と、そうでない地域があります。
そのため、食料の乏しい地域に住むホッキョクグマは、冬眠をして、省エネを試みます。
一方、食料がいっぱいある地域のホッキョクグマは、冬眠をしません。
日々、草や苔まで食べる雑食性を発揮して、菜食活動に努めているのです。

ナメクジに砂糖をかけるとどうなるか?
ナメクジに塩をかけると縮む。これは有名です。
さて、これを初めて知った時、誰もが1度は考えたはずです。
「じゃあ、砂糖をかけたらどうなるんだろう??」
この疑問(愚問?)を解決するためには、まず、ナメクジが塩をかけると溶けるメカニズムを知らなければなりません。
突然ですが、野菜を塩揉みしたことはありますか?
野菜を塩揉みすると、水分が抜けて、縮みますよね?
実は、ナメクジに塩をかけると縮むのも、全く同じ原理なんです。
ナメクジはその体の99%が水分で出来ています。
塩をかけると、その塩が99%の水分を、どんどん吸収して、ナメクジを溶かしてしまいます。
すると、当然の如く、小さくなります。
これが、塩をかけると小さくなる原理です。
では、砂糖をかけるとどうなるのでしょうか?
試したことはありませんが、理論上、砂糖をかけても縮む事になります。機会があれば、試してみれば?
ちなみに、塩をかけると「消える」と言う人がいますが、実際には1%だけ残っているので、完全には消えませんのであしからず。
なお、理論上は、カタツムリやミミズも、塩で縮むそうです。

コウモリは本当に血を吸うのか?
吸血鬼といえばコウモリ、コウモリといえば吸血鬼。
コウモリ=血を吸うと言う感じが強いですが、果たして本当に血を吸うのでしょうか?
結論から言いますと、コウモリは、本当に血を吸うようです。
と言っても、全てのコウモリが血を吸うわけでなく(むしろ血を吸うコウモリの方が少ないのですが)、しかも対象となるのはヒトではなくて、ウマやウシ。
また、吸うと言うよりは、しゃぶると言った感じなのです。
では、何故ここまでコウモリ=血を吸う!と思われてしまっているのでしょう?
その始まりは、18世紀。
そのころ、中南米に探険にいった探検家たちが吸血コウモリを発見。
探険家たちは、吸血コウモリの事を少し(?)大袈裟に人々に伝えたようです。
そして1725年頃、コウモリの登場する吸血鬼小説が大流行。
これらの事が関連して、コウモリ=血を吸うと無意識のうちにインプットされてしまったようです。

カブトムシとクワガタはどっちが力持ち?
昆虫と言うのは、体が小さいわりにかなり力があります。
平均して、なんと体重の20倍の重さを引っ張ることが出来るといいます。
これを人間にたとえると、大人の男性が、1000kg=1tの荷物を持ち上げるのに相当します。
アリは体重の50倍の石を動かすことができ(大人の男性で言うと、25tの石を運ぶことに相当)、ミツバチは体重の300倍の物を引くことができるそうです(これは大人の男性が15tの荷物を引くことに相当)。
力持ちといえば、カブトムシとクワガタがその代表。
ところで、両者は一体どちらが力持ちなんでしょう?
それでは、両者の力を見比べてみましょう。
カブトムシの場合、体重の100倍以上の物を引くことができます(同じく大人の男性に例えると、5tの物を引くことに相当)。
クワガタ(クワガタ界の王者、ミヤマクワガタ)は、カブトムシの半分の重さしか引けません。
では、クワガタの負けか?と思いきや、ミヤマクワガタの体重は、カブトムシの3分の1。
つまり、ミヤマクワガタは、体重の150倍以上の物を引く事ができるわけです(やっぱり大人の男性に例えると、7.5tの物を引く事に相当)。
割合からいえば、クワガタの方が力持ち、となります。
どうとるかはあなたの自由です。
なお、熱帯にいる巨大コガネムシ(サイコガネ)は自分の体重の850倍の重さを背中に乗せて運ぶことが出来るそうです(これも大人の男性に例えると、42.5tの物を背中に乗せて運ぶことに相当します)。
ギネスブックは、この昆虫を、昆虫の世界ではもとより、なんと動物界における力持ちのナンバーワンとしています。
力に自信のある方、サイコガネに挑戦してみては?

超身近にある超貴重な植物
みなさんは、生きた化石と言うものをご存知でしょうか?
太古の昔からその姿をほとんど変えずに生き残っている生物(植物)のことで、一番有名なのは、シーラカンスでしょう。
さて、その生きた化石。実は、とても身近にあるのです。
その身近な生きた化石。何かというと、なんとイチョウ(公孫樹)。
イチョウは2億5千年前に最も繁栄していた植物です。
そしてさらにその姿をほとんど変えずに、今日まで生き延びているのです。
さらにそれだけでなく、普通の木や草には仲間(種類)があるのに対し、イチョウだけは一種しかないのです。
普段、あまり興味をもって接することはありませんが、イチョウは実は大変貴重な木なのです。

植物が会話する!?
植物と言うと、生涯孤独、無言でいるように思われています。
しかし、最近の研究で、実は植物も他の生物と同じように、コミュニケーションを交わしているらしい、と言う事がわかって来ました。
植物の中には、その葉が虫などに食べられると、食べられている葉から、ある種の物質を放出するものがあります。
そして、その物質は周囲の葉に警戒を呼びかける能力を有するのではないか?と考えられています。
つまり、物質を放出して、周りの植物に「害虫警告」を送っているらしいのです。
その物質=害虫警告が周囲の植物に伝わり、周囲の葉では虫が嫌う物質の濃度が高くなる、と言うことが分かったのです。
このように、ある種の物質を放出してコミュニケーションをしている植物としては、ポプラが知られています。
その他、シラカバも同じように物質を放出しながらコミュニケーションを交わしていると言われています。

ライオンは食物繊維をどうやってとる?
百獣の王とも呼ばれているライオン。
ライオンは知っての通り肉食です。
さて、肉食と言うのだから当然肉しか食べません。では、食物繊維はどうやって摂っているのでしょうか?
もしや、ライオンには食物繊維がいらないのか?とも思えて来ますが、ライオンにだって食物繊維は必要です。
しかし、ライオンなどのネコ科の動物には、生の草や植物を胃腸で消化出来ない仕組みになっています。
実は、ライオンは獲物から食物繊維を吸収しているのです。
これはどう言う事かと言うと、ライオンは、「獲物の胃や腸で一旦消化された植物」を食べているのです。
実際、獲物を倒すと真っ先にライオン達が食べるのは、獲物の内臓。
ここに、食物繊維をたっぷり含んだ消化物が、たくさん入っているからです。
ライオン達は、優雅(?)に食事をしている獲物を見つけると「待っててあげるから早く食べてね♪」と言った気持ちで見ているのかも知れません(?)。

真珠を取り出したあとのアコヤ貝の運命は?
女性を楽しませてくれる、真珠。
この真珠は、アコヤ貝から作り出されます。
さて、このアコヤ貝。真珠を取り出したあとはどうなってしまうのでしょうか?
見かけはカキに似てるから食べるのでしょうか?
と思いきや、天は二物を与えずと言うように、アコヤ貝は、美しい真珠を作る代わりに、とてもまずくて食べられないらしいです。
ですが、貝柱だけは別です。
直径1cm、長さ2cmほどのアコヤ貝の貝柱は、フライでもバター焼きでもOK。
真珠の養殖で知られる三重県志摩地方では、アコヤ貝の貝柱の槽漬けは名産の一つになっています。
貝柱を取られた貝は、ただの石灰石とたんぱく質の塊。
おそらく、捨てられる運命でしょう。

食鳥植物!?
これはすなわちこういう事です。
「鳥を食べる植物が存在する」
その植物とは、ウツボカズラという植物。
「あれ? ウツボカズラって食虫植物じゃ?」
と言う方。
確かにウツボカズラは食虫植物です。
ウツボカズラは、葉の先端に壷のような形をした物がついており、その入り口の淵は滑りやすくなっています。
この壷に落ちた虫は、脱出することは出来ず、壷の中にある消化液で体を溶かされてしまいます。
この落ちたのが虫だろうが、鳥だろうが、一切関係なし。
大型のウツボカズラでは、その壷の中にネズミや小鳥が落ちる事があり、食べられてしまうそうです。
もしかしたら、ものすごい大型のウツボカズラなら、ヒトを食べることも可能かもしれません(?)。

イモムシ、ナメクジ、カタツムリ、一番速いのは?
なんとこんな大愚問を真面目に研究している人もいるので、その研究結果を見てみましょう。
国立予防衛生研究所昆虫部などによります、レース予想です。
まず、スズメガの幼虫であるイモムシの場合。
だいたい1分間に30〜50センチメートル「走る」との事(時速18〜30メートル)
これに対してナメクジとカタツムリの速度はグンと落ち、どちらも時速6メートル(分速10センチメートル)程度。
つまり、この3者(?)が一斉にスタートすると、1位になるのは間違い無くイモムシなんだそうです。
ただ、2位がナメクジなのか、カタツムリなのかは、現在までの研究ではよくわからないらしいです。
この勝負、試してみては??

カニを前向きに歩かせる裏技
ほとんどのカニ(蟹)は横に歩きます。
カニの脚は体の横の前後に接してついていて、その関節は人のヒジやヒザと同じように、一平面での運動しか出来ません。
そのため横向きになってしまうのです。
ただし、体と接した部分の関節だけは回転運動が出来るため、前や斜めに歩くことも出来ないわけではありません。
実は、故意的にカニを前向きに歩かせる裏技(?)があるのです。
その方法とは、カニをグルグル回すことです。
レコードプレイヤーの上に乗っけたり、紙コップに入れて上から糸で吊るし、グルグル回転させればOK。
そして、20秒ほど回したら、そこから降ろして下さい。
カニはふらつきながら前に歩きます。
これは、グルグル回されることにより、カニが平衡感覚(へいこうかんかく)を失うため、前に歩くのです(もちろん、必ずしも前向きとは限りません)。
ちなみに、魚を同じようにグルグル回して水に戻すと、酔っぱらいのように水中を左右にふらつきます。
ちょっと残酷ではありますが、海に行ったら、試してみては?

成長するにつれて小さくなる変わった生物
ヒトをはじめ、ほとんどの生物は成長するにつれてだんだん大きくなっていきます。
これは動物だろうが植物だろうがなんだって同じです。
だから国語辞典などは「成長」と言う言葉を「育って大きくなること」と説明しています。
しかし、世界は広し、この説明は厳密には正確ではないのです。
何故なら、成長するにつれて小さくなる生物もいるからです。
南アメリカにアベコベガエルという奇妙な名前のカエルがいます。
このカエルは普通のカエルと姿形は同じなのですが、このカエル、実は成長するにつれ、どんどん小さくなっていくのです。
このカエルの子供(オタマジャクシ)はきわめて大きく、25cmもあります(子供の手のひらに全く乗りません)。
ところが、成長してカエルになりますと、たった5〜10cm程度の小さなカエルに変身するのです(正確には「変態する」と言います)。
オタマジャクシ時代の方が、はるかに巨体なのです。
そこで英語ではパラドクシカル・フロッグ【paradoxical frog】、つじつまの合わないカエルと名付けられています。
上に表記したように、和名もアベコベガエルと、「逆さま」と言う意味の名が付けられています。

ネコにイヌ笛の音は聞こえるのか?
イヌにしか聞こえない音を出す笛、イヌ笛…。
さて、「イヌ笛」と名前が付いているのは、上のような理由からなのですが、このイヌ笛の音、ネコには聞こえないのでしょうか?
結論から言いますと、ネコにもちゃんと聞き取れるのです。
では、イヌ笛の仕組みから見てみましょう。
イヌ笛というのは、人間には聞こえない、2万Hz(ヘルツ)〜3万Hzの音をだす笛で、イヌにはこの間の周波数は聞き取ることが出来るのです。
さてではネコは?と言うと、ネコの聞き取れる周波数は75Hz〜約9万Hzのあいだ(イヌよりも大きな聴力です)。
当然、イヌ笛の音を聞き取ることが出来るのです。
まぁ、もっともこんな理論づけて考えなくても、ネコの前でイヌ笛をふけばいいだけのことなんですけどね。

カメとツルの寿命
「ツルは千年カメは万年」という諺があります。
ツルもカメも長生きする、転じて「長寿でめでたい様子」を表す言葉です。
さて、ここでふと疑問が。
実際のカメとツルの寿命は、果たしてどれぐらいなのでしょうか??
さすがに、千年や万年生きるとは思えません。
ツルは、だいたい80年から90年生きます。
そして、カメは150年から200年生きます。
どちらも、千年、万年からは程遠い年月なのですが、長いことには変わりません。
そのため、動物園などで飼育されているカメを見ていると、年をとっていないかのような錯覚に陥ることもあるそうです。
ちなみに、カメの中での最高齢種族は、ガラパコス諸島に生息する、ガラパゴスガメ。
その寿命は、300歳ぐらい、とされています。

ハリセンボンの針は全部で何本?
ハリセンボンと言う魚がいます。
この魚は、伊豆諸島辺りでは最高級魚として珍重されているほど、おいしいのです。
そして、この魚は、名前のとおり、体中に無数の針が生えています。
敵が近付くと、この針を一斉に立たせ、身を守るのです。
この針、毒はないのですが、刺さると非常に痛いとか。
さて、このハリセンボンの針。一体全部で何本あるんでしょうか?
世の中には暇な人もいて(と言うか、こういうのが仕事なのかも知れませんが)、実際に数えてみたとか。
数え方は簡単。ハリセンボンを威嚇(いかく)して、針を立たせ、一本一本調べていくだけ。
その結果、針の総数は612本!
また、別のデータでは365〜375本!
2つのデータにこんなに差がある理由はわかりませんが、どっちにしろ1000本からは程遠い本数なのです。
「ハリスウヒャッポン」に改名すべきなのでしょうか(?)。

ヒトはサルから進化したのに、何故今のサルはヒトにならないのか?
さて、かなりのヒトが頭を悩ませていると思われるこの疑問。いったい、何故なのでしょうか?
実はこの疑問。実は疑問自体が間違っているのです。
『ヒトはサルから進化した』とよく言いますが、実はこれ、大きな間違いなのです。
実際にはサルには変わり無いのですが、この「サル」とは微妙に違うのです。
わかりやすくいうと、人間はサルから進化したのではなく、サルの祖先から進化したのです。
つまり、人間の遠い祖先(と同時にサルの祖先)から、枝分かれして進化してきたので、決して今のサルから進化したわけではありません。
この事は、よく、大きな木を例に挙げて、説明されます。
大きな幹が、全ての生物の祖先。そして、先端の葉っぱが、現在の生物たちです。
サルもヒトも、つい最近まで同じ道を歩んできました。
幹から枝へと移り、もうすぐ葉っぱと言うところまで、一緒だったのです。
しかしそこで突然、枝が2つに分かれ、葉っぱが2枚出来ました。
その片方がサルで、もう片方がヒトなのです。
ただ、祖先が同じなだけに、そっくりなところが多数あります。
現在発見されている生物の中でも、サルとヒトは表情筋という、顔にある筋肉が発達していますし、生物の中で笑えるのもサルとヒトだけです。
それに、器用な手を持っているのも、サルとヒトだけです。
このように、確かにサルとヒトは似ていますが、決してヒトがサルから進化したわけではないのです。

出世魚、ボラの名前
出世魚、と言う魚がいます。
この魚は、成長するにつれ、どんどん名前が変わっていきます。
さて、そんな出世魚の中でもひときわ有名(?)なのがボラ。
彼らの出世は、
ハク→オボコ(スバシリ)→イナ→ボラ→トド
となっております。
また、他の出世魚には、スズキやブリがいます。
スズキは、
セイゴ→フッコ→スズキ
と出世し、ブリは関東と関西で呼び名が違い、
関東地方ではワカシ→イナダ→ワラサ→ブリ
関西地方ではツバス→ハマチ→メジロ→ブリ
と出世をしていきます。

実はもろい、サイの角
サイが猛突進してきてあの角で突かれると、相当痛いとか。
痛いどころか、内臓破裂するとかしないとか(詳細不明)。
さてこのサイの角。実は、意外にもろいと言うことをご存知でしょうか?
サイの角は、一見骨のように見えますが、実は骨とは無縁で、毛が集まったようなものなのです。
ですので、意外と貧弱なのです。
ですが、爪のように永遠に伸び続けるので、ちょっとぐらいかけても大丈夫。また伸びてきます。
と言っても、大人になると折れた角を完全に修復することは難しいらしく、角が欠けたままのサイもいます。
しかし、子どものうちや、大人になっても小さな傷なら、簡単に修復される、との事です。

アコヤ貝は真珠をどうやって作るのか?
真珠は阿古屋貝(アコヤ貝)が作る…と言うのは有名です。
では、どのようにして作るのでしょうか?
アコヤ貝の中に、異物(砂でもなんでもOK。実際には、別のアコヤ貝の殻をすり潰して入れています)を入れると、アコヤ貝はそれを排除しようとします。
その異物を出そうとして、外套膜(がいとうまく/体の表面を覆っている膜)から真珠質を分泌します。
すると、その異物はその真珠質でどんどんくるまれていきます。
そして、最終的に真珠になるのです。
アコヤ貝でしか出来ないような言い回しで書きましたが、実際にはほとんどの貝(シジミやアサリなどでも)で真珠を作り出すことが出来ます(ただ、質が悪いですが…)。
ちなみに、真珠の主成分はカルシウム。と言うのも、元々外套膜は、貝殻を作るための石灰(カルシウムの化合物)を分泌するためのものだからです。

スッポンに噛まれた際の対処法
カメの仲間、スッポン(鼈)。
彼らはご存知のとおり、一度噛み付くとなかなか離れません。
この場合の対処法を教えしましょう。
カミナリの音を聞くと離れるだの、様々な俗信がありますが、一番の対処法は指と一緒にスッポンを水の中に静かに入れてやることです。
すると、スッポンは自分から逃げていきます。
これは、スッポンが指を食べれない物だと判断するからです。
食べれない物に対していつまでも噛み付いていてもしょうがありませんが、空中で口を開けると落ちて死んでしまうかもしれないし、
陸上でも周りに水が無かったら干からびて死んでしまうかもしれない。
だから、とりあえずくっ付いているのです。
ちなみに、スッポンが一度噛み付いたらなかなか放さないのは、体力をならべく消耗しないため。
スッポンというのは、日常、ドップリと水の底の泥の中につかっていて、頭だけを出し、魚が来ないか来ないかと待ち続けているのです。
近付いてきた物なら、とりあえずなんでもむやみやからと一度は噛み付いてみます。
すると当然、しょっちゅう噛み付いている訳ですから、体力を消耗します。
ですので、ならべく噛み付く回数を少なくしようとして、一度噛み付いたらなかなか離さないのです。

池が凍っても死なない魚、そのメカニズムとは?
冬になると、外の気温はガクッと下がります。
すると、池などの水がカチンコチんに凍ってしまうこともあります。
そして、運が悪いと池が全部凍り、魚が氷の中に閉じ込められてしまうことすらあります。
万事休す、かと思いきや、暖かくなって氷が溶けると、魚がまた動き出します。
普通、人間なら氷の中に閉ざされた場合凍死してしまいますが、なぜ魚は凍死しないのでしょうか?
実は、周りの水が凍っても、魚自身は凍らなくて、冬眠に近い状態でいます。
冬眠とは、文字からすると単に眠っているだけのような気がしますが、実際には生命活動を停止…すなわち、肉体的には死亡したのと同じ状態にあるのです。
ですので、周りが凍っていようが何してようが、魚には関係ありません。
そのため、少しぐらいなら氷に閉ざされていても、氷が溶ければまた復活するのです。
コイやフナも、体温が零度になっても凍りません。
池の水が凍って、死んでしまったと思っても、春になって氷が溶けだすと、元気に泳ぎ出すことがあるのだそうです。

何匹集めれば蛍の光で本が読めるか?
最近はほとんど聞きませんが、一昔前の卒業式の歌といえば、「仰げば尊し」と、「蛍の光」でした。
「蛍の光」の一節には、「蛍の光、窓の雪」と言う言葉があります。
この歌の起源は、中国にあります。
その昔、中国にシャイン(漢字出ません。すみません)という政治家がいました。
シャインは、少年の頃は貧しくて油が買えず、蛍を集めてその光で本を読んで勉学した、と言う故事から来た歌詞ですが、今の日本でそんな経験をしたことのある方は、まずいないでしょう。
では、一体何匹集めれば蛍の光で本を読めるのでしょうか?
世の中には暇な人がいるもので(失礼)、なんと、実験してみた方がいらっしゃるのです。
すると、1000匹の蛍を集めてカゴに入れた物が二つ(つまり蛍2000匹)あると、暗い部屋でもなんとか本を読めたといいます。
ただ、なんとか読める程度ですので、目にはかなり悪いです。
さらに、今の日本でそんなことをやろうものなら、自然保護団体が黙っちゃいません。
ついでに言うと、蛍というのは全部が同じタイミングで点滅するので、明るくなったと思ったらすぐ暗くなり、また明るくなり…の連続ですので、非常に目がチカチカして本が読み辛いです。
さらにそれで学習など…ほとんど、不可能でしょう。
今は便利な世の中です。卒業式で「蛍の光」を歌わなくなったのも、「ホタルの光ではなく、電気の光で学習しろ」。
そういう意味なのでしょう(?)。

テッポウウオが水を噴出すその方法

スズキ目テッポウウオ科の魚、テッポウウオ(正確には「テッポウウオ」は総称です)。
全長は20cm〜30cmほど。
南太平洋の島々の池にいるテッポウウオは、射撃の名人として有名な魚です。
射撃と言っても水鉄砲のことで、トンボなどの虫を1メートルも離れたところから水で射落とすのです。
水面すれすれを泳ぎ回り、葉の裏などで休んでいる虫を狙います。
虫を見つけると、一定量の水を吸い込んで、口と目を空気中に出します。
そして、ねらいを定めて水を口から噴射して虫をたたき落とすのです。
では、その噴出方法は、どのようなものなのでしょうか?
これは、エラを急激に閉じることによって生じるもので、口の上部にある縦の溝のはたらきで、長い距離を出したり、的確に方向を定めることが出来るようです。
つまり、この溝に舌を押し当てて、水鉄砲の銃身を作るわけです。
簡単に言うと、この噴出方法は「水を入れた風船を思いっきり押しつぶすと中の水が勢いよく飛び出る」と言う当たり前の理論を使ったものです。
ちなみに、この魚のことが報告されたのは、18世紀中ごろのことでした。
当時の西部ジャワの植民地統治者によってヨーロッパに報告されたのが最初です。
しかし、そんな奇妙な魚が実在するとは誰も信じません。
動物学者がその存在をようやく認めるようになったのは、20世紀に入ってからのことです。

海鳥はどうやって水分を取っているのか?
生物は水なしでは生きていけません(もしかしたら例外がいるかもしれないけど…まぁ、一般的には)。
ところが、カモメやアホウドリのような海鳥は、大洋の真ん中、つまり周りは海水ばかりで一滴の真水もない世界で生活しています。
人間の場合、船が難破して漂流したとき、生死の境をわけるのは水のあるなしだといいます。
海水は塩分濃度が高いので、そのまま飲むと、健康に甚大な影響を与えます。
では、海鳥はどのようにして水分補給をしているのでしょうか?
海鳥類は海水をじかに飲んで水分を補給しています。
といっても、海水をそのまま、体に吸収しているわけではありません。
海鳥類は海水の塩分をこしとる、一種の濾過(ろか)装置を体内に持っていて、ここを通過して塩分の少なくなった水を体の中に吸収しているのです。
この濾過装置を「塩類腺」といい、目の上のあたりにあります。
ここでこされた余分な塩分は鼻からくちばしを通って外に出されます。
よくウミガメが涙を流すと言われるのも、海鳥と同じようにして余分な塩分を外に出しているところなのです。
我々人間は、イオン交換樹脂膜と言うものをつかって海水を塩と水に分離してから飲みますが、海鳥類は体内に同じようなメカニズムを備えているのです。
ちなみに、人間が海上遭難して限られた量の水しか持っていない場合、いままでは海水は絶対に飲んではいけないと言われていました。
しかし最近は、海上漂流の実験などで、海水を真水で適当な割合に割って飲むほうが、真水だけを少量飲むよりも健康を保つことができることがわかっています。

パンダの和名はいったい何か?
中国の四川省(しせんしょう)を故郷とするジャイアントパンダ。
日本には、昭和47年(1973年)に上野動物園に入ってきました。
そのパンダの名前は、ランランとカンカン。結構有名で、知っている人も多いでしょう。
その後は、ホアンホアンとフェイフェイ、トントンとリンリンなどがやってきました(何故か繰り返しが多い)。
さて、このパンダ。他の動物と同じようにラテン語である学名と、和名を持っています。
では、その和名はなんでしょう?
これは、見たとおりを表した「シロクログマ」。
パンダと言う名前があまりに定着してしまい、この和名はすっかり忘れ去られてしまいました(そのわりには、中国語の「大熊猫」を知っている人は多い)。
ちなみに、パンダの学名はアイルロポーダ・メラノレウカ【Ailuropoda melanoleuca】。
分類は哺乳類食肉目裂脚亜目アライグマ科ジャイアントパンダ属です。

サクラの葉から出される有毒物質
春の象徴、サクラ。
実はこのサクラ、花が散って葉桜になると、今度は有毒物質を大量に放出し始めるのです。
その毒とは「クマリン」。
ちょっと可愛らしい名前ですが、双葉の生育を阻止する成分です。
こうする事で、自分の近くの植物を殺し、自分の栄養分を確保するのです。
このような現象を「アレロパシー【allelopathy】」といい、サクラに限らず、他の植物でもこのような物質を出しているものはたくさんあるのです。
ちなみに、クマリンは人間にとっては無害。そして、干し草や塩漬けのサクラの葉(つまりサクラ餅の葉)の香りの本体でもあり、香料原料にも用いられています。
また、日焼け止めや血液凝固阻止剤(血が固まりやすい人が飲む薬)となるものもあります。
よく入学式なんかで「桜が咲いて……」などと演説してますが、アレロパシーのことを思うと、結構とんでもない事かも知れません。
まぁ、高校なら受験で他の人を蹴落として入学するわけですから、ある意味「アレロパシー」かもしれませんが……。
ちなみに、アレロパシーは、木だけでなく草も引き起こします。

サルの尻は何故赤いか?
サルの尻が赤いのは有名です。
しかし、何故赤いかはあまり有名ではないでしょう。
サルの尻の赤いのは実は肌の色ではありません。
あれは肌の下の血液が透けて見えているのです。
サルの肌はピンクがかった肌色ですが、尻の「しりだこ」には色素がありません。
そのため、肌の下の血管が透けて見えて、赤く見えるのです。
そして、発情期になると、よりいっそう赤くなります。
もっとも、これはニホンザルの話で、世界の何千と言う種類のサルの中には、尻が赤くないサルもたくさんいます。
ちなみに、尻が赤いサルの世界では、尻が赤ければ赤いほど「美人」ならぬ「美猿」とされています。
尻を赤く見せ始めた理由は、サルは移動するときに一列に並ぶ事に由来します。
つまり、周りのサルにもっともよく見えるところが美しくなるように…この場合は、赤くなるようにしたわけです。
これが人間のように直立歩行をするようになると、今度は尻には色素が戻り、胸が膨らみ始めたのです(つまり、当初は胸さえでかけりゃ「美人」だった)。

コウモリは出産時も逆さのままか?
洞窟や廃坑などに生息しているコウモリ。
コウモリが2本の足でぶら下がり、逆さまの状態で暮らしているのは、有名なことです。
では、コウモリが出産する場合……その場合も、逆さまのままなのでしょうか?
逆さまのまま出産。地上に降りて出産。頭を上に持ってきて出産。
この3つが考えられます。
正解を言うと、頭を上に持ってきて出産。
コウモリは通常は2本の足で洞窟の天井にぶら下がっていますが、出産のときは翼の先にあるカギ爪のようなもの(小翼手と言う)で天井にぶらさがり、頭を上にして出産します。
そして出産すると、赤ん坊が落ちないように、尾の膜や片方の翼などで受け止めます(もし失敗しても、へその緒があるので少しは平気らしいです)。
そしてどうするかと言うと、一応哺乳類なので胸の位置まで持ってきて、授乳します。
そのとき、コウモリの赤ん坊は後ろ足で母コウモリの胸の毛をしっかりと掴みます。
こうなると赤ん坊が落ちる心配はなくなります。
そこで母コウモリは反転して、いつものような頭を下にした姿勢、すなわちもとも楽な姿勢に戻るのです。
ちなみに、コウモリが排泄するときは、逆さまの状態でします。

タヌキの腹は本当にポンポコ鳴るのか?
マンガなどでよく、タヌキはポンポコと自分の腹を叩いて太鼓にしています。
しかし、本当になるのでしょうか?
これは、鳴る、と言えば鳴りますし、鳴らない、と言えば鳴りません。
どういうことかと言うと、自分の腹を叩いてみてください。
少しおなかが空いている、程度の時なら、景気よく腹が鳴るはずです。
これはタヌキも同じ(ネコで試したところ、鳴りました)。
ですので、無理矢理叩けば鳴ることはなります。
が、あの「自分の腹を太鼓にする」と言う行為は、絶対にしません。
では、何故「自分の腹を太鼓にする」と言う形が生まれたのでしょうか?
その答えは簡単。
その昔(今も?)、太鼓を作るとき、バチで叩く部分(革/かわ)は、タヌキの腹の革を利用していたのです。
そこから、あのような俗信(?)が生まれたのでした。

電気ウナギが停電することは無いのか?
魚の中には電気を出すものが意外にいます。
その中でも、アマゾン流域に住んでいる電気ウナギはよく知られています。
電気ウナギの発電能力は500ボルト以上で、860ボルトを発電したという記録もあります。
さてこの電気ウナギ。電気が無くなることはないのでしょうか?
実は、あるのです。
電気ウナギはしばらく放電を続けると、放電量は次第に減っていき、やがて電気がなくなる……つまり停電します。
そして再び充電されるまでにはかなりの時間がかかります。
そこで、電気ウナギを捕まえるときには、電気ウナギを刺激して、放電させてしまってから捕獲するのです。
ちなみに、電気ウナギの体には筋肉細胞が変化した、電気を放電する「電気細胞」で占められています。
この電気細胞は、運動神経の刺激によって興奮し、放電をします。
また、電気ウナギは体の4分の3が発電器によって占められています。
その発電方法は、現在の所(2005年4月)、まだ完全に解明はされていないようです。

鼻で歩く奇妙な生物
世界は広し。太平洋上のハイアイアイ群島に、かつて奇妙な生物が生息していたといいます。
その群島は1941年に発見され、その奇妙な生物は、そこにのみ生息していました。
なにが奇妙なのかというと、なんとその生物は、鼻で歩いていたというのです。
足も一応あったらしいのですが、鼻で歩いていたのです。
鼻で歩くその奇妙な哺乳類は、動物学上は鼻行類(びこうるい/しかし、辞書にも載っていないので本当にこう読むか不明)と呼ばれていて、鼻を複数(4個、6個、38個)持っていたものなど、様々な種類がいたそうです。
鼻行類は鼻で歩くとともに、その鼻で餌の昆虫類も捕らえていました。
ドイツのハラルト・シュティンプケという人が1961年にその生態図を載せた本を出版しており、これによって鼻行類の存在が世界中に知られるようになりました。
しかし、そのハイアイアイ群島は核実験によって海面下に没してしまいました。
そして、鼻行類は絶滅してしまったといいます。
その為、見た人はほとんどおらず、本当にそんな生物がいたのかどうか、意見がわかれているようです。
シュティンプケの本はフィクションだとの説も、あるのです。
あなたは鼻行類を、信じますか…?

立つ鳥跡を濁す!?
「立つ鳥跡を濁さず(飛ぶ鳥跡を濁さず)」と言うことわざがあります。
意味は「立ち去る者は、あとが見苦しくないように始末をする」と言う意味です。
が、しかし、本物の鳥は、飛び立つときに跡を濁すのです。
空を飛ぶのに、体が軽いに超したことはありません。
そのため、鳥は体重を出来るだけ軽くしようと、飛び立つ時に、フンをするのです。
すなわち、「立つ鳥跡を濁す」と言うわけです。
もちろん、毎回毎回、飛び立つ時にフンをする、というわけではありませんが…。

鹿の角の秘話
知っての通り、オスの鹿には立派な角が生えています。
この角は非常に硬く、喧嘩などの場合にも用いられます。
さてこの角、何でできているかと言うと、歯と同じ骨。
そして、さらにこの角、実は定期的に抜けるのです。
そうやって何度か生え変わり、どんどん強度をましていくのです。
ちなみに、爪や髪のように角には神経が通っておらず、折れても痛くもかゆくもありません。
あまり関係のある話ではありませんが、奈良の某所では毎年「鹿の角きり」なる行事を行っているそうです。

ペンギンも昔は空を飛んでいた?
ペンギンは、「飛べない鳥」として多くの人々に知られ、動物園や水族館の人気者です。
ペンギン=飛べないの構図が今では成り立っていますが、大昔は他の鳥と同じように空を飛んでいたらしいと言うことがわかっています。
もし本当に飛んでいたと言うのなら、どうして飛べなくなってしまったのでしょうか?
これについては、天敵がいなかった事が原因だと言われています。
南極地方と言う独特の土地であるため、攻撃してくる敵がいなかったのです。
食料も空を飛ぶ虫のようなものではなく、水中にいる魚等。
そのため、羽根を使う必要がなく、徐々に退化していって、現在のように羽根がちょこっとついているだけとなったのです。
その一方で、泳いだり潜ったりするために進化をして、南極と言う激しい環境に適応できるようになっていったのでした。
ちなみに、ペンギン=南極と言うイメージが強いですが、実際には南米や南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど南半球のいたるところに生息しており、
意外と暖かい場所にも、たくさん住んでいるのです。
なお、このように暖かい地域にも住んでいるところから、先ほどの「天敵がいなかったから飛べなくなった説」には、異論も出ています。

馬の顔は何故長いのか?
学問とは、どんなものにも理由をつけます。そして、ウマの顔が長い理由も、キチッと理由付けされています。
これは、食べ物が関係していると考えられています。
一般的に、面長な動物は草食性に多く見られます。
これは、消化の悪い草を歯で幾度もすりつぶしているため、顎が自然と強くなり、徐々に発達していくためです。
約5000万年前に「ヒラコテリウム」と言う、アメリカに生息していたと言われている馬の先祖がいました。
ヒラコテリウムは比較的消化のいい木の葉を主食にしていたために、顔は長くなかったと言われていますが、
いまから約2500万年前、草原地帯が地上に広がり始めますと、森から草原へと住み替える馬が出てきました。
ところが、草原の草は消化しにくいのでドンドン歯と顎が発達していき、いまのような面長になってしまったのです。
ちなみに、ウシやシカなども草食ですが、彼らはそれほど丹念に噛まずに飲み込み、胃でいったん消化してからまた口に戻し噛む…と言う、「反芻(はんすう)」と言う方法を取っているので、馬ほど面長ではないのです。
しかし、馬はそれをやらないので、どんどん面長になっていったというわけです。

蚊には秘密がいっぱい
夏の嫌われモノ、蚊(か)。
しかし、この蚊には驚くべき秘密がたくさんあるのです。
まず、蚊はあの小さな体の中に、なんと2つも胃袋を持っているのです(2つ持っているのはメスだけ)。
蚊は人の血を吸うので、てっきりカの食料(主食)は血液だと思っている人は多いでしょう。
しかし、実際には違うのです。
蚊の本当の食料は草などの汁です。
実は、人の血はメスが卵巣を発達させるためだけに使うのであって、決して食料として扱うわけではないのです。
そして、その血液を溜めておくために、メスには胃袋が2つも必要になるのです。
そのため、血を吸うのはメスの蚊だけ。オスは、一生草の汁や花の蜜だけを飲んで生活します。
次は、あの蚊の針です。
蚊の針は、肉眼ではただのとげにしか見えませんが、顕微鏡で見てみると、ドリルのようにギザギザになっていて、人の皮膚に刺しやすいようになっているのです。
そして、刺された後のあのかゆみ。
かゆみの原因は蚊の唾液です。
蚊の唾液には血を固まりにくくさせる成分や、人に刺されたことを気付かせない麻酔作用のある成分など様々なものを含んでいるのです。
この唾液が人体の中に入ると、その部分がアレルギー反応を起こし、かゆく感じるのです。
過去、この唾液を出ないようにした蚊に自分の血を吸わせると言う実験を行った学者がいたらしいですが、その結果は、とても痛かったそうです。
ところで、蚊は見たところ羽が2枚しかありません。
知っての通り蚊は昆虫です。
小学校で習ったとおり、昆虫の定義は
6本の足、4本の羽、3部分(頭、胸、腹)に分かれた体、2本の触覚、があることです(ただし、アリのように例外もある)。
では、蚊には何故2枚の羽しかないのでしょうか? アリのように例外的生物なのでしょうか?
と思いきや、実はこれまた顕微鏡などでみてみると、ちゃんとちっちゃい後ろ羽がついているのです。
使うことが少なく、退化してしまったのです。
また、触覚も見えませんが、ちゃんと針の根元にくっついています。
それと、「蚊に刺されやすい条件」として、
黒い服を着ている、汗っかき、女性、O型
と言う4つの条件が挙げられています。
しかし、「これは俗説で、実際には血液型も性別も服の色も汗の量も全く関係が無い」…とする資料も発見できました。
実際にどちらが正しいのかは、よくわかりません。知っている方、教えてください。
ちなみに、酒などのアルコールを飲んだ後は刺されやすいとも言いますが、これも、「正しい」とする資料と「俗説」とする資料がありました。
なお、蚊は、下半身を集中的に刺すと言われています。
この理由はわかっていないようですが、下半身の方が、体臭が強いためではないか、と考えられています。

ひまわりの「花」は太陽に向かって回転していない
ひまわりは漢字で「向日葵」…つまり、「日を向く花」と名づけられています。
また、英語でもサンフラワー、太陽の花と名づけられています。
このような事からわかるように、ひまわりと言う花は、太陽に向かって回転しているようなイメージを持たれています。
が、実際によく観察してみると、別に太陽に向かって回転するなんてことはありません。
では、何故このように思われてしまったのでしょうか?
実は、ひまわりの「花」は太陽に向かって回転しませんが、つぼみや、茎が若いときには太陽の後を追いかけるようにして動くのです。
つまり、開花する前の若い時期には、太陽の動きに合わせて動き、
夜になるとそっと方向を変えて太陽が出てくるのを待っているのですが、開花後は自由気ままな方向を向くのです。
決して、ひまわりの「花」が太陽の方向を向いて回転することはないのです。

最長の活動停止

生物は、仮死状態におちいり活動が一時停止することがあります。
つまり、一時成長しなくなることがあるのです(冷凍人間なんかも、これです)。
ギネス記録には、その活動停止時間の最長記録が載っています。
1846年、ブリティッシュ・ミュージアム(自然史部門)に2匹のカタツムリが標本として寄贈され、小さな板の上に貼り付けて展示されました。
ところがその4年後の1850年3月、そのうちの一匹が生きているのではないかと疑ったスタッフが、そのカタツムリを板から剥がしてぬるま湯に入れました。
するとなんとしばらくして動き出し、のちには物を食べるようになったのです。
この頑健なカタツムリは2年後に休眠(冬眠)に入り、そのまま死亡しました。
つまり、自然の最長活動停止記録はなんと4年以上にもなるのです。
生命の強さをかいま見る一面であります。

紅葉になるその理由

秋になると木々の葉が美しく紅葉します。
さて、では早速この紅葉の原理を説明しましょう。
葉の中には「葉緑体」という色素体が入っています。
これは光合成を行い、二酸化炭素を酸素にしたり、栄養素であるデンプンを生み出すものです。
その葉緑体の中に、光合成を行うのに必要不可欠な「クロロフィル【chlorophyll】(葉緑素とも言う)」という物質が入っています。
実は、葉の緑色は、このクロロフィルによる物なのです。
夏から秋になり、気温が下がったり日照時間が減ると、葉っぱにはあまり日光が当たらなくなります。
すると、光合成を行えない=栄養分を生み出せなくなってしまいます。
そうすると木は、栄養が足りなくなり、「餓死」してしまう可能性が出てきます。
そこで木は、自分の体の中で不要な部分を切り落とそうとするのです。
その時選ばれるのが、実は葉っぱなのです。
木は、葉っぱを切り落とす際、葉っぱの付け根のところに「仕切り」をします。
こうすると、別の葉で作られた栄養分が、その葉っぱに行かなくなり、木はその分、栄養を他の部分へ回す事ができるのです。
ただ、この方法を用いると、葉っぱに栄養が行かない代わりに、葉っぱからの栄養もやってきません。
すると当然、この葉っぱで作られた栄養分は、葉っぱにたまり続ける事になります。
そして、この栄養分がたまりにたまると、クロロフィルが破壊され、逆に「アントシアン【anthocyan】」という赤色(鮮紅)の色素が形成されます。
そのため、徐々に赤くなっていくというわけです。
また、葉が黄色くなる(黄葉する)のは、「カロテノイド【carotenoid】(カロチノイドとも)」と言う色素があるため。
これは、秋以外でも年中葉の中に含まれていますが、普段はクロロフィルにかき消され、見る事が出来ない色素。
クロロフィルが破壊されても、アントシアンが形成されないと、黄色い葉っぱになるのです。
ちなみに、紅葉の条件としては主に、「昼夜の気温の差が大きい」「日照時間が長い」などが要求されます。
赤い色素アントシアンは、気温がググッと下がった時に形成されやすく、また、日照時間が長ければ長いほど、栄養分が大量に作られるため、アントシアンが大量に作られるからです。
ただ、木が葉っぱとの間に「仕切り」を設ける条件は、日照時間が短くなる事。
つまり、木が「仕切り」を設けたあと、日照時間が長くなるような環境だと、綺麗な紅葉を見る事ができるのです。

手品で使われるハト。何故じっとしていられる?
手品と言えば、たいていハトが出てきます。
ハンカチがハトになったり、バラを燃やしたらハトになったり…と出てくるところは様々ですが、ともかくハト。
さてこのハト。当然そこから突然現れているわけではなく、手品師がどこかに隠しているのですが、どうしてじっと隠れていられるのでしょうか?
実は、ハトに限らず鳥というものは、仰向けにされると大人しくなってしまう性質があるのです。
そういう事態を体が想定していないため、どうしたらいいのかわからなくなり、動けなくなってしまうのです。
したがって、どこかに隠すときは仰向けにしているのです。
また、手品ではギンバトと言う種類のハトが主に使われています。
このギンバトは色が白い上に、羽をたたんだときはかなりの小ささ。
手品師にとって、とても隠しやすいハトなのです。
さらに、ハトと言うのは一見大人しそうですが実は結構どう猛な生物。
人間に危害を加えることは少ないですが、性格的にはちっとも可愛く無い鳥。
しかし、このギンバトはハトの中ではかなり大人しいタイプ。
つまり、仰向けにした際、より大人しいのです。
ただし、このギンバトには、「数が非常に少ない」と言う問題点があります。
普通のペットショップでは滅多に売っておらず、手品師さん達はオスとメスを飼って、ヒナから育てているのだそうです。

恐竜は、UFOを作った!?
恐竜…これを知らない人は、ほとんどいないでしょう。
しかし、その実態は未だナゾに包まれています。
いまから2億年以上前に誕生し、1億年以上も地球上を支配していたにも関わらず、6500万年前に突如絶滅、地球上からその姿を消しました。
恐竜の絶滅した原因は、未だに完全解明はされていません。
現在最有力なのは、「隕石が衝突し、地球がチリで覆われ、気温が急激に下がり、絶滅した」と言う説です。
しかし、これはあくまで一説。もっと突飛な説も、大量にあるのです。
その中の1つに、なんと恐竜はUFO…つまり宇宙船を作り、宇宙へと飛び立った、と言う説があるのです。
と言うのも、恐竜の化石発掘の際、普通は顔の側面に目がついているはずなのに、顔の前面に目がある化石が発見されたのです。
ただ、「顔の前面に目がある化石」と言うより、「他のものに比べ、目の位置が前へずれている化石」と言う程度です。
人類は、今のところ地球上で最も知能の高い生物とされています。
その人類が知能をあげたのは、「目が前面に来ることで物を立体的に見る事ができ、知能が発達したから」と言う説があるのです。
この説に則って考えた結果、
「恐竜の目が顔の前に来たのだから、恐竜の知能も高上したに違いない。
となれば、恐竜がUFOを作り上げ、地球を飛び立っても不思議ではない」
と言う説になったのです。
それならば、突如地球上からその姿を消した理由も、説明がつきます。
そして、時々発見されるUFOは、恐竜たちが故郷の地球を見たいがために戻ってきているのだ、と言うのです。
では、何故住み心地のいい地球を離れたのでしょうか?
その理由は簡単。隕石は、本当に衝突したのです。
しかし、恐竜たちはその前か後にUFOを作り出し、一気に気温が低下した、あるいは低下するであろうと予測された地球から、脱出したわけです。
しかし、それには脱出していた期間があまりにも長すぎ、気がついたとき、地球はすでに我々哺乳類に占領されていた、と言うわけです。
もっとも、これもただの一説に過ぎません。
「こういう説もある」と言うようなだけなので、信じるか信じないかは、あなたの自由です。
ちなみに、この説には追加があって、
「もしも地球に隕石が衝突しなければ、恐竜たちは地球に留まり、この地球は恐竜人間が支配していたはずだ」
とも言われています。

オシドリ夫婦は本当に仲がいいのか?
仲の良い夫婦のことを、「オシドリ夫婦」と言います。
では、本物のオシドリ(鴛鴦)の夫婦は、仲がいいのでしょうか?
本物のオシドリ夫婦は、一緒にいるときは確かにピッタリ寄り添っています。
しかし、たいていの鳥がそうであるように、オシドリもまた、年ごとに相手を変えます。
第一「夫婦」と言う概念は鳥には無く、子どもが巣立ちする一年間は一緒にいても、巣立ってしまえばそれまで。
オシドリ夫婦はあっという間に離婚してしまうのです。
しかし、世の中には例外がつきもので、中には仲の良い鳥の夫婦もいます。
そのトップに位置するのがワシタカ類(ハヤブサ、ハゲワシ、ハゲタカ、コンドルなど)です。
ワシタカは他の鳥のように、年ごとに相手を変えると言うことはしません。
事故などでどちらか一方が死んだりする以外は、寿命のほとんどを同じ相手と過ごし、一緒に子育てまでします。
「オシドリ夫婦」よりも、「ワシタカ夫婦」の方が、仲の良い夫婦の例えとして、最も適切なのです。
しかし…常に夫婦喧嘩が耐えなさそうなイメージがわくのは、何故でしょう…?

キリンの特殊な歩き方
首が長いことで有名な動物、キリン。
そのためバランスが悪いのか、キリンは他の四足歩行する動物(4本足の動物)とは違う、変わった歩き方をします。
まず、キリン以外の動物の場合。
キリン以外の動物では、まず右前足と左後ろ足を同時に前に出します。
その次に、左前足と右後ろ足を同時に前に出して、進んで行きます。
つまり、前後にしても左右にしても、交互に足を出しているわけです。
では、キリンの場合。
キリンの場合は、右前足と右後ろ足を同時に出し、次に左前足と左後ろ足を同時に出して進むのです。
つまり、完璧左右逆に足を出すわけです。
ですので、今度動物園に行ったり、テレビでキリンが出てきた時などに、キリンの足に注目して見てください。
きっと、この特殊な歩き方をしていることでしょう。
ちなみに、ラクダもこの歩き方。
そのため、ラクダに乗っていると、右へ揺れて、左へ揺れて…と、非常に乗りにくいんだそうです。

群れをなす魚。お互いぶつからないのか?
イワシなど、一般に大型の魚(動物)に食べられやすい弱い魚は、群れをなして生活しています。
水族館やテレビなどで、圧倒される魚の群れを見たことがある方もいるでしょう。
ところで、あれほど多くの魚たちは、お互いぶつかってしまわないのでしょうか?
実は、ぶつからないような仕組みが、そこにあるのです。
魚の胴体の側面には、側線器官と呼ばれるものがあります。
「側線器官」とは、魚の側面にある、特殊な器官の総称。ヒトには無い物です。
この側線器官は、魚にとっては第2の目となり、第2の耳となり、昆虫で言う触覚の働きなどもします。
これのおかげで、魚は光の届かない深海や、濁った水の中でも周りの様子を把握する事ができ、獲物を確実に捕らえられるのです。
そして、イワシがぶつからない理由もここにあります。
側線器官は、仲間の魚の動く事で起こる水のかすかな動きや流れ、その強さや方向などを素早く察知。
約0.15秒と言う驚くべき反応速度で仲間の動きを正確に把握し、ぶつからないように動くのです(ヒトの最速反射神経は、0.2秒と言われています)。
そのため、ほぼ瞬間的に全員が方向転換を行うことができるので、ぶつかる事はないのです。

サンゴの正体!
さて、今回は雑学の定番とも言える内容、「サンゴの正体」です。
勘のいい人ならわかると思いますが、この「生物の雑学の部屋」に入っているぐらいですから、サンゴとは生物、生命体です。
「サンゴ(珊瑚)」とは、サンゴ科サンゴ属の腔腸動物(こうちょうどうぶつ)の内のポリプ型の総称です。
腔腸動物とは、単純に言えば胃腸と循環器(血管など)の臓器が1つになった動物の事(このまとまった臓器を「腔腸」と言います)。
イソギンチャクやクラゲなどがその代表例で、他の特徴としては、口の中が直接腔腸になっていること。
また、刺胞と言う、毒針の入った袋を大量に持っていることも大きな特徴です。
この刺胞は腔腸動物に特有の器官で、無論、サンゴもこれを持っています。
ですので、生きているサンゴにあまりちょっかいを出しすぎると、刺されることがあります。
ポリプ型と言うのは、「着生生活をする腔腸動物」の事で、簡単に言えば岩などに張り付いて、一生ほとんど動かない動物の事です。
また、着生しない、つまり浮遊生活をする腔腸動物を、クラゲ型と言います。
では、サンゴの一生を見てみましょう。
生まれ方は、無性生殖と言い、オスメスが無く、アメーバなどのように分裂して生まれます。
分裂したサンゴは、外に放出され、海中を漂います。
そして、太陽光線やエサが豊富、など好条件に恵まれた場所にたまたま着くと、そこでどんどん増え、広がります。
すると、普段我々が「サンゴ」と呼んでいる形状に徐々になっていくのです。
サンゴの食べ物は海中に漂うバクテリアなどの微生物。
先端にある口の周りの触手でこれらを捕らえ、食べます。
サンゴの寿命はよくわかっていませんが、いくら見かけが生物ではなかろうが、死んでしまいます。
すると、見かけは完全に石灰の塊。
そうなったサンゴは、人間によって採られ、装飾品として売られることになるのです。
なお、日本にはサンゴはアカサンゴやモモイロサンゴ、シロサンゴがおり、現在でも装飾に利用されています。
また、ヨーロッパの地中海にはベニサンゴと言う紅いサンゴがいて、古くはシルクロードを通り、日本にもやって来ていたんだそうです。

ゴキブリの記憶力!
世の嫌われ者、ゴキブリ。
凄まじい生命力と運動能力を持つ事で有名ですが、実はゴキブリには、ある物がありません。
それは何かというと、記憶力。
実はゴキブリには、人間で言う記憶力というものが、存在しないのです。
そのため、前日に通った道でも、次の日にはすっかり忘れています。
ところでゴキブリは、たいてい出る場所と言うのが決まっています。
しかし、ゴキブリには記憶力が無いので、食べ物がある場所を記憶しているわけではありません。
では何故いつも同じ場所に出るかと言うと、臭いに反応しているため。
ゴキブリは触角を使って、残飯などの臭いをキャッチします。
また、ゴキブリのフンの中には、集合フェルモンと呼ばれる臭い成分が混じっています。
要するに、ゴキブリはエサや仲間のフンの臭いに引き付けられて行動している、と言うわけです。
なので、前日に自分が残したフンがそこにあれば、ゴキブリは自分の集合フェルモンに引き付けられ、前日と同じ場所に現れる、と言うことです。

淡水魚は水を飲まない!
魚には、「淡水魚」と「海水魚」がいます。
淡水魚とは、湖や川など、淡水(真水)のあるところに住む魚で、
海水魚とは、読んで字のごとく海水、つまり海に住む魚です。
一見住んでいるところが違うだけのような両者。
ところが、実は海水魚は水を飲み、淡水魚は水を飲まないのです。
その理由は、細胞内の塩分濃度の違いによるものです。
溶液(2種類以上の物質が溶けた液体。この場合は、魚の体内の液体)には「浸透」と言う現象が起こります。
これは、濃度の低い方から濃度の高い方へ、液体が流れ出る、と言う現象です。
例えば、「水は通すが、水に溶けた物質は通さない」と言う膜があるとします(これを、半透膜と言います)。
そして、濃度90%の溶液と、濃度10%の溶液をこの膜で仕切ると、濃度10%の溶液の水分だけが徐々に濃度90%の溶液へと流れ込んで行き、
最終的に両者の濃度は同じになります(この時、両者が半透膜を通り抜けようとする圧力の差を、「浸透圧」と言います)。
これが原因となり、海水魚は水を飲み、淡水魚は水を飲まないのです。
と言うのも、海水魚の細胞内の塩分濃度は、海水の塩分濃度よりも低いのです。
そうすると、今述べたように、海水魚の細胞内の水分が、どんどん海水へと流れ出ます。
その為、放って置くとどんどん体がしぼんで死んでしまうため、海水を飲んで体内に水分を取り入れているのです。
もちろん、そのままでは体内の塩分が増えすぎてしまいます。
ですので、海水魚はエラにある「塩類細胞」と言うものを使い、塩分を海中に戻しています。
また、海水魚の尿は、なるべく水分を体の外に出さないようにするため、非常に濃度の高い物になっています。
一方、淡水魚の細胞は、淡水よりも塩分濃度が高くなっており、海水魚とは逆に、放って置いてもどんどん水分が体内に入ってきます。
そのため、水を飲んで体内の水分を増やす必要が無いのです。
ただ、今度はそうすると、体内の塩分が減ってしまうため、エラから塩分を吸収し、さらに大量の尿をする事で、体内の水分量を減らしているのです。

寒い冬、魚が水底に行くのは何故か?
冬、気温がググッ下がり、寒くなると、池などの表面がカチンコチンに凍りつきます。
そんな時、その氷を割って水の中を覗き込むと…夏にはたくさんいた魚たちが、皆いなくなっています。どこへ消えたのでしょう?
実は、魚たちは水底でじっとしているのです。
魚たちは、本能として、冬には水底に行った方が良い事を知っています。
魚は変温動物なので、あまり寒くなると死んでしまいます。そのため、少しでも温かい水底に行こうとするのですが…。
ところで、水には色々な性質があり、そのうちのいくつかを、小学校で習います。
そこで、こんな事も習っているはずです。即ち、「温かい水は上へ行く」。
魚たちは温かい水を求めています。ならば当然、水底ではなく、水の上の方へ来た方が良さそうに見えますが…。
ここから先は、やや科学的な話になります。
実は、水と言うのは変わった物質で、確かに冷たい水は重く、下へ行くのですが、ある程度まで下がると、逆に軽くなるのです。
その境界線が、摂氏4度…つまり、4℃です。
つまり、4℃の水が一番重く、それ以外の水は軽くなる、と言う訳です(何か、不純物が混ざっていれば話は別ですが、この場合は考えなくて良いです)。
池の表面が凍るほど寒い日は、水は0℃すれすれの温度にある、と言う事です。
しかし、それでも水底には、4℃と言う「温かい水」が大量にあるので、魚たちは水底に潜り、暖をとっているのです。
また、この水の性質のおかげで、池などが水底まで完全凍結するという事態が免れるため、生物が生存できた、と言われています。

ネコは何故、丸くなって寝るのか?
「ネコが寝てる姿を想像してください」と言えば、ほとんどの人が丸まって寝ている姿を思い出すでしょう。
では、何故ネコはあんな風に、まん丸になって眠るのでしょうか?
これには、2つの理由を挙げる事が出来ます。
まず1つ目が、単純に「腹が冷えない」と言う事。
四つんばいになり、背中を上にして歩いている生物は、みな背中の方が頑丈に出来ています(カメがその典型です)。
厚い毛皮も背中側にあるため、寒気や危険から大事な背中を守ってくれます。
しかし、当然腹側も大切です。内臓の多くは、腹側に来ているからです。
胸は肋骨で守られていますが、胸より下、腹を守るものは、何もありません。
皮も薄く軟らかいため、ほとんど無防備に近く、簡単に体温が発散してしまいます。
これが、1つ目の理由。
2つ目は、腹を敵から守るためです。
先ほども書いたように、腹は、皮が薄く柔らかい上に、何も守ってくれる器官が存在しません。
そのため、文字通り背に腹は代えられぬ、と腹より頑丈な背中を外に向け、腹を守っているのです。
この、「腹冷え」と「敵襲」の2つの危険から自分を守るために、ネコは体を丸めて眠るのです。
そして、ほとんどの動物は、ネコと同じ理由で、丸まって寝ます。
リスやヤマネも、丸まって寝ますし、イヌも、体が硬くて丸まれないだけで、少しだけ丸まって寝ています。
また、アルマジロやハリネズミ、ダンゴムシなどが危険にさらされたとき、クルリと体を丸めるのも、同じ理由です。
彼らは、背中に強靭な鎧を持っています。
しかし、やはり腹側には何もありません。
そのため、危険にさらされるとすぐさま丸くなり、腹を守るのです。
その他、体を丸めるほとんどの動物は、全て同じ理由に基づいていると言っても、過言ではないのです。
ちなみに、実を言うと、ネコは必ず丸くなって寝る訳ではありません。
ネコが丸くなって寝る理由は、「腹冷え」と「敵襲」から身を守るため。
逆に言えば、これらが取り除かれた状態…つまり、ネコが完全にリラックスした状態だと、
ネコも人間のように、体を伸ばしたり、仰向けになって、ゆっくりと眠るのです。
参考文献;『動物の言い分 人間の言い分』(日高敏隆・著)
inserted by FC2 system