「あ、この部屋の管理人はわたしです。 え? 召し使いと管理人を兼ねていいのかって? …まぁ、ご主人様(キグロ)が命じられた事ですので……」 | |
「この部屋には、他のどの部屋にも属さない雑学が集められています。一番雑学らしい雑学があるのも、この部屋です。 ただし、新しい部屋ができたり、『これはこの部屋に属するのでは?』と思われた雑学は、この部屋から削除されます。 なお、『イグノーベル賞!』以上の50個の雑学は全て、2階に移しました」 |
テレビ中継のリポーター。何故みんな反応が遅いのか? テレビのニュースなどで、海外の情報を伝える時、海外にいるリポーターからの中継が入ります。 この時、日本のスタジオにいるアナウンサーが質問してから、リポーターが答えるまで、不自然な間があります。 しかも1人や2人ではなく、ほぼ全員が…。何故でしょう? 実はこれには、ちょっとした科学的な理由があるのです。 「中継」と言うのは、現場から直接スタジオに映像が送られるのではなく、一度、どこかを経由して送られて来る事です。 この時、地上のテレビ局を経由してスタジオへ来れば、ほとんど間は空きませんが、経由するものによって、間が空くのです。 海外リポートの場合、たいてい、人工衛星が経由に使われます。 中継に使われる衛星は、地上約3万6000kmの上空に浮かんでいます(衛星の用途によって、高度は違う)。 地球の直径が約1万2000kmですので、その3倍にもあたります。 これだけ離れていると、地球が回転する速度(自転する速度)と、衛星が地球の周りを回る速度を同じにする事ができます。 すると、地球上から見た時、衛星が空の1点にずっと止まっているように見えるのです。 例えば、自分が乗っている車の隣を、同じ速度の車が走っている時、相手の車が止まって見えますが、それと同じ事です。 このような衛星を「静止衛星」と言い、気象衛星や通信衛星などは、ほとんどこの部類です。 海外リポートの映像と音声は、一度この静止衛星を経由して、日本へ送り届けられるのです。 逆に言えば、日本のアナウンサーの声も、静止衛星を経由して向こうへ届けられます。 ところで、音声や映像は、電波にのせて送られます。 電波の進む速度は、1秒間に約30万km。そして、静止衛星までの距離は、約3万6000km。 つまり単純に計算すると、電波は静止衛星に届くまでに、0.12秒ほどかかるのです。 そして、静止衛星から向こうのリポーターに電波が届くまで、また0.12秒。 つまり、向こうに届くまでに0.24秒かかる事になります。 また、向こうからこちらへ戻ってくるためには、もう0.24秒かかります。 したがって、合計で0.48秒、かかるわけです。 日本のスタジオのアナウンサーの声は、スタジオからすぐ、家庭のテレビへ送られます。この時間は、ほぼ0秒。 しかし、海外のリポーターの声は、スタジオに届くまで0.48秒かかるため、家庭のテレビへ送られるのも、0.48秒後。 この0.48秒が、あの「不自然な間」なのです。 また、普通は、相手がしゃべり終わってから自分がしゃべるまで、少し間を空けます。 この適度な間が、「不自然な間」の時間をさらに延ばしているのです。 その他の理由としては、向こうのリポーターの反射神経もあります。 また、視聴者側にある「アナウンサーがしゃべり終わってから、リポーターが話し出すまで、大体0.○秒ぐらいだろう」と言う心理も、「不自然な間」を延ばします。 リポーターが、自分の予測した間よりも、長い間を空けると、ホントは短いのに「長い」と感じてしまうのです。 例えるなら、「階段の最後の一段があると思って踏み出したら、無かった」と言うような心理状況に陥るわけです。 このような理由により、海外の中継リポーターはほぼ全員、「不自然な間」を空けてしゃべってしまうのです。 |
ピサの斜塔を真っ直ぐにすると? イタリアの北西部に、ピサと言う都市があります。そう、「ピサの斜塔」でおなじみの街です。 このピサの斜塔ですが、「真っ直ぐにしよう」と訴える人々がいます。 事実、ピサの斜塔は、傾斜が大きくなり、倒れる危険性が高くなった事が過去にあり、 「そのうち本当に倒れるのでは」と心配する人々が、このように訴えているのです。 しかし、ピサの斜塔を真っ直ぐにすると、少し「困った事」が起こります。 そもそも、ピサの斜塔は、何故傾いているのでしょうか? ピサの斜塔は、1173年、大聖堂の鐘塔(鐘楼)として建設が始まりました。 8つの層からなり、イメージとしては、7つの層の上に、1層がちょこんと乗っている、と言う感じ。高さは約55メートルです。 ところが、この塔を10.5メートルまで建てたとき、地盤が一部陥没。そのため、鐘塔は「斜塔」になってしまったのです。 しかし何を思ったか、当時の人々はそのまま建設を続行。起工から約180年後の1350年ごろ、完成しました。 さて、この塔。先ほど述べたように、8つの層からなっていますが、そのうち下の7つは同じ大きさをしていて、最上層だけ、小さくなっています。 ピサの斜塔は、建設時から既に傾いていたので、さすがに当時の人々も「マズイ」と考えたのでしょう。 実は、下の7層は地面に対して傾いていますが、最上層だけは、地面に対して傾いていないのです。 そのため、最上層の小さくなっているところだけ、他の7層と角度が違います。 実際、ピサの斜塔の写真をよく見ると、最上層だけ角度が違う事がわかります(斜塔の向きによってはわからないかもしれませんが)。 そんなわけで、ピサの斜塔を真っ直ぐにすると、「最上層だけ傾く」と言う少し「困った事」が起こるのです。 |
サンタを探せ! 12月24日の夜、子ども達にプレゼントを配るサンタクロースを探し出す…。 サンタが実在するかどうかは別として、こんな夢のある事を、実際に、それも大掛かりにやっている組織があります。 その組織がなんと、アメリカとカナダの軍隊なのです。 アメリカ軍とカナダ軍は、共同で「北米航空宇宙防衛司令部(NORAD/ノーラッド)」を運営しています。 このノーラッドが、「サンタの捜索」を、クリスマスイブの夜、大々的に行っているのです。 ノーラッドは軍の施設なので、軍用のあらゆるハイテク機器が備わっています。 その中の、4つのハイテク機器を使って、イブの夜、世界中を駆け回るサンタを追跡します。 1つ目が、レーダー。 ノーラッドの強力レーダーは、アラスカとカナダ北部の計47か所に設置されています。 もしサンタがどこからか出発すれば、このレーダーが、それを察知します。 2つ目は、「サテライト」と呼ばれる機械。 サテライトは、地球の上空約3万6000キロメートルの宇宙空間で、地球の周りを回っている人工衛星です。 この軌道は「静止軌道」と呼ばれ、地球から見たとき、人工衛星が常に上空の1点に止まっているように見える軌道です。 サテライトは元々、対ミサイル用の機械で、ミサイルが発する赤外線をキャッチし、追跡します。 サンタのソリを引っ張るトナカイの中に、「ルドルフ」という名のトナカイがいます。 日本で、「赤い鼻のトナカイ」と歌われているのが、彼。 彼の鼻からは、赤外線が出ているはずなので、それを追跡するのです。 (実際には、サンタとトナカイ全体から赤外線が出ているはずですが、何故かノーラッドのHPでは、こう説明されています) 3つ目は、サンタ追跡のためだけに設置された、「サンタカム」という機械。 サンタカムは1998年から使い始めた機械で(この年から、このサンタ追跡作戦が、インターネット上で公開された)、 世界中のあらゆる場所に設置された、高速度のデジタルカメラです。 サンタがアメリカに入ってくるであろう時間の、約1時間前に電源を入れ、サンタとソリがやってくるのを待ちます。 そして、サンタとソリが目の前を通ると、自慢の高速でシャッターを切ります。 最後の4つ目が、ジェット戦闘機。 ノーラッド戦闘パイロットがジェット戦闘機をかっ飛ばし、サンタに接触し、北アメリカにやって来たサンタを、歓迎します。 そして、別なパイロットがサンタを誘導しながら、カナダ各地を飛行。 さらに、サンタと、サンタを引っ張ってきたトナカイたちと共に、ジェット戦闘機がスリル溢れる飛行を行うのです。 なお、これらジェット戦闘機12機に、サンタカムも設置されています。 ちなみに、この企画が始まったきっかけは、1955年。 「サンタと会話ができる!」と言う広告が、誤って自分の電話番号ではなくアメリカ軍の電話番号を掲載してしまいました。 初めて電話を受けたのは、指令長官のハリー・シャウプ大佐。 事情を察した彼は、部下にレーダーでサンタを追跡させ、電話をかけて来た子ども達に、サンタの現在地を知らせたのです。 ここから、「サンタ追跡作戦」が始まりました。 参考文献;NORAD Tracks Santa 2005【http://www.noradsanta.org/index.php】 |
国内運転免許第1号の悲劇 車を運転するためには、免許が必要です。では、日本で最初に免許を取ったのは、どこの誰でしょう? 日本に自動車が登場したのは、明治30年代(1897〜1906)の事。 しかし当時は自動車は少なく、免許制度もなかったので、全員好き勝手に乗り回していました。 ですが、明治40年(1907年)になると、警視庁が自動車取締規則を公布し、運転を免許制にしました。 さて、その第1号は、渡辺守貞(わたなべもりえ)と言う人。 この人は三井高保と言う男爵のお抱え運転手。三井家が自動車を購入したので、その運転手となりました。 と言うわけで、免許第1号は渡辺守貞さん……なのですが、この話には続きがあります。 それから14年後の大正10年(1921年)。 東京の上野駅構内の踏み切りで、自動車が故障し(つまりエンコし)、貨物列車が衝突すると言う事故が起こりました。 運転手は無事でしたが、この運転手がなんと先ほどの渡辺守貞さん。 彼は、この事故のため、運転免許を没収されました。 そして、これが日本初の自動車運転免許取消となったのです。 つまり日本は、初の運転免許所得者と、初の運転免許取消者が、同一人物なのです。 車を運転する時は、どうぞ安全運転を心がけてください。 |
もう1つのオリンピック? 4年に1度開かれる世界的な大会が、オリンピックです。 あまり有名ではありませんが、それに平行して、もう1つのオリンピックも開催されているのです。 その名も、「パラリンピック」。 これは、「パラレル(平行の)」と「オリンピック」を合わせた言葉です。 ただし、これは現在の呼び名。本来は、「パラプリジック」と「オリンピック」を合わせた言葉でした。 「パラプリジック」とは、「(半身)不随」、つまり、体の半分が麻痺して動かない事。 パラリンピックは、こうした身体障害者のみが参加できる、世界的な大会なのです。 (パラプリジックオリンピックがパラレルオリンピックになったのは、半身不随以外の方も参加するようになったから) 事の起こりは、第二次世界大戦。 この戦争で傷ついた兵士たちが、イギリスのストローク・マンデビル病院に担ぎ込まれました。 治療の甲斐あり、彼らは一命を取り止めましたが、脊髄を負傷して、体が麻痺してしまいました。 この病院の医師、ルードウィッヒ・グットマンは、「麻痺を軽減させるいい方法は何かないか」と考えました。 そして思いついたのが、スポーツによるリハビリ。つまり、体が麻痺した患者さんに軽いスポーツをやってもらったのです。 1948年7月28日。ロンドンオリンピックの開会式と同じ日に、車椅子の入院患者によるアーチェリー大会が開かれました。 この大会は毎年開催され、1952年には国際大会になりました(その時の参加国は、イギリスとオランダのみ)。 1960年には、グッドマンを会長とした「国際ストーク・マンデビル大会委員会」が組織され、 その年のオリンピックが開催されたローマで、大会が開かれました。 この大会は現在、第1回パラリンピックと呼ばれています。 第1回と第2回は、オリンピックと同じ場所で開催されましたが、それ以降はオリンピックとは関係の無い場所で、4年に1度開催されました。 しかし、1976年モントリオールオリンピックの年から、オリンピックと同じ場所でパラリンピックを開く事になり、 同時に、この年から冬季大会も始まりました。 また、ソウル大会以後、オリンピックと同じ場所で開く事が義務付けられました。 ところで、一口に「障害」と言っても、その度合いは人それぞれです。 そこでパラリンピックでは、障害が重い人が不利にならないように、使う道具やルールなどが細かく決められています。 ちなみに、夏季第2回パラリンピックは東京で、冬季第7回パラリンピックは長野で、それぞれ開かれています。 また、2004年アテネパラリンピックでは、日本人参加選手は全部で163人(全参加選手3969人)。 参加国144か国中10位と言う、好成績を収めました。 |
3月14日はこんな日でもある 3月14日は、言わずと知れたホワイトデー。 バレンタインに女性からプレゼントをもらった男性が、女性にお返しをする日です。 実はそのホワイトデー、同時に「パイの日」でもあるのです。 「パイ」とは、「π」と書きます。そう、円周率の事です。 円周率は、3.1415926535……と永遠に続く数字ですが、その最初の3文字は、「3.14」。 そのため、3月14日は「πの日(円周率の日)」と言われるようになりました。 また、「円周率π=3.14」から、数学検定協会が3月14日を「数学の日」ともしました。 さらに面白い事に、3月14日は、ある有名人の誕生日でもあります。 その人物とは、相対性理論で有名な理論物理学者、アルバート・アインシュタイン(1879〜1955)です。 ちなみにこの「ホワイトデー」ですが、何故「ホワイト(白)」なのでしょう? 実はホワイトデーとは、バレンタインデーでチョコレートの売り上げが飛躍的に伸びたのを見て、 全国飴菓子工業協同組合という組合が考え付き、1980年から始めたものなのです。 キャンディーの原料は砂糖。砂糖は白。だから「ホワイトデー」となったのです。 なお、『2月14日はこんな日でもある』もあわせてご覧頂けば、より楽しめます。 |
ケチから生まれたシルエット 「シルエット」とは、影絵など、輪郭だけを描いて中を黒く塗りつぶした絵の事です。 よくよく考えてみると、なかなか斬新なアイディアですが、どの様な経緯で生まれたのでしょうか? シルエットが生まれたのは、18世紀のフランス。 エティエンヌ・ド・シルエット(Etienne de Silhouette)と言う人物の名が語源となっています。 ルイ15世の時代に財務長官(大臣)を務めたシルエットさんは、大変な倹約家…つまりケチでした。 当時のフランスはオーストリアなどと戦争をしており、深刻な財政難に悩まされていました。 そこで、シルエットは大々的な経費削減、税金値上げを敢行。 「人の呼吸にまで税をとる」と陰口を叩かれるほどの課税ぶりでした。 ところで、当時のフランスにはある慣習がありました。 それは、「大臣は必ず肖像画を描いてもらう」と言うもの。 当然、大臣であるシルエットも、肖像画を描く事になりました。 ところが、あろう事か、シルエットは「肖像画を描くなんて金がもったいない! 影だけにしろ!」と言ったのです。 そして、シルエットの肖像画は、希望通り輪郭だけ描かれ、内側は黒く塗りつぶされました。 そう、これが「シルエット」の始まりなのです。 ちなみに、これには別な説もあり、単にシルエットさんが切り絵が好きだったから、とする説もあります。 いずれにせよ、白と黒だけで描かれる芸術は、18世紀のシルエットさんから生まれた言葉なのです。 …どうでもいいですが、「白黒」と「シルエット」の語呂が、なんとなく似ているような気は…しませんか? |
十万円玉がある! 日本の硬貨と言えば、1円玉、5円玉、10円玉、50円玉、100円玉、500円玉の6種類です。 たまに記念硬貨が発行されますが、それらも基本は上記6種類です。 ところが、2007年3月現在、日本で一番価値のある硬貨は、なんと10万円玉なのです。 昭和61(1986)年11月10日、昭和天皇が在位60年を迎えた事を記念して発行された「昭和天皇御在位60年記念金貨」と、 平成3(1991)年4月10日、現在の天皇が即位した事を記念して発行された「天皇陛下御即位記念金貨」の2つが、10万円玉となっています。 (昭和天皇御在位60年記念金貨は、昭和62年5月13日にも発行されています) 発行枚数は、昭和天皇御在位60年記念金貨が1千万枚+百万枚。天皇陛下御即位記念金貨が200万枚です。 昭和天皇御即位60年記念金貨は、 表に鳩(平和の象徴)と水(日本の自然、稲作文化の象徴)が描かれ、裏に菊の御紋章が描かれています。 素材は100%の純金20g。直径30mmの円盤形をしています。 また、天皇陛下御即位記念金貨は、 表に鳳凰と瑞雲(ずいうん/めでたい事の前兆として現れる雲)が、裏に菊の御紋と桐と唐草が描かれています。 素材は100%の純金30g。昭和天皇御即位60年記念金貨より少し大きい、直径33mmとなっています。 昭和天皇御即位60年記念金貨は、発行と同時に1万円銀貨、500円白銅貨が発行され、 天皇陛下御即位記念金貨は、500円白銅貨が一緒に発行されています。 これらは普通にお店で使えば10万円の買い物が出来ますが、小売価格は15万円程度、と目されています(完全未使用の場合)。 参考文献;記念硬貨収集を自慢!【http://coin.sakuraweb.com/collection/】 記念貨幣一覧【http://www.mint.go.jp/data/page02.html】(独立法人造幣局【http://www.mint.go.jp/index.html】内) |
名前で52億円稼いだ国 インターネット上で住所のような役割をしているドメイン。その末尾は「トップレベルドメイン」と呼ばれています。 具体的には .com とか、.net とかの事です。 このうち、国ごとに割り振られているトップレベルドメインを特に「国別コードトップレベルドメイン(ccTLD)」と呼びます。 例えば、.jp は日本の、.us はアメリカのccTLDです。 ところで、このccTLDで大儲けをした国があります。 南太平洋に浮かぶ8つの島からなる国、ツバル(英語表記;Tuval)。ここのccTLDは「.tv」です。 これに目をつけたアメリカの企業「dotTV社(当時)」がこの使用権を獲得するため、ツバル政府と5000万ドルの契約(10年間有効)を結びました。 これはツバルの年間国家予算1400万ドル(約15億円)の3.5倍に匹敵します。 ツバルはこの資金を元に、2000年に189番目の国連加盟国になりました。 一方のdotTV社は、世界中のテレビ局相手にこの「.tv」ドメインを使ったアドレスを大量に作り、競売にかけました。 その中には、日本向けに作られた「nihon.tv」や「asahi.tv」などもありました。 また実際には、テレビ関係に限らず広く利用されているようです。 そして2002年、「.tv」ドメインはVeriSignと言うインターネットのセキュリティ管理を行っている会社に、企業ごと買収されました。 なお、こちらのサイト【http://www.tv/】(英語。音声が出ます)から、.tvドメインを取得する事が出来ます。 |
視聴率って、どうやって調べてるの? あるテレビ番組がどのぐらいの人に見られているか、を示すのが「視聴率」です。 別に、誰かが自分のところに見たテレビを聞きに来たわけでもないのに、何故視聴率がわかるのでしょうか。 また、誰かが視聴率の調査に協力している、と言う話も聞きません。何故でしょう。 視聴率の調査には、視聴率を調べるための専用の機械「オンラインメーター」か「ピープルメーター」を使用します。 この機械が設置してある家庭でのみ、視聴率を調べる事ができます。 オンラインメーターを取り付けたテレビで番組を視聴すると、1分毎に機械が電話回線で親コンピュータにデータを送信。 それを元に視聴率を割り出します。 ただし、この方法では「その家でその番組見た」と言う事はわかりますが、「誰が見たか」はわかりません。 それを調べるのがピープルメーター。 テレビを見る際に機械についた自分のボタンを押す事で、「自分が今テレビを見てますよー」と言う情報を機械に与え、それを機械が送信します。 もちろんこの際ボタンを押し忘れると、誰が見ているのかはわかりません。 視聴率を調べる方法はもうひとつ、「日記」があります。 自分の見た番組を5分単位で専用紙に書き込んでいくのですが、テレビを見るたびにきちんと記録しないと、あとで思い出すのが大変です。 ですが、この方法だと機械がない他人の家でテレビを見た場合でも視聴率を調べられる、と言う利点があります。 このように、視聴率を調べるためには「視聴者の家に機械を置くか自分で記録してもらうか」をする必要があるので、全日本人相手に調査をしているわけではありません。 家に機械がない、あるいは記録をつけていなければ、あなたは調査対象にはなっていないのです。 ところで、冒頭に述べたように「自分が視聴率調査に協力している」と言う話を聞いた事もありません。 これは、視聴率調査を依頼された際、秘密厳守を約束させられるからです。 どのテレビ局も視聴率を上げたいと思っているので、誰が参加しているのかわかったら、その人に特定の番組を見るよう働きかける事ができてしまいます。 そのため、誰が協力しているかは絶対に秘密で、万が一ばれ場合はすぐに調査対象から外されてしまいます。 なお、録画した番組は視聴率には含まれません。 ちなみに2007年現在、関東地区、関西地区、名古屋地区では600世帯で調査を行っており、1つの家では2年間調査します(他の地区では3年間)。 その2年が終了したら、機械は次の家へ。そこでまた2年間、調査をします。 いままで一度も調査に協力した事がなくとも、これからあなたが調査対象になる可能性は十分にあるのです。 参考文献;株式会社ビデオリサーチ【http://www.videor.co.jp/index.htm】 |
男の声が低くなり、女の声が高くなる理由 「もちろんホルモンによるものだ」 と言うことを言いたいわけではありません(まぁ、これも間違いではないですが…)。 何故、こうなるように遺伝子が作られたか? その根本的理由です。 その理由は、はるか昔。まだ人間が狩りをしていた頃までさかのぼると、わかりやすいです。 その頃、女は家にいて子育てをし、男は狩りをしに外に出かけていました。 男の役目はこれ以外にも、夜中に家を襲ってくる獣を倒す、と言う役目もありました。 男には本来、「弱きを守らねば」と言う本能が備わっているのです。 そのため、男は幼児っぽい声を聞くと、「守らねばならない」と言う妙な使命感を覚えるのです。 その「幼児っぽい声」こそ、女性の高い声なのです。 いま言ったように、男は家を守っていました。 それは同時に女や子どもを守ることであり、女は守ってもらうために高い声を出していたのです。 そのため、女性の声は高くなっているのです。 では、男の低い声はと言うと、それは言ってみれば女の気を惹くため。 男の低い声は男性ホルモンのレベル…すなわち「男らしさ」を物語っているのです。 「あの人、ひょっとしてわたしに気がある?」 そんなときは声に注目。 子どもだと通用しませんが、大人の世界ならばこれである程度相手の気持ちが把握できるはずです。 ちなみに、こんな見解もあります。 だいたいはこの通りなのですが、太りすぎの女性に限っては、高い声は大きな体がかもし出す威圧感を打ち消すためのものだというのです。 どっちにしろ、女は高い声をうまく使って、男に自らを守らせているのです。 |
男女でボタンの向きが逆なのは何故か? 自分から見ると、服のボタンは、男性の場合は右に、女性の場合は左についています。 このように、男女でボタンの位置が違うわけですが、これは一体何故でしょう? これは、貴族時代に由来します。 過去、貴族の女性は、洋服を女中(召し使い)に着させていました(全部着させていたのか、手伝わせていたのか不明。どなたか知っていたら、教えてください)。 しかし、着ている人から見て右側にボタンがある服だと、他人がボタンを留める場合は、非常に留めにくくなってしまいます。 右利きの場合は、右側にボタンがある方が留めやすいのですが、このような服だと、他人から見ると左側にボタンがあるからです。 そこで、ボタンの位置をあらかじめ左に作るようにしました。 こうすると、外から見ればボタンが右側にあるため、ボタンを非常に留めやすくなります。 こうした理由で、男女のボタンの位置が逆になってしまったのです。 男性は右のままで、女性のボタンだけひっくり返った理由は、女性の場合、背中にボタンがある服も着ていたため。 以上の理由で、男女のボタンの位置が逆転してしまったのでした。 |
悲劇!? ゴッホの生涯 有名な画家は多数いますが、今回の話はそのうちの1人、ゴッホが主役です。 生まれは1853年3月30日。オランダ南部のズンデルト。 今では天才画家として有名ですが、実は画家になる決心をしたのは1880年ごろ、27歳の時でした。 彼の弟テオに、その旨を手紙で伝えています。 ちなみにそれまでは、美術商で働いたり、牧師を目指して勉強したりしていました(仮免許を得て、少し活動していました)。 が、それから10年。画家としての活動を続けるも、全く評価されず、絵も1枚も売れませんでした。 しかし、ついに“その日”は来ました。 1890年3月20日、第6回「アンダパンダン展」に出品された10点のゴッホの作品は、画家たちの間で大好評となり、 同年にブリュッセルで開かれた「20人展」でゴッホの作品『赤いブドウ畑』が高額で売れたのです。 ところが、実はこの時、ゴッホは精神を錯乱しており、それどころではありませんでした。 同年7月27日。ゴッホは自らの胸を猟銃で撃ち、病院に運ばれたものの2日後の29日に、37歳でこの世を去りました。 ゴッホが画家としての活動を続けたのは、このたった10年間。 そしてその間に売れたのは、『赤いブドウ畑』たった1枚。 数十年後に「天才」と呼ばれる事など露知らず、精神に異常を来たし自ら短い生涯に幕を下ろした、1人の画家の話でした。 参考文献;ゴッホの生涯【http://www.geocities.jp/twentyfirstnet/gogh/】 |
自転車のライトって何か意味あるの? 普通の自転車にはライトがついています。 でも、暗い夜道であの小さなライトが役立つとはあまり思えません。 確かに少しは前方を照らしてくれますが、車のヘッドライトには及びませんし、 街灯があれば点灯しなくても十分前を見る事ができます。 というわけで、あのライトは不要…かと思えば、意外とちゃんとした理由があります。 あのライトは、自分が「見る」ためにあるのではなく、相手に「見せる」ためにあるのです。 歩行者と自転車が衝突して歩行者が死亡したケースもあり、自転車は意外と危険な乗り物です。 そして、街灯があっても、向こうから猛スピードで来る自転車はなかなか見えない物です。 ですが、この自転車がライトを点けていれば、遠くからでも自転車がやって来る事がわかり、避ける事ができます。 自転車を運転する側からすれば歩行者が見えないわけですが、歩行者が勝手に避けてくれる、というわけです。 …もっとも、だからと言ってライトを点ければ夜間でも猛スピードを出していいかと言うと、そう言うわけではありませんが。 夜間はあまり速度を出さず、安全運転を心がけてください。 |
フランスのじゃんけんは、手が4つある 日本でじゃんけんと言えば、「じゃん、けん、ぽん」の合図とともに手を出し、その手の形で勝敗を決めるゲームです。 手の形は、握りこぶしで石を意味する「グー」、Vサインで鋏を意味する「ちょき」、そして手を開いて紙を意味する「パー」の3つです。 じゃんけんは世界各国に存在し、掛け声や手の意味、形は国により様々です。 例えば中国(北京)では、パーは布を意味します。さらに上海では、グーはハンマーを、パーは爆発を意味します(強弱関係は同じ)。 ドイツでは、グーは握りこぶしではなく、親指を立てた形(グッジョブ、などと言うときのような形)で、意味はハンマーです。 またパーも、手のひらを下に向けて出します。 そして、変化球の最たるものが、フランス式じゃんけん。 手の形は日本と同じ。意味は、パーが木の葉ですが、あとの2つはそのまま。 ただし、手がもう1つ追加され、4つの手が存在します。 その4つ目は、「井戸(ピュイ)」。手を、鳥のくちばしのようにすぼめ、穴を上に向けます。 井戸は「石や鋏を沈めることが出来る」のでグーとチョキに勝ち、「木の葉で蓋をされてしまう」のでパーに負けます。 残り3つの強弱関係は変わらないので、図にすると次のようになります。 矢印の向きが「勝つ」向き。カッコの中は、フランス語での発音です。 グー、チョキ、パーの三すくみはそのままに、さらにチョキ、パー、井戸の三すくみ。 加えてグーはチョキに勝ち、チョキはパーに勝ち、パーは井戸に勝ち、井戸はグーに勝つという"四すくみ"の構造まで出来ています。 一見すると、井戸とパーは「勝ち」が2つあるので強そうです。 ですが井戸よりパーが強いので、同じ「勝ち2つ」ならパーを出した方が良い、 でもそうすると相手はチョキを出してくるかも知れないから、裏をかいてグーを出すべき。 しかしグーはパーにも井戸にも負けるので、相手が有利な「勝ち2つ」の手を出してきたら負けてしまう……。 フランス式じゃんけんを使うと、より複雑になったルールで、より複雑な心理戦が楽しめるかもしれません。 ちなみに、実はドイツも地域によってはフランスと同じじゃんけんを行います。 グーの意味はハンマーのまま、また井戸は手をすぼめず筒のように丸めます。強弱関係は上の図と同じです。 なお、日本のじゃんけんを2人でやると、自分が勝つ確率、負ける確率、引き分けの確率はすべて3分の1ですが、 フランス式のじゃんけんでは、勝つ確率と負ける確率がそれぞれ8分の3、引き分けの確率が8分の2です。 参考文献;『大人と子どものあそびの教科書 世界のじゃんけん』(田中ひろし/著、こどもくらぶ/編、2002) |