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脳のしわが多いと本当に頭が良いか? 頭と顔と額の区別
火事場の馬鹿力って本当に出るの? 爪の根元の白い部分が大きいと健康って本当?
目は2つあるのにどうして1つに見えるの? 正座をするとなぜ足がしびれるのか?
どうして筋肉痛になるの? 喉ちんこの正式名称&出来方
盲点は何故おこる? ガンの死亡率が下げられる!?
暑い時には、熱い物を食うべきなのか? あくびをすると、何故涙が出てくる?
サツマイモで本当に屁が出る!? 関節が鳴るのは何故?
剣道で一日中頭を殴り合っていてバカにならないのか? 実は誰でも“麻薬”を持っている
感電すると何故動けなくなるか? 笑う門には福来る!?
何故右利きが多いのか? ほろ酔いと泥酔、なにが違う?
人間の細胞のうち、最も寿命が短いもの 腹がへると何故イライラするか?
風邪を引くと、何故体温が上がるのか? 驚きの咳の風速
梅干しを見ると何故つばが出る? お腹が空くと鳴るのは何故?
興奮すると「手に汗を握る」のは何故? 胃は何故胃液で溶けないのか?
盲腸は何故あっても無くてもいいのか? 怪我した時の血は赤いのに、何故採血の血は赤黒いのか?
一夜漬けで覚えた記憶は、一夜で忘れる!? 魚を食べると本当に頭がよくなるのか?
続・魚を食べると本当に頭が良くなるのか? 白い歯よりも黄色い歯の方が丈夫!
カルシウムを採ると、本当にストレスが減るのか? 人は眠らないとどうなるのか?
汗と涙と血を結晶化させると? アミノ酸ってなに?
火傷のあと、水ぶくれができるのは何故? 髪の毛あれこれ
血液の速度 日に当たると何故肌が黒くなるのか?
「百聞は一見にしかず」の医学的根拠 あくびは何故出る?
胃がなくても生きられる!? 死後硬直は何故起こる?
風邪をひきやすい人とひきにくい人、何がどう違う? 突き指は引っ張ってはいけない
寝返りは、何故うつのか? 喉元過ぎれば熱さを忘れる?

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脳のしわが多いと本当に頭が良いか?
脳のしわが多いと頭がいい。と、よく言われますが、本当に頭が良いのでしょうか?
たしかに、イヌやサルは脳のしわがおおく、サカナ、カエル、ネズミなどの脳のしわは少ししかありません。
が、しかし、イルカの脳のしわは、人間より多いのです。
確かにイルカは利口な生物ですが、人間以上と言えるかどうかは考えものです。
では、お次は実例を見てみましょう。
人間の脳のしわの数は、世界的に見ても大差ありません。
また、脳の大きさは年齢、性別、体格、人種などによって決まり、これも頭の善し悪しとはあまり関係がないようです。
脳のしわが多いと頭が良いか? の前に、脳のしわが多い人を探すのが先決のようです。

頭と顔と額の区別
頭と顔と額。どのように区別するのでしょうか。
解剖学では、頭と顔は頭蓋骨の骨格をもとにして区別しています。
頭と顔を分ける線は、耳の穴から始まり、眉毛の上を通って、鼻の付け根の上を通り、また眉毛の上を通り、反対側の耳の穴まで続く曲線です。
もっとも、人によってはほぼ直線になるかもしれませんが…。
そして、額とは、眉毛の最上部から、髪の毛の最下部までの間のことです。
ちなみに、解剖学では、額は前頭部とよんで、頭に含めているそうです。
なお、「とても少ない」と言う意味で「ネコの額ほど」と言う諺がありますが、ネコには眉毛が無いので、額は無い事になります。

火事場の馬鹿力って本当にでるの?
結論から言いますと、本当に出るそうです。
人間が体を動かすには、筋肉を使います。もちろん、物を運んだり、持ち上げたりする時も。
筋肉は、筋繊維と呼ばれる細長い細胞が束になっており、その筋繊維はひと1人の体の中に約60億あります。
そしてこの筋繊維に神経を通して刺激が与えられ、収縮することによっておこるのが筋肉の運動です。
しかし、日常生活の中では、全ての筋繊維が使われてはおらず、一部の筋繊維には、脳からの「あまり働くな」と言う命令が下されています。
常に全ての筋繊維を使っていると、その分エネルギーが必要になる(疲れる)ため、必要最小限しか使わないのです。
そのため、常に使っている筋繊維は、最大でも全体の50〜60%と言われています。
ところが、火事や地震、その他の緊急事態(突発事態)におちいったときは、脳が混乱。抑制作用が解除されます。
そのため、普段は使われない筋繊維や筋肉が使われ、本人も信じられないような馬鹿力が出る、と言うわけです。

爪の根元の白い部分が大きいと健康って本当?
爪の根元の白い部分…これは爪半月(そうはんげつ)と呼びます。
さて、ここが大きいと健康なのか? 結論から言うと、あまり根拠の無い話だそうで。
大きいと健康と言う話だと、爪が真っ白だととても健康なのか? となってしまいます。
そもそも爪半月とは、作られたばかりの新しい爪。
この爪半月は、幼児では出現率が低く、20歳頃に出現率が最高。そして、50歳を過ぎると、減少していきます。
爪半月の大きさは個人差があり、指によっても違います。
20歳男性の親指の爪半月出現率は95%で、小指は35%と言われています。
7本以上の指に爪半月がある人は52%で、逆に全く無い人はたったの3%と言う調査結果もあるようです。
ただ、栄養状態によって微妙に変化する事はあるようなので、毎日観察し続ければ、栄養管理ぐらいは出来るかも知れません。

目は2つあるのにどうして1つに見えるの?
人間には、目が2つあります。では何故物は1つに見えるのでしょうか?
これは、早い話、目で捉えた画像を脳内で処理し、合成しているから、です。
しかし、目が2つある事には、実は重大な意味があります。
まず、右目を閉じてみてください。次に、左目だけ閉じてみてください。
右目と左目、見える画像が、微妙に違っているはずです。
この左右の目で捉えた画像の微妙な違い。
この違いは、脳へ「2枚の画像」として送られますが、脳はこれを、1枚の画像にします。
しかしその時、「2枚の画像」の微妙なずれから、脳は捉えた物体までの距離を割り出すのです。
近くと遠くに物が置いてあれば、我々は、2つの物体どちらの方が遠くにあるか、わかります。
ですが、片目で見ると、どちらが遠くにあるのか、把握できなくなるのです。
片目を閉じた状態で、針に糸を通してもらえれば、すぐにわかることでしょう。
なお、動物を観察すると、獲物を追いかける肉食動物は目が顔の前に、獲物を追いかけない草食動物は目が横についています。
これは、肉食動物は獲物までの距離を測る必要があり、草食動物は自分を食べる肉食動物がいないかどうか、広範囲を見る必要があるためです。
2枚の画像の重なる部分が多ければ多いほど、広範囲の遠近感がわかります。
顔の前に目があると、当然、画像の重なる部分は増えます。
一方、顔の横に目があると、広範囲が見渡せる代わりに、画像の重なる部分は減る、と言うわけです。


正座をすると、なぜ足がしびれるのか?
正座をすると足がしびれます。何故でしょうか?
足がしびれる原因は、血流が途絶える事にあります。
正座をすると、膝から足の下にかけて圧迫されます。
そのため、足の先まで血液がうまく行かず、酸素が減ってしまうのです。
そして起こるのが、あの「しびれた」と言う現象のなのです。
なお、正座と言うのは、「酸素が減る」ぐらいですから、あまり人体によろしい行為ではありません。
あまり長時間正座をしていると、壊死(えし/細胞が大量に死ぬ事)し、敗血症になる可能性があります。
敗血症とは、壊死したり、化膿した部分から菌が入り込む事。
つまり、長時間の正座によって、妙な病気にかかる可能性もある、と言うわけです。
くれぐれも、ご注意を。

どうして筋肉痛になるの?
激しい運動をすると、次の日には激しい痛み…。
そう、筋肉痛です。
しかし、なぜ激しい運動をすると筋肉痛になるのでしょうか?
筋肉痛になると、その名の通り、筋肉が痛くなります。
筋肉とは、細い「筋繊維」と言うものが束になったものです。
激しい運動をすると、その筋繊維が切れてしまうのです。
これが、筋肉痛の正体。
しかし、普段から激しい運動をしている人は、だんだん筋繊維が丈夫になってきて、切れにくくなります。
そのため、よく運動する人や、スポーツ選手は筋肉痛になり難いのです。

喉ちんこの正式名称&出来方
口の奥にある喉ちんこと呼ばれるもの。
こいつの正式名称を知っていますか?
これの正式名称は、口蓋垂(こうがいすい)と言います。
この口蓋垂は、こうして作られます。
人間は、胎児の時、あごが左右に分かれています。
そして、成長するにしたがって、左右のあごが徐々に近付き、くっ付いていきます。
その時にはみ出る肉が、口蓋垂になる訳です。
ちなみに、この口蓋垂。何の役に立っているのでしょう?
詳しい事は良くわかっていないようですが(資料によってデータが異なる)、
一説には、物を飲み込むとき、それが鼻の方へ間違って入ってしまわないように、穴を塞ぐ役目がある、と言われています。
また、声を出す時に、音を調整する役目も担っています。
日本語には少ないのですが、フランス語やドイツ語、トルコ語などで使用されています。
日本語でも、「(ホン)」などと言う時の「ン」は、「口蓋垂鼻音」と言う発音になっています。

盲点は何故おこる?
盲点とは、2つの点のうち、1個が消えて見えてしまう現象。
やり方は、片目を閉じ、閉じた方の点をもう片方の目で見て、30〜40cm離すと片方が消えたように見えます。
さて、この現象、何故おこるのでしょうか?
まず、目の構造から説明しましょう。
目は球体をしていて、一番奥に、網膜と言うものがありあます。
目に入って来た画像は、この網膜に映し出され、ここから脳へ信号が送られていくのです。
ちょうど、カメラで言うフィルムの部分です。
この網膜は、目の内側のほとんど全体を覆っているのですが…たった2点、覆っていない部分があります。
それは、光を取り入れるレンズの役割をしている「水晶体」の付近と、目の奥の、少し下辺りです。
網膜で捉えた画像は、視神経を通して脳に伝えられます。
そしてこの視神経は、網膜の裏の1点から、束になって脳へ繋がっているのです。
この、視神経が繋がっているただ1点。ここは、網膜が無いところなのです。
そのため、ここに当たった光は、捉える事が出来ません。
そして、この点に光が当たった時起こる現象が、「盲点現象」なのです。
なお、盲点は「あるのに見えない現象」と言われていますが、心理学的には、「見えないのに見える現象」とされています。
どう言う事かと言いますと、こう言う事です。
もし、本当に見えないのならば、その点は「無」に見えるはずです。
しかし、例えば青い紙をバックに盲点を試してみると、紙の上の点は消えますが、その点があった場所は、青色になるのです。
もし見えないならば、「無」つまり「青」には見えないはずなのです。
これは、「見えない部分」を、脳が「たぶんこうだろう」と勝手に修正した結果起こる現象。
いわゆる「騙し絵」に引っかかるのと、同じような現象なのです。

ガンの死亡率が下げられる!?
ガンは2002年の現在医学では不治の病とされています。
が、しかし、死亡率を下げることは出来るのです。
しかも、その方法とはある飲み物を飲むこと、ただそれだけ。その飲み物は、なんと
お酒
だからといって、がぶ飲みしていいわけではありません。
仮にお酒を全く飲まない人のガンの死亡率を1としましょう。
すると、お酒をがぶ飲みする人は3〜4ほどにもなり、大変死亡率があがってしまいます。
では、どうやってお酒を飲めば死亡率が下がるのでしょうか?
その方法は、2日に1杯だけ、杯(さかずき)で飲む、と言う方法。
2日に1杯。しかも、あの小さな杯で、です。
愛飲酒にはちょっときつい条件ではありますが、お酒にそれほど弱くなく、それほど好きでもない方、試してみてはいかがでしょうか?
病気はなった後より、なる前の予防が大事です。
ちなみに、1日1杯ずつ杯で飲んだ場合、死亡率はほとんど変わらないそうです。

暑い時には、熱い物を食うべきなのか?
暑い時には熱くて辛い、カレーを食べれば涼しくなる! と言う人がいます。
逆に、暑い時に熱い物を食べたら、もっと暑くなるじゃん! と言う人もいます。
はたして、どっちが正しいのでしょうか?
まずは、理屈から見てみましょう。
前者は、暑くなれば汗をかく。ならば、熱いものを食べて、汗をいっぱいだし、涼しくなろう! と言うもの。
後者は、暑い時に熱いものを食べれば、その熱で体が更に温まり、もっともっと熱くなる! と言うもの。
どちらも、理屈はよ〜く通っています。さて、果たしてどちらが正しいのでしょうか?
正解は、後者が正しいのです。
一見、前者の方がやや有力なような気もしますが、実は違います。
暑い時に熱いものを食べるというのは、インドなど、熱帯地方の風習。それをマネしたって、涼しくはなりません。
その理屈を説明する前に、汗をかくと何故涼しくなるかを説明しましょう。
物質は、液体から気体になるときに、周りから熱を奪います(これを「気化熱」と言います。固体から液体になる時も熱を奪いますが、その時の名前は「融解熱」と言います)。
そうすると、周りの温度は下がります。
汗も同じ原理で、汗をかき、汗が蒸発すると、体から熱を奪い、涼しくなるのです。
この説明をすると、ますます前者が有力なような気がしますが、違います。
何故なら、日本人のかく汗は、他の国の人と比べると塩分濃度が高く、蒸発しにくいのです。
しかも、日本は湿度が高く、それも影響してさらに汗は蒸発しにくくなります。
つまり、日本人の汗は無駄汗なのです。
ですので、暑い時に熱いものを食べると、余計に暑くなってしまうので注意が必要です。

あくびをすると、何故涙が出てくる?
ヒトは、眠い時や退屈な時にあくびをします。
そして、あくびをすると涙が出てきます。何故出てくるのでしょうか?
あくびをすると、表情筋が収縮します。
すると、まぶたにある涙腺と言う、涙を溜めておく場所が、周りの筋肉により、押し縮められます。
そうすると、当然、涙腺の中にある涙は涙腺から流れ出てきます。
そのため、あくびをすると涙が出てくるのです。

サツマイモで本当に屁が出る!?
ちょっと下品な話しではありますが、付き合ってもらいましょう。
マンガでよく、「焼き芋を食べておならが出る」と言うのがありますが、実はあれ、あながちウソではないのです。
まず、おならの原理から説明しましょう。
そもそも、おならの元となる空気はどこから来るのか?
第一に、物を食べる時に一緒に飲み込む空気が上げられます。
そして第二に、胃や腸内の細菌たちが食べ物を分解する時に発生するガス。
おならの成分は、70〜80%が空気、約10%がガスで出来ています。
食物と一緒に飲み込んだ空気は、ゲップとしてほとんど外に出ますが、一部が胃から腸へと取り込まれます。
サツマイモは食物繊維を多く含んでおり、胃では十分に消化されないまま、腸へ送られてしまいます。
食物繊維が多いと腸の運動はさかんになり、腸内細菌も活発に内容物(サツマイモ)を分解(発酵)させます。
そのため、普段よりも多くのガスが発生することになり、おならの量も増える、と言うわけです。
サツマイモを食べておならが出る…実は科学的な根拠があったのです。
ちなみに、人間は1日に平均して5回、合計100cc〜500ccのおならをしています。
おならは腸が働いていると言う健康の印ですので、本来はあまり気にしなくていいもの…なのです。

関節が鳴るのは何故?
関節が鳴る人はかなりいます。
と言うか、全ての人が鳴らすことが可能です。
しかし、一体何故鳴るんでしょうか?
関節の部分は、軟骨という柔らかい骨でおおわれています(おおわれていないところもある)。
そしてその中には、潤骨液(じゅんこつえき)と言う物が入っています。
引っ張ると、その軟骨の部分がわずかに伸び、中の潤骨液の圧力が下がります。
圧力が下がると、潤骨液に溶け込んでいた空気が溶けきれなくなり、気泡が生じます。
ポキポキと言う音は、この気泡が生じた時の音なのです。
ちなみに、暑い時より寒い時の方が良くなります。
これは、寒い時の方が、気泡が発生しやすいため。
寒い時の方が、溶かしておける空気の量が少ないので、少し圧力が減っただけで、大量の気泡が発生するからなのです。

剣道で一日中頭を殴り合っていてバカにならないのか?
よく、「頭を殴るとバカになる」と言われます。
では、剣道で一日中殴り合って、果たしてバカになってしまわないのでしょうか?
そもそも、頭を殴られただけでバカになると言う事が、本当にあるのでしょうか?
実は、頭を殴られると、本当にバカになる場合があります。
脳は豆腐のようにグニャングニャンなので、頭に強い衝撃を受けると、脳が異常をきたすことがあるのです。
ただ、分厚い頭蓋骨におおわれているから、軽くぶつぐらいではバカはもちろん、リコウにもなりませんが。
さて、では思いっきり叩き合う剣道の場合はどうでしょう?
頭蓋骨と面(剣道の防具の1つ。頭にかぶるもの)があっても、一日中稽古していれば、頭に響くのでは?
事実、バシーン!と来ると、結構痛い。
ところが、意外とあの面はうまく作られていて、いくら剣道の稽古をしていても、それが原因で脳がおかしくなることはないようです。
それよりも、ボクシングの方がよっぽど危ないとのこと。
剣道をしている人は、安心して稽古を続けて下さい。

実は誰でも“麻薬”を持っている
現在の日本では、個人が麻薬を所持・使用することは禁じられています。
しかし、実は麻薬は誰でも持っているのです。
実は、人間の脳内で麻薬が製造されているのです。
その麻薬は数十種類あり、それを総称して脳内麻薬物質といいます。
脳内麻薬物質は、ペプタイドと呼ばれる物質で、神経細胞で作られ、脳のほぼ全域、いたるところに存在します。
では、何のためにそんな物質が作られているのでしょうか?
脳内麻薬物質の働きはまだ十分には解明されてませんが、体に激しい痛みを感じている時や、筋肉を動かしている時などに増える事から、
痛みを抑える為に存在しているのではないかと考えられています。
つまり、脳内麻薬物質は、鎮痛剤の役割を果たしているらしい、と言う事です。

感電すると何故動けなくなるか?
人は、感電すると、動けなくなります。
感電したって動けてもいいような気がしますが、何故でしょうか?
人の動作は、大部分が脳からの司令によって動いています(一部、「反射」と言って、脊髄(せきずい)からの命令で動く物もあります)。
腕を曲げろとか、物を持ち上げろ、と言うような命令の他に、心臓を動かせとか、呼吸をしろ、と言った命令も大部分がいちいち脳から司令されて動いていることなのです。
どうやって命令しているかと言うと、実は脳から神経細胞を伝わって電気信号が送られているのです。
なにかをしようと思った時、脳からの電気信号がその体の部位に神経細胞の1つ、運動神経を伝わって命令が届きます。
そして、体が動くのです。
しかし、外部からの高圧電流が加わると、この電気信号がうまく伝わらず、体が動かなくなってしまうのです。
ただし、そんな強い電気で無ければ、動かなくなることはありません。

笑う門には福来る!?
「笑う門(かど)には福来(きた)る」と言うことわざがあります。
「こんなの、嘘だろ」と言っている方、なかなか多いでしょう。
笑っただけで福が来るのなら、なんの苦労もしません。
しかし…なんと実は笑うと福が来ると言うことが、科学的に証明されているのです!
アメリカの「笑い療法研究学会」では、
コメディ映画を見て大笑いしたあと、カゼ予防に効果のある「免疫グロブリンA」という物質が増加した、
と言う、ちょっと信じられない研究が発表されているのです。
また、よく笑う人は病気にかかりにくい、という研究結果も出ているのです。
さらに、ガン患者の人に吉本興行の舞台を見せ、大笑いしてもらい、その後で調べたら、
なんと、体のガンを殺す細胞が大幅に増えていたのです!
さらに、"笑う"という動作は、腹筋をはじめとする体全体を使う動作(運動)なのです。
しかもかなりのカロリーを消費し、そのうえ副交換神経(ふくこうかんしんけい)が消化をうながすので、
お腹が空くのは当たり前、さらにはなんとダイエットに効果があるという説まであるのです。
"笑う"という動作には、この他にも『リラックス効果』があるのです。
たかが笑い、されど笑い。
"笑う"という動作には、絶大な効力が秘められているのです。

何故右利きが多いのか?
右利き、左利きと言っても、利き腕だけのことじゃあ、ありません。
腕を組む、足を組む、ウィンクする、眉毛を上げる……。
ヒトというのは、実に様々な動作で、体の片側だけを重点的に使っています(ウィンクだって、片方は閉じづらいはずです)。
日本人の場合、右手が利き手の人が90%以上、右目が利き目の人が約70%といわれています。
さて、これは一体何故でしょうか?
この原因として、大脳は左側(左脳)の方が右側(右脳)に比べて優れているからだ、という説があります。
左脳が優れていると、何故右利きになるかといえば、神経の多くが延髄(えんずい)で交差して、
左脳からは体の右側の末梢(まっしょう)神経に、右脳からは体の左側の末梢神経に連絡しているからです。
これは一説なので、必ずしも正しいとは言えませんが、かなり有力な説のようです。
ちなみに、利き腕、利き目、利き足など、全ての面で完全な右利き(左利き)の人は、少ないそうです。
また、完全な右利き(左利き)だと体のバランスが悪く、体が歪む、と言う説もあります。

ほろ酔いと泥酔、なにが違う?
アルコールが人体に及ぼす作用にはいろいろとありますが、酔いの具合は大脳の麻痺の程度で決まります。
大脳は表面の新皮質、中心部の旧皮質から出来ています。
アルコールは新皮質にのみ働きかけます。
ここは、理性や思考力を受け持っているところ…つまり、人間らしさを司っているといっていいでしょう。
だから、アルコールの作用を強く受けると、判断力が低下し、筋道だてて物事を考えることが出来なくなります。
また、旧皮質がむき出しで現れる事にもなります。
ここは原始的な欲望や感情を司っている部分。
酔って興奮したり感情的になったりするのはこのためなのです。
つまり、酔いが深まるにつれ、その人の新皮質は働かなくなり、人間らしさが薄れて動物に近付いていきます。
泥酔すれば新皮質が完全に麻痺し、動物になりきってしまった、と言っても過言ではないでしょう。
では、ついでですので血中のアルコール濃度も書いておきましょう。
ほろ酔いの場合、ある程度の個人差はありますが、だいたい0.05%。
泥酔の場合は0.3%ぐらいとされています。
ほろ酔いの時の6倍も飲んでしまったわけで、顔面蒼白(がんめんそうはく)、歩行困難(つまり千鳥足はこのため)、わめく、怒るなど、はた迷惑もいいところ。
さらに飲むと体が動かなくなり、内臓の動きも鈍り、あげくは昏睡状態から目覚めることなく死にいたることもあります。
お酒の飲みすぎには、十分気を付けましょう。

人間の細胞のうち、最も寿命が短いもの
人間の体を構成する最小単位は細胞です。
人間の体は様々な機能を持つ約60兆個の細胞から出来ています。
その大きさは平均すると約300分の1ミリ。ものすごい小ささです。
細胞も生命体なので、当然寿命(死滅)があります。
例えば、血液中の赤血球の寿命は約4ヶ月しかありません。
一方、骨細胞などは10年以上もの寿命を持っています。
体のほとんどの部位では、常に新しい細胞が生まれ、古い細胞は消えていきます。
そして、その空いた部分に、新しい細胞が入り込むのです(これを、新陳代謝(しんちんたいしゃ)と言います)。
では、細胞の中で最も寿命が短いものはなんでしょうか。
それは、小腸の内側にある、柔毛(じゅうもう/医学界では穗毛と書く)です。
小腸の内壁の表面は、この柔毛と呼ばれる無数の小突起でおおわれています
(これは、小腸に入って来た栄養分を吸収するもので、無数の突起を作る事により表面積を増やし、栄養分の吸収を効率よく行うための工夫です)。
その柔毛を形作っている細胞は、エスカレーター式に順々に突起の頂上まで押し上げられていき、頂上に達するとはがれ落ちて死んでいきます。
その間わずか24時間!
すなわち、柔毛細胞の寿命はたったの1日なのです。
ちなみに、上で『体のほとんどの部位では、常に新しい細胞が生まれ………』と書いたように、細胞の新陳代謝が行われない部位もあります。
それは、脳細胞です。
脳細胞は、脳を形作っている細胞で、当然これが無くなれば死にます。
でも、新しい細胞は生まれないのです。
何故新しい細胞が生まれないか、正確にはわかっていないようですが、有力な説はあります。
細胞が新たに生まれる際、古い細胞から遺伝子のコピーをもらいます。
しかし、脳の場合、このコピーが失敗するととんでもないことになるので、新しい細胞が生まれないのではないか?
と言われています。

腹がへると何故イライラするか?
これは、人によって千差万別ですが、お腹が空くとイライラする人が多いです。
なんとなくわかる気もしますが、これは一体何故でしょうか?
食事をして食物が消化・吸収されると、血液中のぶどう糖の量(血糖)が上昇します。
血糖が上昇すると、脳の視床下部にある満腹中枢が働いて、食欲が抑制されます。
逆に、エネルギーを消費し、血糖が低下すると、体に蓄えている脂肪を分解して、エネルギーを確保しようとします。
脂肪の分解によって遊離脂肪酸と言う物質ができ、これが血液によって脳(視床下部)に運ばれ、摂食中枢を刺激します。
摂食中枢は空腹感を感じさせ、食欲を起こさせる中枢です。
摂食中枢が空腹感を感じると言うことは、当然視床下部も空腹の刺激を受けます。
視床下部のすぐ側には扁桃核・側坐核と呼ばれる感情を司る部分があります。
視床下部が刺激を受けると、この扁桃核や側坐核も刺激を受けます。
この刺激によって、イライラが生じるのです。
ちなみに、視床下部が空腹を感じると、そこから空腹のストレスを緩和するホルモンが分泌されます。

風邪を引くと、何故体温が上がるのか?
風邪を引くと、体温が上昇します。
これは、当たり前ですが、一体何故このような現象がおこるのでしょうか?
健康な時、人間の体温はだいたい36〜37℃に保たれています。
これは、脳にある体温調節中枢の働きによるもので、寒い時には体温が外に逃げないようにし、暑い時は逃がす、などして体温を調節しているからです。
ところが、病気になると…つまり、ウイルスや細菌が体内に入ると、プロスタグランジンと言う物質ができ、それが体温調整中枢を刺激します。
すると、体温調整中枢は機能が乱れ、結果として、普段よりも高い体温を正常と感じてしまうのです。
そのため、体温調整中枢が仮に39℃が正常な体温だと感じてしまうと、そこまで体温が上昇してしまうのです。
ただし、体温が上がると言っても、どこまでも上がるわけではありません。
体温の上昇には、一定の限度があります。
風邪をひいたときなど、39℃ぐらいになることがありますが、40℃になると脳の活動が正常で無くなり、42℃になると死亡します。
42℃とは、人体を構成している蛋白質(たんぱくしつ)が固まり、元に戻らなくなる温度だからです。
したがって、体温は42℃以上には絶対になりません。
水銀体温計などの最高目盛りが42℃までなのは、このためなのです。

驚きの咳の風速
風邪を引くとよく出る咳(せき)。
果たしてどのぐらいのスピードなのでしょうか?
驚くなかれ。なんと時速220km!
これは、超大型の台風なみの風速です。
こんなすごいスピードの出る咳、どのようなメカニズムで出ているのでしょうか?
これは、呼吸運動が突然変異を起こしたようなものです。
まず、脳にある咳中枢(がいちゅうすう)が刺激を受けます。
すると、反射的に気管を痙攣(けいれん)させ、肋間筋(ろっかんきん)や横隔膜(おうかくまく)、腹筋を収縮させます。
横隔膜も、肋間筋も、呼吸をするために必要な筋肉。
これらが収縮するわけですから、当然、呼吸が起こります。
それが一瞬で起こるので、「咳」として外に出るのです。
ここで言う「脳にある咳中枢への刺激」とは、
外部から入って来るゴミや煙、冷たい空気と言った気管や気管支に起こる刺激や、
食道に物が詰まったり、腹を強く打つなどした時の刺激です。
このように、食道、胸膜(きょうまく/肺の表面と胸壁の内面をおおう膜)、胃腸、肝臓と言った広い範囲の場所から伝わってくる刺激が、咳になるのです。
こうしてみると、必ずしも風邪が原因で咳が出るわけではないことがわかります。
中でも多いのが、「外部から入って来るゴミや煙」による咳。
喉(気管支)には、絨毛(じゅうもう)と呼ばれる毛のようなものがあり、ここに異物が引っかかると、
その異物が肺に入ってこないようにするため、咳が出るのです。

梅干しを見ると何故つばが出る?
梅干しを見ると、つばが出てきます。
これは何故でしょう?
しかも、人によって出る人と出ない人がいるのです。なかには想像しただけで出る人などもいます。
これは、「条件反射(条件反射作用)」と言う現象です。
「条件反射」とは、ソ連の生理学者、パブロフが発見したもので、
「一定の訓練や経験によって後天的につくられた反射」です。
つまり、噛み砕くと、
「経験から学んだ事により、体が勝手に反応する現象」
と言う事です。
反射とは、「生物が刺激に対して,意識作用の関与なしに神経系を介して行う反応」の事。
つまり、先ほどの噛み砕いた文中の「体が勝手に反応する現象」の事です。
例えば、熱い物を指で触れた時、パッと引くのが反射(正確には無条件反射)です。
この無条件反射は、全生物が生まれながらにして持つもの(先天的な物)です。
条件反射とは、無条件反射と対になるもので、生まれてから覚えるものです。
つまり、両者の違いは、「経験から学んだ」か、「学んでない」か、と言う事。
「梅干しを見るとつばが出る」と言うのは、梅干しを見た時、脳にある記憶を司る「海馬(かいば)」という部分が梅干しに関する記憶をピックアップ。
すると、「梅干しはすっぱい(味が濃い)」と言う情報が出てきます。
味が濃い物を食べると、口の中では、唾液を出して、味を薄めようとします(ちなみにこれは無条件反射)。
梅干しは特にすっぱいので、ついつい口に入る前に、唾液を出してしまうのです。
これが、「梅干しを見るとつばがでる」真相です。
ちなみに、この条件反射を発見したパブロフは、ノーベル医学賞を授与しています。
発見のきっかけは、飼っていた犬。
パブロフは犬に餌をあげる時、いつも鈴を付けていました。
そしてある日、別に餌をあげるわけじゃなく、鈴だけを付けていた時、犬が寄って来てよだれを垂らしたのです。
パブロフは別の日、試しに鈴を鳴らしてみたところ、犬が同じ反応を示したので、もしや…と思い、いろいろ研究した結果、「条件反射」に気付いたそうです。
ちなみに「大脳生理学」を確立したのも彼との事です。

お腹が空くと鳴るのは何故?
マンガなんかで人込みの中でお腹が鳴り、赤っ恥をかく…などというのがありますが、なんでお腹は鳴るのでしょう?
「お腹が空く」と言うのは、「血液中の糖分(ブドウ糖)が減少する」現象です。
体は、血中の糖分量(血糖値)を常に一定に保とうとします。
その為、血中の糖分量が減少した場合、脳が糖分を欲しがります。
すると、「お腹が空いた」と感じるわけです。
では、お腹が空くと、何故お腹が鳴るののでしょうか?
お腹が空く、と言うことは、脳が糖分を欲しがっている、と言うことです。
そのため、脳は糖分がいつ入ってきても大丈夫なように準備します。
その準備とは、胃袋の中にまだ残っている食べ物を、とっとと十二指腸に送ること。
その時、脳は強引に胃袋を縮めます。
そうすると、胃の中の食べ物は十二指腸に行きますが、同時に空気も十二指腸に送り込まれます。
すると、胃の狭い出口を大量の空気が一気に通り抜けるので、あの「グー」という音が発されるのです。
つまり、「口笛の音が低いバージョン」が、あの「グー」なのです。
ちなみに、よく「お腹が鳴るのは健康の証」なんて言いますけど、あれは正論。
「お腹が鳴る」と言う事は、今述べたような現象が正常に起こっていると言う証拠であり、
同時に、「健康である」と言う事の証拠にもなるからです。

興奮すると「手に汗を握る」のは何故?
興奮することを「手に汗を握る」と言います。
実際、ハラハラしたりドキドキしたりすると、手に汗がにじんできます。
さて、では何故興奮すると手に汗がにじむのでしょうか?
実は、一言に「汗をかく」と言っても、2種類あるのです。
一つは肉体性からくるもの、もう一つは精神性からくるものです。
肉体性とは、暑いところで汗をかくことです。
この汗は体温調節などの役割を果たしています。
精神性とは、ハラハラドキドキしたとき、手のひらや足の裏などにジワッと汗が出ることをいいます(これを「精神性の汗」と言います)。
さて、ではこの精神性の汗、一体何故出てくるのでしょうか?
その理由は、さかのぼること幾千年、太古の名残から来ています。
昔の人は、今のようなクツなど無く(もちろん靴下などもなく)、裸足で暮らしていました。
そこで、狩りの時に足が滑ってしまうと、獲物を獲り逃がしてしまうことになってしまいます。
そこで、手のひらや足の裏に汗が出て、滑り止めの役目をしてくれるのです。
逆に滑りそうな気がしないでもないですが、太古の時代はこれで滑んなかったんでしょう。たぶん。
そんな体質が、現在に名残として残っているのです。

胃は何故胃液で溶けないのか?
胃液には、タンパク質を分解する酵素があります。
そのため、どんな固い肉でも胃の中に入れば、全て消化されてしまいます。
それでは、タンパク質でできている胃は、なぜ胃液によって溶けてしまわないのでしょうか?
これは、胃が胃液を出すとき、同時に「胃粘膜」と言う物質を出している事と、
胃液の中に胃の壁を保護する成分が含まれているためと考えられています。
消化の主役は分解酵素のペプシンと塩酸(胃酸)です。
また、胃液の中には同時に、ムチンという成分も入っています。
これは胃粘膜にも入っていて、胃の壁を守る働きをします。
この働きは生体内だけで機能するので、胃を切り離して体外に取り出し、胃液の中につけると溶けてしまいます。
ちなみに、胃は急なストレスや強い緊張などで胃粘膜の分泌をストップさせることがあります。
すると胃液は胃の壁に穴をあけます。
これを胃潰瘍(いかいよう)と言うのですが、胃液が胃の壁に穴をあけるのに要する時間は、なんとたったの5秒なのです。

盲腸は何故あっても無くてもいいのか?
あっても意味のないものの代名詞のように使われる盲腸ですが、本来はちゃんと意味があります。
食物が小腸を経ると、食物はほとんど消化・吸収されていますが、まだ水分が多く液状です。
この水分を吸収し、固形化するのが大腸の役割。盲腸は、それを手助けする作用があるのです。
特に草食動物の場合、十分に消化できなかった食物は盲腸にためられ、吸収しやすい状態になるまで細かくこねられます。
一方、雑食動物である人間は、比較的消化しやすいものを食べているため、盲腸の活躍の場は草食動物よりも少ないのです。
ちなみに、俗に「盲腸」と呼ばれる病気を引き起こす器官は、盲腸ではありません。
この病気を引き起こす器官は、盲腸の先端についている虫垂(ちゅうすい)と呼ばれる器官です。
ここが炎症を起こした状態がいわゆる「盲腸」で、正式には虫垂炎と言います。
手術で摘出するのもこの虫垂であり、盲腸ではありません。
(症状が悪化すると、盲腸ごと切る場合があります。逆に、軽ければ摘出せずに薬で治すことも可能です)
虫垂炎が起こる原因は、現在のところよくわかっていないようです。
また虫垂も、感染に対する防御機能がある、と考えられているものの、詳しい機能はよくわかっていません。
参考文献;『ビジュアル・アナトミー カラー人体図鑑』(ジェーン・ダ・バーグ/編、金沢寛明/訳)

怪我した時の血は赤いのに、何故採血の血は赤黒いのか?
転んだり切ったりしたときに出る血は真っ赤です。
それに対し、採血で採る血はどちらかと言えば黒に近い色です。
同じ体の同じ血なのに、何故こんなにも違うのでしょうか?
実は、同じ血とは言えど、体の部位によって、血の色は異なってくるのです。
肺静脈(肺から心臓へ血を送る血管)や動脈(心臓から体の各部位に血を送る血管)に通っている血を動脈血と言います。
これに対し、肺動脈(心臓から肺へ血を送る血管)や静脈(体の各部位から心臓に血を送る血管)に通っている血を静脈血と言います。
この動脈血は綺麗な赤色をしていて、静脈血はどちらかと言えばどす黒い色をしているのです。
これはどうしてかと言うと、これは血が含んでいる酸素の量が違うからです。
動脈血の方が酸素の量が多く、静脈血の方が酸素の量が少ないのです。
血の中には赤血球と呼ばれる物体が入っており、赤血球には、「ヘモグロビン」と呼ばれる鉄イオンが含まれています。
この鉄イオンが、酸素を運ぶのです。
鉄イオンは酸素を運んでいるときは赤く、運び終えるとどす黒くなります。
さて、ここまで言えばもうわかるでしょう。
採血で採る血は静脈から採るので、どす黒いのです。
ただし、怪我した時は必ず動脈から血が出ていると言うわけではありません。
そんな怪我するたびに動脈から血が出たら、すぐに死んでしまいます。
怪我をしたとき、確かに静脈からも血は出ているのですが、静脈から出た血は外気に触れる…つまり、酸素に触れます。
すると、赤血球は即座に酸素を含み、真っ赤になります。
これが、怪我をした際に出る血が、みな赤い理由です。
(今回、赤血球が「酸素を含む」と表記しましたが、実際には「酸化している」…つまり、酸素と「結びつく」状態にあります)

一夜漬けで覚えた記憶は、一夜で忘れる!?
テストなんかでよく一夜漬け、と言う方法がとられますが、実は一夜漬けで覚えた記憶と言うのは、その7割を次の日には忘れてしまうのです。
人間の脳は、たくさんのことを記憶できると同時に、忘れるようにも出来ています。
では、記憶はどのぐらい持続できるのでしょうか?
記憶は大別すると、短期記憶と長期記憶に分けられます。
一夜漬けなどは短期記憶に入りますが、その記憶の寿命はとても短いのです。
ドイツの心理学者エビングハウスが記憶の持続時間(保持率)について実験によって割りだしたデータがあります。
そのデータによると、ある事柄を短期記憶で覚えたとして、その記憶は20分後にはその50%、翌日には67%、3日後には75%、一ヵ月後には80%が消え去るとのこと。
前述しましたように、一夜漬けの内容は、翌日には約7割が消え去っているのです。
ただし、これはいわゆる棒暗記による記憶なので、一夜漬けでも覚え方を工夫すれば、記憶の保持率は高くなります。

魚を食べると本当に頭がよくなるのか?
よく、『サカナを食べると頭が良くなる』なんて言いますが、本当でしょうか?
実は、本当です。
ただし、サカナといっても、普段我々が食べている身の方ではなく、頭。その中でも一番いいのが、目玉。
目玉には「DHA」という物質が入っていて、これが頭をよくするのです(まぁ、一応普段食べてる身の方にも入ってはいるのですが、目玉が一番多いです)。
ちなみに「DHA」とは、「ドコサヘキサエン酸」の略。
なお、詳しい事は「続・魚を食べると本当に頭が良くなるのか?」に載っています。

続・魚を食べると本当に頭が良くなるのか?
だいぶ前に食べ物の雑学の部屋に載せた「魚を食べると本当に頭が良くなるのか?」。
新事実が発覚したので、追記をいたします(ついでですからこの部屋にも「魚を食べると本当に頭が良くなるのか?」を載せました)。
さて、以前説明した通り、本当に頭は良くなります。
しかし、DHA(ドコサヘキサエン酸)は、不飽和脂肪酸なので、あまり大量にとりすぎると脂肪のとりすぎと同じような状態になります。
そしてそれが脳にこびりついてしまい、逆にバカになります。
また、あまり取りすぎると、今度は体内で酸化し、ガンの原因にもなってしまいます。
そして、DHAとは、脳の伝達スピードや、働きを活発にするものなので、厳密に言えば「頭が良くなる」ではなく「脳が活発化する」物なのです。
ちなみに、DHAを化学的に説明すると、「6個の二重結合からなる不飽和脂肪酸」だそうです。

白い歯よりも黄色い歯の方が丈夫!
人間の歯は一般に白い歯をしていますが、中には黄色がかった歯の人もいます。
しかし、実は黄色い歯の方が丈夫なのです。
それはどうしてなのでしょうか? そもそも、なぜ白と黄色があるのでしょうか?
歯は表面がエナメル質で、その下に象牙質と呼ばれるものがあります。
エナメル質は体の中で最も硬く、半透明の乳白色をしています。
象牙質はエナメル質よりやや軟らかく、黄色っぽい色をしています。
歯の色はだいたいエナメル質の透明度の差によって決まります。
エナメル質の透明度が高い歯は、内側の象牙質の黄色が透けて見え、透明度が低ければ象牙質の黄色が透けて見えず、エナメル質の白っぽい色が見ます。
さて、このエナメル質の透明度はどうやって決まるかと言うと、カルシウム塩による石灰化の度合いによって決まります。
石灰化の程度が高いと言うことは、それだけ丈夫だと言うことで、石灰化の程度の高い歯イコール黄色い歯となり、黄色い歯イコール硬くて丈夫な歯だ、と言うことになるのです。
ちなみに、石灰化の他に再石灰化と言うものもあり、これは初期虫歯を治療するほどの威力を持っています。
この再石灰化を促すものは唾液。赤ん坊の頃唾液をいっぱい出していると虫歯になりにくいというのは、本当のことなのです。

カルシウムを採ると、本当にストレスが減るのか?
イライラすることの多い人に対し「カルシウムを採れ」などと言う人がいますが、カルシウムを採っただけで本当にイライラが減るのでしょうか?
実はこれ、正論なんです。
これはモルモットをつかった実験で立証されています。
何匹かのモルモットを2組に分け、一方にはカルシウムの入った餌を、もう一方にはカルシウム抜きの餌を与えます。
すると、カルシウム抜きの餌を与えられ続けたモルモットはイライラしやすく、人の手などに噛みつくそうです。
どうやってモルモットがイライラしているか調べたのかわかりませんが、ともかくこのような研究結果が出ているのです。
ちなみに、カルシウムを多く含んでいる食品は、牛乳が代表され、骨ごとの魚、緑黄色野菜、パンなどです。
また、カルシウム以外にもビタミンCにも、ストレスを減らす作用があります。
ストレスを受けると、体内でストレスに対抗するホルモンが作られるのですが、そのホルモンの生成に、ビタミンCは必要不可欠なのです。
たまには心を落ち着かせてみましょう。怒ったっていいこと無いんですから。

人は眠らないとどうなるのか?
最近はテレビの深夜放送等があり、現代人の平均睡眠時間は徐々に減ってきているようです。
眠らないでいることを、不眠とか断眠とかと言います。
さて、このように眠らないと、人間にはどのような影響が出るのでしょうか?
1966(昭和41)年に、東大の時実教授が、23歳の男子学生を被験者にして、脳波を含めて色々な測定をする実験を行いました。
その時、男子学生には、可能な限りずっと眠らないでいてもらいました。
その時の断眠時間は、なんと101時間8分30秒。
4日と5時間8分30秒の間眠らなかったのです。
その間ずっと脳波を取って調べていますから、非常に厳密な実験です。
実験の間、その学生の体温や脈拍などはあまり変化がなく、食欲もあったとのことです。
なんと実験が終わったら太ったとか。
ただし、3日目辺りからはぼつぼつ眠気が強くなって、足し算をやらせても間違うし、
フリッカーテスト(視神経の機能検査)の成績が悪くなったり、錯覚や幻覚、幻聴が起こってきて、もう限界だと実験を止めました。
この実験が終わったあと、何時間ぐらい眠ったかと言いますと、彼は14時間ほど眠り、あとはあまり疲れもなかったそうです。

汗と涙と血を結晶化させると?
よく、ものすごい努力と苦労をして作った物を、「汗と涙と血の結晶」などと言います。
さて、では実際に「汗と涙と血」を結晶化させると、どうなるのでしょうか?
順番に見ていきましょう。
まずは汗ですが、汗は舐めて見ると、若干しょっぱいです。
汗と言うのは、99%が水ですが、残りの1%が塩分です。
そう、汗は平たく言えば塩水。結晶化させれば、当然塩の結晶が出来上がります。
次は涙。
涙の成分は98.5%が水。
残りは塩化ナトリウム(=食塩)や、アルブミン、グロブリン等のタンパク質です。
つまり、涙を結晶化させると、塩の結晶の中に、タンパク質が混ざったような物になるわけです
(実際にやってみないと、どんなものが見えるかわかりませんが)。
最後は血。
血は、色んなものが混ざり合っています。
血の成分は赤血球、白血球、血小板、そして血漿(けっしょう)だと、学校では習います。
もちろん血の成分としてはこれで正しいのですが、血は、体中を巡っているうちに、体中の老廃物を回収します。
血液の半分強が、血漿で埋め尽くされていますが、この血漿は、液状の物質です。
この血漿は、血液の重要な役割…栄養分の配給や、老廃物の回収を担っています。
もし血液を結晶化させた場合、これら老廃物のどれかが結晶として現れる事でしょう。
ただし、実際には赤血球や白血球、血小板がありますので、「血液の結晶」を作るのは、かなり困難でしょう。
これら3つは、血漿に溶けているわけではないので、結晶化してくれないからです。
もし、血液から血漿だけを取り出し、それの結晶を作る事に成功したら…
その、汗と涙と血の結晶を、こちらにも報告してくださると、ありがたいです。
なお、当サイトの姉妹サイト(妹)「Try doing! 〜その雑学は、本当か?〜」にて、実際に汗と涙と血の結晶を作ってみました。
参考程度にどうぞ。

アミノ酸ってなに?
最近はやりのアミノ酸。
遅ればせながら、当館でも説明いたしましょう。
まず、人間の体の中で水の次に多いのがアミノ酸、なんて言葉を聞きますが、これは本当なのでしょうか?
もちろん、本当です。
実は、アミノ酸というのはタンパク質を構成している物質なのです。
タンパク質とは知っての通り、人間の細胞を形作っているもの。
手足の皮膚や顔の皮膚、髪の毛や爪、目や脳みそ、その他人間の体はほとんどが水とタンパク質。
そのタンパク質を構成しているものなのですから、人間にとって必要不可欠な物なのは当たり前です。
そして、一口にアミノ酸と言っても、実に様々な種類がありますが、タンパク質を構成しているアミノ酸のことは、まとめて「α(アルファ)アミノ酸」と呼ばれています。
動植物中に見られるアミノ酸は80種類ほどありますが、そのうちタンパク質を構成しているαアミノ酸は、約20種類。
アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グルタミン酸、グリシン、
ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン(リジン)、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、
スレオニン(トレオニン)、トリプトファン 、チロシン(タイロシン)、バリン
の20種類です(この他にも、セレノシステイン、ピロロリジンなど、一部のタンパク質にのみあるものもある)。
なお、真ん中あたりにある「リシン」。
「毒物の雑学の部屋」にて「世界五大猛毒その1」として紹介されていますが、あのリシンとは違います。
猛毒のリシンは、英語では【Ricin】。それに対し、今回のリシンは【Lysine】です。
また、今回のリシンはアミノ酸ですが、猛毒のリシンはタンパク質。微妙に差があるのです。
ちなみに、たいていのタンパク質は生体内で合成する事(作り出す事)が出来ますが、この20種類のうち、
トリプトファン、メチオニン、リシン(リジン)、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、スレオニン(トレオニン)
の8種類は、生体内で合成できず、「必須アミノ酸」と呼ばれています。

火傷のあと、水ぶくれができるのは何故?
高熱の物に触れると、火傷(正しくは「熱傷」)になってしまいます。
さてこの火傷。なったあとに水ぶくれ(こちらも正しくは「水疱(すいほう)」)が出来ますが、これは何故でしょうか?
水ぶくれ、とは漢字で水脹れ。つまりそのまんま「水でふくれる」という意味です。
その名の通り、水脹れとは皮膚内に水が溜まり、皮膚がふくれた状態なのです。
皮膚というのは大きく3段になっていて、一番上(外側)が表皮、次が真皮、一番奥が皮下組織となっています。
水ぶくれとは、火傷の被害が真皮まで達した状態の時に起こります。
真皮には、表皮に無い毛細血管が通っています(皮下組織にも通っています)。
火傷を負うと、この毛細血管の一部が切れるかなんかし、中の血液が出てきます。
このとき出てくるのは血漿(けっしょう)という液体。
これが火傷によって出来た真皮内の傷(隙間)に入り込み、水ぶくれを作り出すのです。
ちなみに、火傷の程度は、どこまで被害が及んだかでT〜V段で表記します(ローマ数字の1〜3)。
表皮だけならT段、真皮まで行ったらU段、皮下組織まで行くとV段となり、当然T段よりV段の方が危険です。
なお、火傷を負った面積が、大人の場合、体表面の20%、子どもの場合10%を越えると、命の危険にさらされます。
また、人間の皮膚は、45℃以上の熱で、火傷になります。
45℃程度の場合、1時間熱せられ続けると、「低温火傷」になります。
そして、70℃の高温の場合、1秒足らずで火傷を負ってしまいます。
火傷を負ったらすぐに冷やし、特に軽い場合を除き、すぐに病院へ行きましょう。たかが火傷、されど火傷です。

髪の毛あれこれ
あなたの頭の上に、髪の毛は何本生えているかご存知ですか?
哺乳類の一種であるヒトの頭には、およそ10万本の毛があります(誰がどうやって調べたのやら…。知っていたら教えてください)。
金髪では若干多く、赤毛では若干少ないようです。
髪の毛の一生は、3段階に分けられています。
まず、どんどん成長していく「成長期」。
次に、成長が止まり、抜ける準備に入る「退行期」。
そして、髪が抜け落ち、次に成長を始めるまで皮膚の中で休んでいる「休止期」。
この髪の毛の成長期から休止期までの1周期は、「ヘアサイクル」と呼ばれており、だいたい2〜6年。
2〜6年と幅が広いのは、髪の毛が全て一度に抜けてしまうのを防ぐため。
哺乳類や鳥類には、このヘアサイクルが一緒のものも多く、夏、あるいは冬に変わるとき、一気に毛が生え変わるのは、このためです。
そして、髪の毛はなんと一日に約100本も抜けています。
一部の人にはもったいない話です(失礼)。
また、老化によって毛の色と成長パターンに変化が起こります。
これらの変化は男女で差があり、個人差もあります。
ですのでもちろん、頭髪が無くなってハゲるというパターンは若い男性でも起こる可能性は十分あるのです。
これらは、残念ながら遺伝によって決定されています。
ハゲる原因はアンドロゲン(俗に言う男性ホルモン)のレベルの変化に関係があるとわかっています。
そう、男の人にハゲが多いのは、こう言った理由からなのです。
また、女性では脇毛が老化によってなくなることがよくあります。
ちなみに、最近(?)、若い人達が髪を金色や茶色に染めていますが、あれは頭の皮膚を傷め、早く毛が無くなる(早くハゲる)原因を作りだすのです。
ハゲたく無い方は、あまり染めないように。これは男女全く関係ありません。
ところで、髪の毛は何の役にたっているかと言うと、実は大きく2つの役目があります。
1つ目が、紫外線から頭皮を守る事。
髪の毛にはメラニンが多く含まれており、それによって、紫外線を防ぐ事が出来ます。
一説には、人間は古代、浅い水中で生活しており、頭だけ水面から出していたため、頭を保護するために、髪の毛だけ残った、とされています。
2つ目は、有害物質の排出。
髪の毛は、成長と同時に、体内の毒など、有害な物質を外に排出しています。
髪の毛を調べた時、もしその人が砒素や水銀などを多く体内に取り入れていた場合、それがすぐにわかります。
それらの有害物質が、髪の毛に含まれているからです。
髪の毛は他にも、頭を守るクッションの代わり、とも言われています。

血液の速度
人間の体には、血液が流れています。
その血液は全て、心臓から押し出されて動いているわけですが、どのぐらいのスピードなのでしょうか?
これは場所によって違い、大動脈で毎秒50cm、大静脈で毎秒15cm、毛細血管では、毎秒0.05cmであることが解っています。
また、血液の総距離は、いまだにわかっていません。
何故かと言うと、人間の身体には、縦横無尽に血管が張り巡らされていて、数字の公式でも計算できないほど複雑に出来ているからです。
ただ、「だいたい地球2周半」とは言われています。
また、心臓から飛び出した血液は、早いものなら20秒、遅いものでも60秒程度で戻ってきます。
ちなみに、血液の量は、成人の男性で体重のおよそ約8%、成人の女性で7%前後だと言われています。
だいたい、体重の13分の1前後、と言うわけです。
そして、血液の4分の1を失うと意識がなくなり、3分の1を失うと、死に至ります。

日に当たると何故肌が黒くなるのか?
春から夏にかけて、紫外線が騒がれ、「UVカット」だとかなんだとか色々行われます。
さて、このことからもこの疑問は「日に当たると」ではなく「紫外線に当たると」であることはわかりますが、何故「紫外線に当たると」肌が黒くなるのでしょうか?
これには、メラニンと言う色素が関係してきます。
「色素」と言えど、メラニンは立派な細胞です。
この細胞を作りだしているのは、「メラノサイト(黒色素胞〔こくしきそほう〕)」と呼ばれる細胞で、
皮膚の奥の方の「真皮」と言う部分や、毛根(体毛の根元)などに点在しているものです。
このメラノサイトが、紫外線を受けるとこのメラニンを作り出すのです。
では、何故紫外線を受けるとこのメラニンを作り出すのでしょうか?
実は、このメラニンと言うのは、体を有害な紫外線から守るために生み出されるのです。
つまりこのメラニンと言うのは人体の救世主。
メラニンが無ければ春から夏にかけてバタバタとヒトを含めた全動物が皮膚ガンにかかって死んでしまいます。
女性などはこのメラニンを毛嫌いしているようですが、実は結構重要な役割を果たしている奴なのです。

「百聞は一見にしかず」の医学的根拠
「百聞は一見にしかず」と言うことわざがあります。
「百回繰り返し聞くよりも、自分の目で一度みた方が確実だ」と言う意味です。
さて、このことわざ、科学的(医学的)に正しいのでしょうか?
「見る」ために使う「目」にも、「聞く」ために使う「耳」にも神経細胞と言う細胞があり、この細胞が外からの情報を脳へと伝えています。
目にあるのは「視覚神経細胞」と呼ばれ、耳にあるのは「聴覚神経細胞」と呼ばれています。
この視覚神経細胞の数は約400万個と言われています。
それに対し、聴覚神経細胞の方は約3万個とされています。
つまり、人間の視覚(「見る」)は、聴覚(「聞く」)の約130倍の神経を使っていることになります。
結果として、聞くよりも見る方が脳細胞へ確実に信号を伝えることになるのです。
テレビなどでも、音声の情報量と画面の画像の情報量を比べても、百倍以上の差があるのです。
「百聞は一見にしかず」は紛れもない事実、と言うことになるわけです。

あくびは何故出る?
眠い時などについつい出てしまう欠伸(あくび)。
何故あくびはでるのでしょうか?
あくびは、脳の酸素が不足してきた時に、それを補うための生理現象だと言われています。
脳は、深呼吸で取り入れられる酸素の約23パーセントを消費していると言われています。
そして脳の酸素が不足してくると、生理的にあくびをして、酸素を取り入れようとする、と言うわけなのです。
あくびをすると、一時的に目が覚める、と言う効果もあるようです。
これは、あくびの時に口を大きく開けるので、モノを噛むときに使われている咬筋(こうきん)が延ばされ、それにより大脳皮質に刺激が与えられるからなのです。
また、口を大きく開けたり閉じたりするだけでも効果はあるようで、眠い時などには試してみてはいかがでしょうか?

胃がなくても生きられる!?
食べた物は、胃で消化されます。
もし胃で消化しなければ、食べ物がそのまま腸まで行ってしまい、うまく吸収できないような気がしてしまいます。
しかし、実際には胃を無くしても、案外平気なのです。
胃ガンなどにかかった人は、手術で胃を全部切り取ってしまうこともあるのです。
それでも、生死にはほとんど関係ないのです。
なぜかと言うと、胃がなくなると代わりに腸が消化も一緒に行ってくれるからなのです。
つまり、腸が「胃」と「腸」の二役を務めてくれるのです。
ただし、腸も本来吸収を主に行っているので、消化はちょっと苦手。
胃がなくなると、食べられる物が制限されてしまいます。
胃は大切に。

死後硬直は何故起こる?
普通、人は死亡すると筋肉が固まり、硬直します。これを「死後硬直」と呼んでいます。
考えてみれば不思議なこの現象、何故起こるのでしょうか?
これは体内で起こる化学反応が原因となっています。
筋肉には、ATP【adenosine triphosphate】(アデノシン三燐酸〔あでのしんさんりんさん〕)と言うものが大量に含まれています。
これはエネルギーの貯蔵・供給・運搬を仲介する重要物質なのですが、人(生物)が死亡すると、このATPが分解されてしまいます。
すると当然、これを多く含む筋肉は収縮してしまいます。
そしてもう1つ、筋肉にはアクチンとミオシンと言う繊維状のタンパク質が含まれています。
これは筋原繊維(きんげんせんい)と言う筋肉の収縮の源となる繊維の主要成分です。
死後、この2つのタンパク質の結合が緩まなくなり、筋肉が伸びにくくなってしまうのです。
これら2つのことが大きな原因となっており、これらを「二大要因」としています。
普通は死後20時間ぐらいがピークになりますが、運動後の急死ですと、死亡直後に硬直してしまいます。
その理由は、激しい運動をする事でATPが死亡前に劇的に減ってしまうからです。
ATPが分解される事で死後硬直が起こるのに、そのATPが死んだ時には既にないので、その場で固まってしまうのです。
「弁慶の立ち往生」も、運動後の急死だったため死亡直後に硬直し、立ったまま死んでしまった、と言うわけです。

風邪をひきやすい人とひきにくい人、何がどう違う?
世の中には「あいつ、いつも風邪ひいてるな」と言うような人もいれば、毎年学年で1人は皆勤賞を受けます。
このように、世の中には風邪になりやすい人となりにくい人といるようですが…いったい、何がどう違うのでしょうか?
もちろん、体調管理などの原因もありますが、それ以前に体質にも原因があります。
では、体質の何が原因なのでしょうか?
それは、血液内のある物質が原因となっています。
血液は、血しょうと言う液体と、有形成分(つまり固体)である白血球、赤血球、血小板から成り立っています。
この中の白血球と言うもの。
これにはいろんな種類があり、そのうちの一つがリンパ球と呼ばれています。
そして、これがウイルスなどを撃退するのです。
と、ここまで来ればもうわかるでしょう。
そう、風邪をひきやすい人は、このリンパ球の数が少ないのです。
風邪をあまりひかない人には、白血球に対するリンパ球の割合が約50%もあります。
つまり、白血球の半分はリンパ球なのです。
逆に、風邪をよくひく人は約30%しかリンパ球がありません。
さらに、ひきやすい人とひきにくい人では、そのリンパ球の活性度にも差があるのです。
また、大きなストレスを受けると、リンパ球の数も大幅に減り、風邪を一気にひきやすくなります。
忙しいときにふと気を抜くと、風邪にかかってしまうのも、このためです。
ちなみに、このリンパ球は免疫とも呼ばれ、このリンパ球の量(割合)を一般的に免疫力と呼んでいます。
あと、先ほど「大きなストレスを受けると、リンパ球の数も大幅に減り」と書きましたが、厳密にはリンパ球の「割合」が減ります。
まぁ、この文章でも間違いではありませんが、念のため。

突き指は引っ張ってはいけない
最近はだいぶ減ってきましたが、一昔前までは、突き指をすると引っ張って治そうとする人がたくさんいました。
突いたのだから引っ張れば良い、と言う発想です。
しかし、これは間違った治療法。こんなことをすると、逆に治りにくくなってしまうので注意しなければなりません。
脱臼した場合ならば、たまたまうまい方向に引っ張れればはずみで治ることもあります。
しかし、これはあくまで偶然。失敗する確率の方が非常に高いです。
しかも突き指は、脱臼とは限りません。
脱臼以外にも、ねんざ、打撲、骨折、腱断裂など、様々な場合があるからです。
骨折しているのに引っ張ったら、とんでもない事になるので絶対にやらないように。
ではどう処置したらいいかと言いますと、最善の方法はとりあえず冷やして、あまり指を曲げないようにして、できるだけ早く病院へ行くことです。

寝返りは、何故うつのか?
一般に、人は一晩に25回くらいの寝返りを打っていると言います。
睡眠時間を8時間として、約20分に1回、寝返りを打っている計算になります。
この寝返りが激しい人が「寝相が悪い」と呼ばれ、クラスに1人はこういう奴がいて、修学旅行の時に誰かを蹴り飛ばします。
ただし、寝相が悪いからと言って、体のどこかが悪い、と言うわけではありません。
そもそも、寝返りとは体にとって、良いことなのです。
人の体の中には、血管が張り巡らされていて、そこを血液が流れています。
起きているときは動き回っているので気にしなくて平気ですが、全く体を動かさないと、血液が徐々に下に溜まって行きます。
つまり、引力によって血液が体の一部に偏ってしまうわけです。
これは、体にとってあまりいいことではありません。
血液は栄養や酸素を体中に運ぶ役目をしているからです。
そのため、人体は寝返りを打つことで血液を偏らせず、血液循環を良くしているのです。
ですので、寝相が悪いと言うのは、ある意味、健康にいいことなのです。
また、血液が循環されないと、栄養や酸素が行き渡らないので、疲れを感じることになります。
そのため、掛け布団が重かったり、敷布団が軟らか過ぎて体がのめりこんだりして寝返りが打てないと、次の日、前日の疲れが全く取れていなかったりします。
寝て起きても疲れが取れない方は、こうしたことも考慮して、新しい布団を買うことをお勧めします。

喉元過ぎれば熱さを忘れる?
「喉元過ぎれば熱さ忘れる」と言う諺があります。
これは、「苦しい経験も、過ぎ去ってしまえばその苦しさを忘れてしまう。又、苦しい時に助けてもらった事も、過ぎ去ってしまえばその恩義を忘れてしまう」と言う意味です。
ところで、この「喉元過ぎれば熱さ忘れる」と言う諺。医学的には、どう判断されるのでしょうか?
字面だけ見れば、ノドさえ通過すれば、つまり胃に入ってしまえば、熱さを感じない、と言う意味に取れますが…。
実はこれ、医学的に正しい言葉なのです。
人間の体には、たくさんの「刺激を感じる点」があります。
それらは、痛みを感じる点であったり、熱を感じる点であったりします。
そして、この熱を感じる点。実は、食道や胃にはほとんどないのです。
ですので、熱い物を飲んでも、喉元過ぎて胃まで行ってしまえば、もう熱さはほとんど感じないわけです。
ただし、平気だと言って熱い物をガブガブ飲むと、胃ガンの原因になる可能性がありますので、ご注意下さい。
ちなみに、先ほど「熱を感じる点」と言いましたが、実際には「熱さや冷たさを感じる点」です。
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